向田、お前はいいやつだ。お前は頭がいい。ニコもいつもお前に感謝しているぞ。
お前がいなくて、俺と桃子だけだったら、こうはならなかった。ニコがここまで来れたのはお前のおかげだ。
そんな事ないわ。ニコもニコで成長してるわよ。ニコもね。いつまでも馬鹿じゃないの。
ニコちゃん。馬鹿じゃないなのよ。お勉強しているなのよ。ニコは勉強してるやで。カンちゃんと一緒に、アンちゃんと一緒に。
ニコ、今、やでと言ったか?
言ったやで。カンちゃんの言葉なのやで。
そうか。
でも、これ話しにくいなのよ。これがいいなのよ。ニコ、ミハル君ともふらんちゃんとも遊んだなのよ。それから、アンちゃんとも。
アンちゃん、お前、行き来しているのか?
ちがうのよ。アンちゃんはアンちゃん、ニコはニコなのよ。
なんや。お前、どうした。
いや、ニコと話していたところだ。アンと遊んだそうだ。
いつも、ピカピカ、ピカピカ、やっとるで。イルミネーションかいな。でも、ニコ楽しそうやんか?音楽もな。楽しむことがな。じゅうようやねん。わかるか?北条。
音楽か?俺は、あんまり歌は歌わない。だが、曲は好きだな。
ほうか?俺な、楽しいねん。今、どんどんと自分のできることが増えてきてると思う。
そうか?それはよかった。
カンちゃん。できること増えたのね。よかったなのよ。
ミハル君。
今、帰りました。僕、今日、ふらんちゃんと遊びました。それからクリスとも、剣道もしましたよ。僕、筋肉がついてきました。北条さん。ありがとうございます。
そうか?俺は嬉しいな。お前が嬉しいなら、俺も嬉しい。
おーい。聞いてくれ。俺、ミステリ、また、いいところまでかけたんだ。北条、ありがとうな。俺、最初、見た時、聞いたないよとだったけど、なんだか、嬉しかったんだよな。俺、お前たちと出会って小説の話の幅が広月ような気がするよ。ありがとう。俺、今までパパとママといたけど、お前らのところに来てよかったと思うよ。俺さ、楽しいんだよな。今日は気分がいいよな。
有原、アンタ、嬉しそうじゃない。アンタも最初は俺はお前たちとは違うって言ったわよね。北条の奴らには負けないって、でも、負けちゃったじゃない。
何言ったんだよ。俺は最初はそうだったも知らないけど、お前だって、笑顔が増えて前より可愛くなったじゃねえか。お前、お前が思ってるほど、暗いやつじゃねぇと思うぞ。バスケットボールもうまいじゃねえかよ。頑張れよ。
なんなの。有原、曲はよく喋るわね。アンタに何がわかるの?
でも、もう、わかっているのにゃ。と向田はどこかに行った。
なんだよ。いなくなったのか?お前はいいやつなのに、本当に。
ニコちゃん、ネムちゃん、好きなのよ。アンちゃん、みたいに優しくなってね。
その時、スパイバッチが光った。
ニコはアンに変わった。
そうね。あの子は繊細なのね。みんなが、みんな同じになることはないと思うわ。向田さん。今は、一人で考えてみてもいいかもしれないわね。みんながみんなちがっていいの。スパイ学校と同じよ。そう、スパイ学校とね。あなたが、どうなりたいかはあなたがキメルノヨ。
そう、アナタがネと目をあかくした。
北条はおい、やめろ。アン、ニコを離せ。と怒った。
あら、冗談じゃないの?ねえ、ニコちゃん。と笑っタ。
そして、こう思った。別に北条が嫌なら、やめたり、やめなくても、あんまり仲良くしなくてもいいのよ。アナタはアナタのよ、それがスパイの道よ。オウエンシテイルワ。私、向田サン。とニコッとわらった。
向田は近くの公園にいた。
今はココアちゃんである。
私、あんまり仲良くできないのにゃ。仲良くしたくないわけではないけど。としょんぼりしていた。
そこに、案がやってきた。アンは赤い目でココアをみた。
北条がやめろと言って雷突きをしようとした。
しかし、アンは待ちなさい。猫ちゃん、抱っこするだけじゃない。北条君は悩みとかないの。と笑った。
北条は何もない。俺にはニコとあいつらと桃子のことしかない。と怒った。
ふぅん。桃子ちゃんネ。悩みあるのね。じゃあ、向田さんのことも、わかるんじゃないの?みんな、悩んでいいのヨ。とアンは北条が怒っているのを楽しむように言った。
アンはそう言いながら、ココアちゃんをヨシヨシとしていた。ココアは最初はふーと怒っていたが、アンに敵意がないとわかるとゴロゴロと言っていた。
ココアちゃんの目に涙が少し、浮かんでいた。
北条は向田、辛かったよな。何かあったら、相談に乗るぞ。と見つめていた。