スパイウオッチ だからみんなでって思うの。
私は抜け殻になってしまった。院のために頑張ってきたのに。院は私のすべてだったのに。院と戦っていくことが私のすべてだったのに。負けてしまった。
私はこのまま消えてしまうのか。獅子堂みたいに仕事があるわけではない。あっても身が入らない。このまま。
おい。まて。まりあ。お前にだって。道がある。ミハルを見てみろよ。
私は戦うために産まれてきたの。だから。もう終わったの。
そんなの誰が決めたんだよ。法皇さんはお前に生きていてほしいんだよ。生きろよ。生きることが任務だよ。お前のよ。獅子堂。あなた、北条軍の肩を持ち過ぎよ。
違うよ。そんなんじゃねえよ。俺を切ろうってのか。やってみろよ。
二人とも何をやっておるか。何度もいうようにここは我が寺。この山の上にある。良い寺だ。それを血で汚すと申すか。そもそもみへい同士で戦うとは嘆かわしい。北条軍と同じではないか。
和尚。
おっさん。
そうだぜ。命を大切にしろよ。
「僕らは未来の種なんだよ。」
そうね。仲間をこの剣の錆にしてしまうのは良くない事よね。
何。嘆かわしい。それは良い刀だぞ。それを小競り合いで使うとは。まりあ殿。ここは一考の余地が。
和尚様も私に生きてほしいのですか?
いや、まりあ殿は一度しくじったもの。腹を召されるなり、お頭を切られるなり好きにしたら良い。しかし、ここは仏法を行う場所。ならばそれに準じた態度が必要であるといっっておるだけで。そもそもあなたの身はあなたの物。どうされるもあなたが決めるがよろしい。
おっさん。
和尚。ならば。
しかし、その身はあなたが賜ったもの。それを無下になさるというならあなたはそこまでという事ですな。
そうだよ。生きてくれよ。まりあ。お前だって。ミハルみたいなやつがいるだろ。
こんなのまりあちゃんらしくないよ。
獅子堂。和尚。私。考えてみます。私がどうしていきたいかを考えていきたいと思います。
そうよね。私は法皇様といままで歴史を作ってきた。それが楽しかった。でも、法皇様はどこかに行ってしまって。歴史の旅も終わってしまった。
私は、私たちは未来の種なんだ。こんなの私らしくない。この刀やこの身は法皇様から賜ったもの。なら、私の歴史の旅もまだまだ続くという事。
なんだ。和尚も獅子堂も私に生きていてほしいんじゃない。うふふ。
久しぶりに笑ったわ。ありがとう。和尚。獅子堂。
さて、まりあ殿はどうなさるか。
おっさん。大丈夫だよな。
ミハル殿に聞いてみては。獅子堂よ。
ミハルは神様じゃねえよ。
そうだな。獅子堂よ。
でも、あいつは俺に道を教えてくれたんだ。だからそれを俺はまりあに教えてやりたい。
獅子堂よ。なかなか優しくなったな。
優しくなってないよ。
でも、それがお前の道を開くこともあるかもしれない。
開かないよ。でも、前より、いちご姫もキョウも前より良くできるようになったかもしれないな。
歴史は続いていくのね。もうちょっと私。やってみようかな。
それがあるという事はまだ進めるという事かもしれないな。
分かんねえけど。結構楽しいぜ。俺。おっさん。
大丈夫だよね。まりあちゃんなら進めるよ・・ね?
大丈夫だよ。僕たちはきっと、この世界にまかれた種なんだよ。ここからまた世界は広がってがっていくんだよ。きっと。
だから、私もちょっと進もうって思ってるんだよね。私ひとりじゃきっと無理って思うけど、皆でこの三人でなら、きっと前に進めるって思う。私。
獅子堂。これ。獅子堂。
なんだよ。
この三人とは拙僧とまりあ殿と獅子堂か?
いちご姫か?いちごの姫。さぞかし可愛かろうな。
なんだよ。
案じておるのだ。
院。私。歴史の旅を続けます。