エー・マキ・モノ
心に残ったことを絵巻物にする。でも、絵巻物の長さや絵のうまさや文章のうまさなどは魔法が決める。これからの戦いの作戦なども絵巻物にできるが、文章が下手だった場合、解読に時間がかかる。
絵巻物を作るのも大変なのよ。
硯も準備しなきゃならないし、間違えたら消せないし、紙も高いのよ。
紙ってすごいわ。カラの国の人はこれで自分の気持ちや思いを残しておくのね。カンシっていうのも素敵。マナをつかって詩を作るのよ。本朝にもウタがあればいいのに。
いつか時がたったら、この今日会ったことそのものも声も髪型も全部残せる日が来ると思うの。そうなったら私。夢が広がるわ。それで本朝中の人と会話したり、思いを伝えたりできるの。そうなったら素敵よ。物語も作ってみたいわ。それでね。その物語はたくさんの刷り物になって本朝中に広がっていくの。素敵だと思わない。
私。まひろ。よろしく。カナ文字とか詩とか、マナも少しだけできるのよ。少しだけね。
そうか。俺は圭吾だ。よろしくな。
まひろ。応援してるからな。
あっ。アナタは誰。カラの国の人。西国の人。奥羽や蝦夷、それから薩摩。でも、ちょっと遠いわね。
俺は、未来人だ。
ミライ?不思議な国の名前ね。
そうか。俺。嬉しいよ。だって俺、ファンなんだぜ。
ファン?不安。私の事、嫌い。
違うよ。ひいきだよ。俺は、お前の事、ひいきしてんの。
そう。ありがとね。
なんだか、あっさりとしてんな。でも、こうやってファンの人と話せるのはいいことだよ。好きな事や同じものが好きな仲間と出会えた時って、やっぱりうれしいよ。
アナタも漢詩や物語が好きなの。
ああ。書くことが好きなんだ。それから想像の翼を広げることも好きだ。
私も、そうね。今度、漢詩。教えてあげる。それから、紙の事も。アナタ知ってる?紙ってすごいのよ。
紙?そうか。漢詩も教えてくれよ。
良いわよ。
俺、まひろと話したもんな。博士より、ちょっと嬉しいかもな。だって、博士は男だし、俺となんか似てんだろ?でも、まひろは俺とは何か違う。それでいて新しい風をもっている。ニュー・ウインドーっていいのかな。それを感じるよな。俺はまひろにさ。
ニコちゃん。圭吾君。嬉しそうやで―。
ああ、ニコ。聞いてくれよ。俺。麻尋と話したんだよ。
ニコちゃんもはなしたいなのよ。
今度行こうぜ。ニコ。
嬉しいなのよ。
なんや。お前。うれしそうやな。
まひろがいたんだよ。米津よー。
ほんまか。でも、おばさんと話した時と同じチカラかもしれへんな。
何を話してるんだ。二人とも。
まひろがいたんだよ。北条。
そうか。俺もあってみたい。平安時代の人間に。
そうか。いいぜ。
でも、アンタ。ゾディアーツだったらどうするわけ。
違うよ。向田。まひろはゾディアーツじゃねえよ。
ニャ。心配なのニャ。
大丈夫です。向田さん。何があっても僕が守りますから。
ミハル君。
そのために、僕は鍛えているんです。
でも、アタシ。何もカンジナカッタワヨ。
そうだろ。アン。
そこまで、アメリカスパイ軍はいかないわけで。平安時代のアメリカにはネイティブアメリカンの国があったわけで。そこまでやってないんじゃないかな。
そうだろ。まひろは良い奴だよ。それによ。まひろに何かあっても、俺がまもってやるよ。嘘じゃない。ほんとだよ。俺はやるよ。やるよ。俺は。
頼もしいな。圭吾。
圭吾くん。ファイトやでーー。
まあ。俺もおるしな。
いつでも、OKです。有原さん。
圭吾。俺もいるぞ。博士もかよ。
ふふ。俺も結構、仲間ができてきたかもな。
まひろ。ありがとうな。俺はやるよ。俺は。この世をわが世とぞ思うだよ。ははは。
心配なのニャ。圭吾。
圭吾くん。応援しているワ。でも気をつけてネ。