ブログもの真似主 nezuzyouziのブログ

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銀色の声真似。

向田邦子先生のかわうそを読んだ。かわうそ脳卒中で倒れてしまった旦那さんとそれを介護するおくさんの生活をつづったはなしです。しかし、介護で愛に目覚めるというよりは脳卒中という病気、大きな事件を党してその夫婦がいかに仲が悪く問題を抱えていたか。いかに夫というのは人に遠慮して暮らしているかということが暴かれていくという構造になっていました。今は、新しい生活様式が叫ばれていますが、自分というのがいかに恵まれているか。人からの無償の愛というのはかけがえのないものだという事を意識して生活したいと思いました。最後のページの旦那さんが自分で命を絶とうと包丁を持っていると奥さんが「あなた。包丁、自分で持てるようになったんですね。」と笑ったシーンが良かったです。少し、ギャグ風で良いと思いました。しかし、思い悩んでいる人に対してそれは酷な事だと思いました。しかし、包丁をまひのある手で持てるようになったという事は新しいスタートに立てたという事だと思います。まひに負けないで新しい所に立つ。降り立ったお父さん。しかし、それは自殺のためで。ここが残酷であえいながらも、温かく。邦子先生なりのエールなのだと感じました。しかし、エールだと思って読んでいても聞いていてもそれは皮肉だよ。という人がいるかもしれません。けがの光明という言葉もあります。必ずしもその結果が芳しくなく酷な事もあります。しかし、それは間違いなく現実なのです。だから、最後の奥さんの言葉はそれを表していると思います。