私はバスケの帰り、家に帰る途中、ミハルとふらんちゃんたちが話してるのを見た。桃子さんもいた。桃子さんはいろいろ謎だ。桃子さんは女性なのに僕という僕という言葉を使う人は珍しくないけど、少し、目つきもキツくて怖いのにゃ。私が猫だって、バレてる。もうバレてもいいけど、桃子さんは怖い。何だか、私たちの事を一人一人、調べられているような気がして嫌だ。バスケットボールのコーチよりも怖い。怖いというよりも近寄り難い先輩のような、だから、あー、ミハルと声をかけた。すると、ミハルも桃子さんもこちらを向いて、おーいと手を振った。この間、アンが言ってたの。桃子さんは私たちを監視してるってだから、少し、怖いのにゃ。動物だってバラされてどこかに連れて行かれるような私、あの家が好きなのに。そう思っていると桃子さんがこっちにきて、きみもこっちにきなよ。僕が君を連れて行くって、怖がらないでよ。僕も君たちと同じだよ。僕の事が、怖い?そうだね。でも、大人になったらいろんな人がいるんだ。だからもしかしたら、君と見え方、見てるところが違うだけで案外、同じものを見てるかもしれないよ。だから、恐れないで、君もニコちゃんも北条君の事もどこかに連れて行ったりはしない。君の居場所もとらない。ぼくは君たちの仲間だ。大人になったら、いろんな人がいる。だから、ぼくも一緒にいるよ。向田さん。
そんな事、鵜呑みにできない。
でも、僕、料理作って食べてるだろ?怖いか?難しいな。僕も君らと同じさ。怖いかもしれないけど。
ごめんね。怖かったね。
向田さん。どうしたんですか?
何でもない。ちょっと苦手だなと思っただけ。
そうですか?最初は嫌だと思っても話してみるといい人だとわかると思います。嫌だと思っても相手は人です。怖がらないでください。モンスターではないのです。向田さん。もしも、モンスターだったら、北条さんと、米津さんと、ニコさんで守りますよ。みんなでやってやりましょうよ。
有原は?
有原さんは、Twitterにでも、戦いをながしてもらって、
みんなバレちゃうわ。
いいじゃないです? 向田さん。僕たちは何も悪いことはしてないんです。いろいろ、秘密を持っているかもしれませんが、誰も、そのことに対して責めることは誰にもできないはずです。生きていいんです。だから、もっと、頑張っていいんです。ぼくたちもいきてるんですから、またみんなでバスケットボールをしましょうよ。バスケットボール、楽しいですよ。
それも、桃子さんの受け売り、
違います。ごめんなさい。
でも、みんな、ここにいますよ。向田さん。思い出してみてください。
ありがとう。
こちらこそ、辛い方があってもみんないます。大丈夫です。向田さん。
ありがとう。
そうか、恐ろしいか?残念だな。今度、行く時にあやまろう。僕も、君たちの仲間でいたいんだ。
あの、星のように。