バーベキューをしたなのよ。楽しかったなのよ。
僕はこの地域の昔話を聞いた。
この地域では死者を迎えるために火の松明を振り、死者を呼び出すそうだ。
僕らに昔の人の記憶や夢半ばで夢を諦めることになってしまった人の力が眠っていることにも少し関連があると思った。
ニコちゃんは炎の魔法なのよ。と言ってふりはしていていた。
米津さんは甲子園の四番打者やでとはしゃいでいた。
僕は炎を振ったり、火で遊ぶのは良くないと思って注意をした。
僕もみんなを守れるような人間になりたいと思った。
ふらんちゃんとクリスも遊びに来ていた。
ふらんちゃんの浴衣、良かったな。と思った。
クリスはこの国の夏は面白いといって野球帽の唾を触って喜んでいた。
北条さんは火の調節や肉や野菜を切って、俺がやり方を教えてやると張り切っていた。
桃子さんも北条さんを手伝って楽しそうにしていた。
僕には北条さんや米津さん、ニコちゃんとアンちゃんみたいにドラマチックなストーリーは少ない、だけど僕にはこれがあるんだとおもう。
僕はみんなの楽しい時間を守るためにこの力を使いたい。それが僕の力の源だ思う。
有原さんがこんな風にするの楽しいな。俺、採取してるよな。と笑っていた。
有原さんにとって青春とは映画やドラマの中にあるものだそうだ。でも、ぼくはそうは思わない。有原さんにもあると思う。そんなふうに自分の世界を広げて生きたい。と思った。
今日はお盆ね。ミハルくん。お化けに顔つけてね。
僕はびっくりした。その声はアンさんのものだった。
人をばかすのはスパイの基本よ。と禍々しくアンさんは赤い綺麗な目で僕をみていた。
オバケがそんな綺麗な宝石みたいな目をしてどうするんだ。と米津さんみたいに思ったがとても美しくて、怖いオバケじゃなくていたずらっぽいお姉さんのように僕は思った。