僕は私兵を見つけた。それはボクシング部のクリスだ。あいつはハーフなんだと。
それから物理学者のフランちゃんだ。夢はロボットをつくることだそうだ。
なんだか、右と左で髪の毛の色が違うし、しゃべりも訛っている。標準語を話す人は少ないようだ。
「大丈夫。リスペクト ミハル」
「何がなまりじゃ。どこもなまっとらん。テレビの人らの方がなまっておるんじゃ。」
やってやろうぜ。北条を倒すんだ。
おもしろそうじゃ。
もっと、頭のいいのが良かった。でも、同世代の友達ができてよかったよ。
なんだか心が温かくなったような気がするな。
「そいつはいいぜ。ブラザー。」
「そうか。ならば、わしの助手にしてやってもいいぞ。」
「なんだと、叩き切るぞ。貴様ら。」
「おい。サムライボーイ。お前、ボクシングしたことないのか。」
「わしの頭と右腕と左腕と両足はミサイルになっておる。口の効き方に気を付け。」
「田舎者とアメリカかぶれめ。」
でも、僕はずっと一人だったんだ。暗い、洞窟の中で暮らしていた。だから僕は嬉しんだ。今、皆に出会えたことが嬉しいんだ。
「いくら田舎でもなかなか見かけんぞ。刀を持っている人なんて。」
「サムライの国。だてじゃねえってか。ははは。うふふ。」
「帰ってきたの。」
「あれ、皆さんは。」
ああ、あいつらならいないって。
「部活動はどうしたんですか。」
「今日はないわよ。今日は休みなの。」
「今日。何かあったの。」
「いいえ。」
嬉しそうよ。
「何でもないですよ。」
「そう。。」
「あのさ。桜だって。あっ。お前ら、見に行く。ニコたち待ってるぞ。」
「おーい。とってもきれいな桜なのよ。皆で見ようなのよ。ニコちゃん。待てるのよ。」
「おい。桜はな。黙ってみるもんだ。」
「ええ桜やな。」
「ミハルボーイの家だな。ここは。」
「結構なシティボーイじゃのう。目のレーダーが反応しとる。」
「ハイテクガールとミハルボーイとアメリカンボーイだな。ハハハ。」
「たたきるぞ。家臣たち。」
「一番に出てきたな。ミハル。ええことあってんやな。」
僕は嬉しいんだ。皆に会えたことが嬉しいんだ。今はただ、桜と青空、春風、なんて素敵なんだろう。」
「俺は信じている。ミハル。お前ならできる。」