おもいだしたよ。あの匂い 向田邦子
今日は向田邦子先生の好きな人の話を聞きました。
向田邦子先生は面白い話をたくさん書いています。恋愛ものもたくさん書いていますが貫太郎のお父さんも慎太郎さんもみな奥手です。慎太郎さんは阿修羅がごとくのいがみ合い4姉妹のお父さんで戦争から復員をして帰ってきたのです。慎太郎さんはうたがすきで良く歌を歌っています。香水にも凝っていてインスタントコーヒーにはまっていて、でも、料理はあまり徳ではなく奥さんの手をわずらわせてばかりです。しかし、色気があるものですからそれがあだとなり、家が傾き・・・というのが阿修羅がごとくです。4姉妹の中で華道の家元にとついだ娘がいてその視点から始まります。向田先生の技である。語り物、ドラマ風の筆も素敵です。笑いも忘れず。でも、貫太郎一家ほど明るいわけではなく女性の内面というのが強く書かれていて少し読むのが恐ろしくなります。こずえが一人から4人に増えて楽しいこずえと引っ込み思案なこずえと健康なこずえとわるいこずえがでてきているような話だなと思いました。舞台も昭和40年代から50年代、60年代と現代に近くなっているような気がしました。どことなく僕の子供のころにも近いような、お祭りの日に親戚が集まってお金の話をしている。タバコのにおいがしたな。たくさん。といった。気持ちになりました。今日は生ハムさんの楽しかった話を募集しますという放送を聞きました。そうですね。と思って思いをめぐらせているとそんなことを思い出しました。