僕はこの任務に着いた時、子供の見張りなんて嫌だと思っていたんだ。僕はこんなことのために警察官になったわけじゃない。僕は地域の平和を守りたいと思ったからだ。僕は思うことがある。人は人によって生かされているなら、僕はそれを守りたい、そう思う。僕は使命感に燃えていた。けれども、空手の練習をしたり、恋バナしたり、なんだか、僕のイメージしている警察のイメージとは違うような気がして、何ィと思うのだけれど、僕はこれも一つの人の営みの中の一つならばこれも守らなきゃならないと思っている。僕の料理をあの子たちは褒めてくれる。ニコちゃんは僕に懐いて、ニコちゃん、今日も元気だね。とひとこと、この一言でも、印象は変わってしまうんだ。印象にこだわるのは警察官、参入捜査官のテクニックの一つだ。この警察官はやれるぞと思われたい。僕もこの地域を守る人々の営みを見守る一人であるなら、あることができるのなら、僕は地味だと言われても、この任務を全うしたいんだ。
そんな僕もこの人の営みの中の一人なのかな?それは僕だけが知っている。僕はそう思う。エゴかもしれないが。そう思っているよ。
あー、ももこさん。
松平君。今、帰りなのかい?君もだんだんと変わってきているな。
はい。
今日も見守りですか?
そんなところさ。僕は警察官だからね。
おーい。ミハル。あー、ポリスメン。こえー。
お友達かい?
はい。
そう、僕が君ぐらいの時は友達なんていなかったよ。まあ、女の子だから、一人でも良かったのかもしれないけど。
何をしとるんじゃ。ミハル。捕まってしもうたんか?ミハルはなにもしとらんけぇ。ゆるしてつかあさいや。
僕はミハル君を捕まえようなんて思ってないよ。安心してくれ。
君は?
フランじゃー。
元気がいいね。困ったことがあったらいつも相談して、僕は待ってるから、
警察のお世話にならんようにきをつけますけえのう。
そうか、でも、気軽にきていいんだよ。君が困った時に守ってくれる人が必ずいるんだよ。
わしゃ、守ってもらわんでもいきていけますけ。ミハルもクラスもおりますけえね。
人と人との繋がりか君を守っているということか。
ありがたいな。俺もお前たちの仲間なのか。嬉しいぜ。
お前は調子に乗りすぎた。クリス。
ごめんな。ソーリーだ。
君たちは元気がいいなあ。これが人の繋がりなのか?
僕にもわかりません。でも、僕は今が楽しいんです。僕の勝手な思いかもしれませんが、刀を闇雲に振ってた頃より、剣にも、重みが出たような気がします。
守るべきものが、君にもあるということだね。
それは良いことだ。
桃子さんも何だか、僕らと関わる事、増えましたね。僕、応援してます。
人に応援される事は、よいきもちになるな。感じた事がなかったよ。こんな気持ちは。
そうか?僕にも応援してくれる人がいるのか?僕も人の営みの中にいたんだな。エゴだとしても、それがたとえ、思い込みだとしても、ミハル君ようにフランちゃんのように純粋に自分の中のイデオロギーを信じて、ただ生きるんだ。熱き、心のままに、必死に、泥に塗れても、大変でも、それがニュータイプか?
なれるかな?僕もニュータイプに、
ニュータイプ、懐かしい、響きだな。僕も遠い記憶があるような。僕も、君たちぐらい時はそれができていたような気がするな。
僕は少し、君たちに入れ込みすぎているような気がする。冷静になれ。
ももこさん。
あー、ごめんね。懐かしい気持ちになったんだ。君たち、若い時間は短いぞ。心のままにただ、生きろ。
なんじゃ?ももこ姉ちゃん、そんな言われんでもわかっとるわい。ミハル。のう。クリスものう。
フランは得意そうに言った。
ミハルはそれを見て嬉しそうにしていた。
ももこはその時、君は少し、入れ込みすぎているなと思った。僕にも、そんな時があったよ。遠い昔に、懐かしい時間に。と思っていた。