ブログもの真似主 nezuzyouziのブログ

ブログものまね主 ねずじょうじです。よろしくお願いします

お茶、できましたよ。学園パラレルファクター。 

今日の貫太郎は、珍しくゆったりとしていた。

今日は、春分の日で、珍しく、店を休んだのだ。しずえは、今日は、学校のおこと部があるとか、なんとかで、学校へ出かけた。

シュウヘイは、るんるんという風に、陽気に、

ちょっと、友達のところへ行ってくるよ。と、里子にいって、友達の家に、遊びに行った。

貫太郎は、貫太郎は、そんな二人を見て、まったく、たまの休みぐらい、家でゆったり、まったりしたら、どうなんだ。と思って、朝から、

腹を立てたが、しずえには、「パパ、ごめんね。部活なの。友達に頼まれちゃって、ごめんなさい。」と、謝られた。

シュウヘイも、「えー。俺、友達のところへ行ってくるよ。いいだろ、遊びに行ってくるくらい。」と、言われた。

貫太郎は、そんな二人をぶっ飛ばしたかったが、休みくらい。好きなように、させてやるるか。と、思って、ぶっ飛ばさなかった。

二人が、出て行くと、今度は、家の中では、おみよちゃんが働いていた。休みだというのに、洗濯物をたたんでいた。

貫太郎は、それを見て、「みよ。今日は、祝日だぞ。みよもたまには、休め。わかったな。といって、今日は、休みにしてあげることにした。

しかし、みよちゃんは、「親分さん。気持ちは、ありがたいのですが、この間、お休みをいただいたので、今日は、働きます。」と、いった。

みよちやんがそういうと、貫太郎は、「いや、いいんだ。今日は、いい。今日は、休みだ、好きなところへ行ってこい。」と、いった。

貫太郎がそういうと、みよちゃんは、少し、困っていた。おみよちゃんが困っていると、里子が、「あら、おみよちゃん、お休みの日も、働いているのね。偉いわね。でもね。今日は、いいのよ。こっちで、お菓子を食べましょう。」と、いった。

おみよちゃんは、里子がそういうと、「いいですか。?でも。」といって、戸惑った。

おみよちゃんが戸惑っていると、里子は、「本当に、みよちゃんは、いい子ね。しずえに、見習わせたいわ。そうね。じゃあ、それ、終わったら、こちらにいらっしゃい。」と、いって、笑った。

里子は、笑うと、「あ、お父さんも、どうです。?美味しいですよ。」と、いって、笑った。里子が笑うと、貫太郎は、「そうか。」と、いって、里子の方を見た。里子は、クッキーをお皿に盛っていた。

貫太郎は、口数が少ない。おう。とか、そうか、とか、ああ。とか、しか、言わない。

貫太郎が、長々と話すのは、怒っている時か、石の話をしている時か、人にお願いをする時だ。

貫太郎は、縦も、横も大きく、いつも、三食、もりもりご飯を食べているのに、とても、口数が少なく。普段の声は、怒っている時より、小さめだ。

貫太郎は、里子に、「そうか。」と、いうと、心なしか、嬉しそうに、こちらに、のっし、のっしと、やってきた。しかし、顔は、笑っていない。笑っているというより、ちょっと、嫌そうである。「なんだよ。お菓子は、食べないんだよ。俺は。」と、いう風である。

しかし、貫太郎は、そこから見ると、ちゃぶ台のちょうど真ん中になる自分の席に座ると、

小さい声で「里子をお茶くれ。」と、いった。

里子は、貫太郎がそういうと、お父さんたら、お菓子よ。って、言ったら、すぐ来たわ。お父さんも、お菓子が好きなのね。と、思って、笑った。

里子は、そう思って、笑うと、台所に、「はい。お父さん。今、お持ちします。」と言って、台所に、お茶を沸かしにいった。

里子が、お茶を沸かしに行くと、おみよちゃんが、洗濯物をたたんで、こちらにやってきた。

 

おみよちゃんは、ちゃぶ台に座る時、お菓子を見た。そのお菓子は、クッキーでとても、美味しそうだった。チョコレートがついたのや、緑色のクッキー、お抹茶のも、あった。赤い砂糖の飴がついたのも、あった。

 

おみよちゃんは、そのクッキーを嬉しそうに見ていた。そのクッキーは、外からのお日様の光を受けて、キラキラと、光っていた。

おみよちゃんが、クッキーを見る時、顔を近づけると、とても、甘い匂いがした。

その甘い匂いは、とても、いい匂いで、

「素敵だわ。奥様。ありがとう。母さん。ありがとう。 」と、心の中で思った。

 

おみよちゃんが、そう思っていると、貫太郎は、おみよちゃんに、「みよ。そんなに、珍しいか?みよ。いい菓子だな。こりゃ、上等なもんだぞ。」と、低く、優しい声で言った。

おみよちゃんは、貫太郎がそういうと、

「親分さん。私、こんな、綺麗な、お菓子、見たことないです。だから、素敵だな。って、思って、親分さん、クッキー、おすきなんですか?」と、聞いた。

 

おみよちゃんが、そういうと、「ああ。よく食べるよ。」と、言った。

貫太郎は、この時、はずかしそうにしていた。

なぜかというと、貫太郎は、すき、とか、嫌いとか、素直に、いうのが、苦手なのだ。

貫太郎が、そういうと、おみよちゃんは、

あら、親分さん。かわいい。と、思ったが、

「おう。おう。俺が、かわいいって、どういう事だよ。俺は、この家の主人だ。主人と、いうのはな、敬うもんだ。それをな。かわいいたぁ、どういう事だ。」とか、なんとか、言って、癇癪を起こすので、言わないでおいた。

 

 

おみよちゃんが、そう追っていると、おきんばあちゃんが、やってきて、おみよちゃんの隣に座った。おきんばあちゃんは、おみよちゃんの隣座ると、「おや、おや、いい匂いがするね。みよ。あんた、これ、私に黙って、食べようとしたね。最近のお手伝いさんは、図々しいね。」.と、言って、おみよちゃんをからかった。

 

おきんばあちゃんが、おみよちゃんをからかうと、貫太郎は、おきんばあちゃんに、「ばあちゃん。みよは、家族だ。お手伝いじゃない。」と、怒鳴った。その時の貫太郎は、怖かった。

 

おみよちゃんは、その時、あったことはないけど地獄のえんま様と言う人は、こんな人なんじゃないかと、思った。できれば、私は、会いたくないな。と思った。

 

貫太郎に、怒鳴られると、おきんばあちゃんは、「あー、怖い。怖い。」と、言って、小さくなった。

おきんばあちゃんが、そう言うと、貫太郎は、「ふん。」と、鼻を鳴らした。

 

おみよちゃんは、その時、とっても、怖かった。親分さんの顔が、声が、怖かった。

地獄のえんま様のようで、鬼みたいで、怖かった。おみよちゃんも、その時、自分が、怒られたわけじゃないのに、自分も、おきんばあちゃんと、思わず、小さくなった。

でも、この時、おみよちゃんは、怖いけど、貫太郎に、怒鳴られて、怖い思いをしたけれど、

嬉しかった。嬉しいなと、思うと、おみよちゃんは、「お父さん。」と、小さく、言った。

おみよちゃんが、そう言うと、

里子が、「はーい。お父さん、お茶ができましたよ。」と、言って、貫太郎と、おみよちゃんの分を持ってきた。

聡子がお茶を持ってくると、おきんばあちゃんが「里子さん。私にも、くれるかい。?」と、言った。

おきんばあちゃんが、そう言うと、里子は、

「あら、おばあちゃんも。わかりました。」と、言って、やかんから、お茶を注いだ。

そのやかんは、貫太郎のお腹のように、丸々としていて、とても、大きかった。

その時の里子の顔は、とても、綺麗だった。

おみよちゃんは、その顔を見て、私も、こんなお母さんになりたいと、思っていた。

そう思っていら、おみよちゃんの耳に、お茶が、湯飲みに入る音が、トクトクと、優しく、響いていた。 

おみよちゃんは、その音を聞きながら、幸せな気持ちになっていた。この音をずっと、聞いていたい。と、おみよちゃんは、静かに、思っていた。

 

 

 

 

 

ボスベイビー、楽しいといいね。

ボスベイビーの日本語吹き替え版、キャストが、俳優のムロツヨシさん、芳根京子さんに決まりました。
ボスベイビーは、少年ティムの元に、お母さんと一緒に、スーツ姿の赤ちゃんがやってきたという、お話です。
実は、この不思議な赤ちゃん、なんと、ティムの弟だ。そうですよ。
赤ちゃんが、スーツを着ているとは、これはいかなることでしょうね。
ムロツヨシさんは、勇者ヨシヒコの冒険で、メレブ役で、出ていましたね。
メレブは、面白い呪文をたくさん持っていますね。僕はメレブは、楽しいので、とってもいいなあ。と思います。
芳根京子さんは、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん。」に出演していましたね。
べっぴんさんは、赤ちゃんの服を作るメーカー「キアリス」の物語でしたね。
べっぴんさんの中の芳根京子さんは、とても、綺麗で、素敵でした。
芳根京子さんは、また、赤ちゃんが題材のお話に出ますね。
これは、楽しみです。
ボスベイビー、楽しいといいなあ。

ごあいさつ。学園パラレルファクター

おきんばあちゃんは、朝早く、貫太郎の店の近所の集会所に行った。 

 

この集会所は、貫太郎たち、住民の集会所で、

よく、地域の人たちが集まっている。

 

土曜日や日曜日には、よく、文化同好会や、地域の幼稚園や小学校の歌の発表会などが、行われている。シュウヘイやしずえも、小学部の頃は、よく、ここで、合唱や、合奏の発表をしたものだ。

その度に、貫太郎は、きちんと、見に行った。貫太郎は、店をイワさんや竹田さん、おきんばあちゃんに店を 任せて、里子と二人で、見に行ったものだ。

 

本当は、家族全員で、見に行ければ、応援しにいければ、いいのだが、そういうわけにも、なかなか、行かなかった。

しかし、貫太郎は、シュウヘイたちに、寂しい想いは、させまいと、家族みんなで、店中で行けなくても、父さんと、母さん、二人で行くということを心がけた。

そんな、貫太郎たちにとって、思い出の詰まったこの国の集会所に、おきんばあちゃんは、おこと同好会に参加するために、通っている。

おきんばあちゃんは、食べることと寝る事が何よりの楽しみとしている。

おきんばあちゃんは、食べる事と、寝る事以外には、あんまり、興味がない。あったとしても、アイドルのジュリーと、最近、話題の高校生アイドル、アルフォート君ぐらいである。

二人は、とても、カッコいい。素敵だね。と思って、おきんばあちゃんは、見ている。

シュウヘイも、実は、とても、ハンサムで、ジュリーや、アルフォート君と、同じくらい、カッコいいのだが、シュウヘイは、何か、違うらしい。

そんな、おきんばあちゃんにとって、このおこと同好会は、数少ない関心ごとの一つであった。

おきんばあちゃんは、おことの日には、おめかしをして行く。お化粧も、きちんとして、紅も、いいのをさしていく。最近、流行りの化粧品やら、何やらも、きちんと、していくのだ。

もちろん、着物も、きちんと、いいものを着ていくのだ。なぜなら、石屋の女将、もう、半ば引退して、里子に譲ってしまったが、石屋の女将さんとして、ふさわしい格好をしなければならないという気持ちが、あるからだ。

で、あるから、その日のおきんばあちゃんは、

いつもとは、少し、違った雰囲気なのだ。

おきんばあちゃんは、集会所に行くと、他のお年寄り、おばあちゃんたちに、挨拶をした。丁寧に。みなさん、こんにちは。寺内石材店のおかんでございます。と、挨拶をした。

おきんばあちゃんが、皆に、挨拶をすると、お年寄りたちは、皆、口々に、あら、寺内さん。こんにちは。今日も、お綺麗ね。、あー、おきんちゃん。といった。

 

おばあちゃんたちが、そういうと、おきんばあちゃんは、「あんたも、綺麗だよ。」、近頃、この辺も、あったかく、なってきたね。」と、陽気に答えた。

おきんばあちゃんは、おことも、さることながら、ここで、近所のおばあちゃんたちや、地域のおばあちゃんたちと、話をするのが、好きだった。

話題になるのは、ご近所の話題。何でもない。ご近所の話題だ。あーでもない。こうでもない。と話していると、不思議と笑みがこぼれる。おきんばあちゃんは、お年寄りと話しながら、それとなく、集会所の窓から、空を見た。

空には、白い雲と青い空が広がっていた。

おきんばあちゃんは、「おや、綺麗だね。いい空だ。何だか、今日の空は、綺麗だね。」と、思った。

おきんばあちゃんが、空を見ていると、おこと同好会の講師の先生が入ってきて、「皆さん。お元気でしたか?今日も、楽しいおことをはじめまししょう。」と、いった。

おきんばあちゃんは、講師の先生の話を聞きながら、「さあ、おことの時間だよ。今日も、楽しもう。」と、思った。

講師の先生は、今日は、なんと、パラレルファクター学園から、ステキなゲストをお呼びしています。誰でしょうね。」それでは、お入りぐださい。」と、いって、わらった。

おきんばあちゃんは、この時、誰かな?誰かなと少し、ワクワクした。今、話題のアルフォート君なら、いいねえ。」と、おもっていた。

しかし、入ってきたのは、女の子、三人組だった。

入ってくるとき、颯爽と入ってきたのは、りっぱな棚を持つ、女の子だった。おきんばあちゃんは、それを見て、「あら、まあ、りっぱな角だ。」と、思った。その角は、とても、大きく

雄々しかった。その大きさは、貫太郎の腕ほどは、あろうかというほどだった。

二番目に入ってきたのは、髪の毛がふんわりとした。笑顔の可愛い女の子だった。

その女の子は、部屋に入ってくると、おきんばあちゃんたちに、ペコっと、頭を下げた。おきんばあちゃんは、それを見て、「おや、おや、可愛らしいね。」と、いった。

三番目に入ってきたのは、おきんばあちゃんのよく知っている子だった。

その子は、杖をついていた。その子は、銀色の杖をつきながら、部屋に入ってきた。部屋に入る時、その子は、おきんばあちゃんたちの方を少し、みた。

その中に、おきんばあちゃんを見つけると、しずえは、ああ。と思ったのか、笑わなかったが、目がキラキラさせていた。口元も、少しだけ、上がっていた。

三人が、部屋に入ると、講師の先生は、

「はい。皆さん。とっても、ステキなゲストでしょう?それではね。ごあいさつを。」と、

いって、笑った。一番最初は、一番目に入ってきた。りっぱな角の女の子だった。

「パラレルファクター学園、高等部のカミューネです。よろしくお願いします。」と、挨拶をした。

その声は、とても、元気な声で、とても、明るい声だった。

カミューネが挨拶をすると、おきんばあちゃんは、「あら、元気のいいこと。うちの石屋に、働きに、きてくれないかね。」と、笑った。

 

二番目には、笑顔の可愛い子が、「パラレルファクター学園、高等部の乃木 アスミです。私は、おことは、初めてだけど、頑張ります。皆さん。よろしくお願いします。」と、いって、ふふっと、笑った。

おきんばあちゃんは、その時、「この子は、なんだか、笑い上戸だね。と思った。

三番目に、挨拶をしたのは、銀色の杖をついて、部屋に入ってきた子だった。この子のことは、おきんばあちゃんは、よく知っている。

その子は、挨拶する時、おかんを見つけると、また、目をキラキラさせて、「パラレルファクター学園、高等部の寺内  しずえです。おことは、おばあちゃんから、少し習いました。今日は、皆さんと、一緒に、おことを楽しみたいです。」と、元気よく、いった。

しずえがあいさつをするとき、おばあちゃんと、いったので、おばあちゃんたちは、おきんばあちゃんの方を見て、ニコニコした。

おきんばあちゃんは、その時、なんだか、誇らしい気持ちになった。誇らしい気持ちになると、どうだい?私が、あの子に、少し、おことを教えてやったんだよ。と、思った。

そう思うと、ジュリーや、アルフォート君じゃなくて、少し、残念に思っていた気持ちは、どこかにいっていた。しずえは、その間も、貫太郎に似たのか、朗々と大きな声で、自己紹介をした。

なんだか、みんなのまとめ役と、いった感じであった。

おきんばあちゃんは、そんなしずえを見て、

しずえ、りっぱになったね。」と、しみじみとしているのだった。

三人のあいさつが、終わると、講師の先生は、

「みなさん。ステキですね。カミューネさん。アスミさん、しずえさんも、おことの世界を楽しみましょうね。」と、笑った。

講師の先生が、笑うと、今日は、美味しいお菓子も、ありますからね。みなさん。お楽しみに。」と、いって、笑った。

その時、アスミは、お菓子と、聞くと、ふふっと、笑った。

アスミが笑うと、しずえは、ダメだよ。というふうに、少し、注意した。

カミューネは、そんな二人を見て、少し、笑った。

おきんばあちゃんは、そんな三人を見て、

「やっぱり、しずえは、貫太郎に似たんだね。

立派になっちゃって、この間までは、小さい赤ん坊だったのにね。月日ってのは、早いもんだね、」と、思っていた。

その時、しずえの銀色の杖は、部屋の明かりに照らされて、キラキラと、光っていた。

 

 

 

 

 

しずえと、シュウヘイ。学園パラレルファクター。

しずえは、ワクワクしていた

それは、先日の事をシュウヘイに聞いてみたくて、仕方がなかったからだ。

だから、夕ご飯を食べている時、シュウヘイに、この間の事を聞いてみようと、思って、「シュウちゃん。この間の事、どう思ってるの。?と、聞いてみたかったが、

ご飯中に話すと、貫太郎が「しずえ、メシと言うのは、静かに食べるのだ。」と、怒るので、聞けなかった。今日の夕ご飯は、里子、特製のサバの味噌煮だった。

里子の、作ったサバの味噌煮は、美味しい。お箸で、少し、切っただけでも、柔らかく、身が、ほぐれるのだ。

おかげで、骨も、あまり、取り除かなくてよい。

お味噌も、ほんのり、甘く、しょうがの香りがする。しずえは、里子のサバの味噌煮が好きだった。すじえは、おみよちゃんの料理も好きなのだが、これは、里子の、ママのサバの味噌煮で、ないと、ダメだった。このサバの味噌煮は、貫太郎も、大好きで、黙々と、食べている。ご飯も、進むようで、母さんとか、里子。と、いって、お茶碗を突き出しては、里子から、ご飯を貰っている。

おきんばあちゃんも、里子さんの、サバの味噌煮は、柔らかくて、年寄りにも、いいわね。やっぱり。里子さんは、優しいよ。」と、いって、大好評である。

おみよちゃんは、「奥さんの、サバの味噌煮。おいしいです。今度、私にも、作り方を教えてください。」と、目を丸くしている。

竹田さんは、今日は、お夕飯は、いらないという事で、今日は、いなかった。

竹田さんは、どこかで、職人さんたちとお酒を飲んでるのかな。?と、しずえは、思った。

そう、思いながら、里子は、ふと、シュウヘイを見た。シュウヘイは、ご飯を食べながら、何やら、ニヤニヤと、笑っていた。

シュウヘイが、笑っていると、おきんばあちゃんが、「何、ニヤニヤしてんだよ。寺内。気持ちの悪い。」と、シュウヘイを茶化した。すると、シュウヘイは、「うるさいな。ばあちゃんにゃ、関係ないだろ。俺が、笑おうが、泣こうが、自由だ。」とか、なんとか、言った。

おきんばあちゃんは、それを聞いて、「おうおう何を。生意気だね。シュウヘイ。」と、言って、貫太郎に、目で合図した。しかし、貫太郎は、サバの味噌煮を堪能していたので、その合図を、見逃した。

しかし、そんな貫太郎でも、シュウヘイが、おきんばあちゃんに、くって掛かったのは、聞いていたので、シュウヘイに「シュウヘイ。ばあちゃんに向かって、何だ。その口の利き方は。それにな。男はな。ニヤニヤしないんだ。」と、サバの味噌煮と、ご飯をしっかり、飲み込んでから、言った。

貫太郎がそういうと、シュウヘイは「分かったよ。もう。しないよ。」と、言って、黙々と、夕ご飯を食べた。

しずえは、この時、不思議に思った。いつもなら、ここで、「いいだろう。別に。」とか、「悪いかよ。」とか、「ナンセーンス。」と、いって、貫太郎に食って掛かって、

貫太郎と、大喧嘩をするのだ。でも、今日は、なぜだか。それがなかった。

おきんばあちゃんや、事務方の竹田さんなんかは、それが始まると、「あー。寺内プロレスが始まった。とか、寺内名物、御膳試合だ。」と、いって、喜ぶのだ。

でも、今日は、寺内プロレスも、寺内名物、御膳試合も、なかった。

で、あるものだから。しずえは、どうしたのかな。と思って、不思議に思った。

しずえは、これがないことは、喧嘩がないという事で、とても、いい事だと思うのだが、しかし、心のどこかで、寂しかった。おきんばあちゃんなどは、言わないけれど、

「なんだい。?今日は、ないのかい。?残念だね。」と、思っているかもしれない。

しずえが、そう思っている間、シュウヘイは、素直に、黙々とご飯を食べていた。

そんなシュウヘイを見ていると、「やっぱり、この間の事だ。」と、思って、

フフフと、心の中で笑った。本当は声に出して、笑いたかったが、

パパに怒られるし、シュウヘイが、怒られた手前、お姉さんとして、我慢しよう。と思って、我慢した。

夕ご飯が終わると、シュウヘイは、自分の部屋に入って、音楽を聴いていた。

シュウヘイは、夕ご飯が終わると、すぐに、自分の部屋に行った。

しずえは、すぐに追いかけたかったが、すぐ行くと、「なんだよ。姉ちゃん。」というので、時間を空けていった。

しずえと、シュウヘイの部屋は、階段を上った二階にある。しずえは、杖をついているから、階段は、少し、大変である。でも、今日は、なぜだか、スイスイと、足を運べた。なぜだろう。?乙女心は複雑である。

しずえは、シュウヘイの部屋の戸の前の立つと、「シュウちゃん。はいるわね。いい。?」と、言った。シュウヘイは、しずえがそういうと、戸を少し、開けて、

「なんだよ。姉ちゃん。ここは、俺の部屋だ。でも、まあ、入ってよ。今日は、特別だからな。」と、いって、中に入れてくれた。

シュウヘイの部屋は、漫画の本やら、サッカーボールやら野球のバットやらがあって、壁にはビートルズのポスターが貼ってあった。

しずえが、シュウヘイの部屋に入るとき、シュウヘイは、しずえに、「姉ちゃん、ゆっくりでいいからな。」と、しずえを気遣った。

しずえは、この時、「まあ、シュウちゃんたら。」と思って、可愛いなあと思った。

そう思うと、余計に、シュウヘイにあの質問をしてみたくなった。

しずえは、部屋に入って、シュウヘイに、「シュウちゃん。この間のコの事、どう思っているの。?」と、恥を忍んで聞いてみた。もし、貫太郎が聞いていたら、ぶっ飛ばされるだろうが、今、貫太郎は、テレビで、プロ野球の巨人戦をみているので、しずえは、ぶっ飛ばされなかった。

しずえがそういうと、シュウヘイは「この間のコって、誰だよ。俺に、オンナはいないぜ。俺の恋人は、音楽だ。」と、キザに言った。

しずえは、もう。とぼけちゃって、と思って、シュウヘイに、この間のコよ。ほら、

この前、一緒に、いたじゃないよ。あの、髪の青いコよ。」と、笑った。

しずえがそういうと、シュウヘイは、「なんだ。セレアのことか。姉ちゃん。見てたのか。?セレアは、そんなんじゃないよ。父さんだって、ほら、女の人と石の話してもさ、お母さん一筋だろ。だから、そんなんじゃないって。」と、言って、笑った。

しずえも、その時、笑った。しかし、そんなわけない。と、思ったしずえは、本当?シュウちゃん。」と、聞いた。しずえがそういうと、シュウヘイは「本当だって。俺と、セレアは、仲間だ。同士だ。音楽の前では、男も女もないんだよ。」と、言った。

その時のシュウヘイは真面目な顔をして、そういった。その顔は、とても、ハンサムで、ビートルズのポールのようだった。

しかし、今、シュウヘイは、おねえちゃんと話している。かっこよく決まるわけがないのだ。

しずえは、そういう、シュウヘイに「あら。そう。?歌には、ラブソングがあるわよ。クラシックにだって、愛の歌、恋の歌は、たくさんあるわよ。シュウちゃん。どうなの。?シュウちゃん。」と、いった。

しずえがそういうと、シュウヘイは「それと、これとは、関係ないだろ。?俺とセレアは、友達なの。いや、本当に。」といった。

シュウヘイがそういうと、しずえは、「本当。?シュウちゃん。楽しそうにしてたけどな。あの時、本当。?本当なのね。まあ、頑張って。」と、言って、シュウヘイを茶化した。

しずえが、茶化すと、シュウヘイは「うるせえな。出てけ。この野郎。」と言っておここった。

シュウヘイが、怒ると、貫太郎が1階から2階に、向かって、一階の階段から、

「なんだよ。うるせえぞ。今、巨人が逆転したところなんだ。静かにしろ。」と、怒った。

その声は、すぐに、しずえと、シュウヘイの耳に届いた。

しずえは、それを聞きながら、シュウちゃん。面白い。頑張ってね、と思っているのだった。

シュウヘイは、俺、まだ、分らねえよ。そんな事、それに、セレアは、タニカワ先生が好きなんだ。聞いたわけじゃないけど、皆、噂してんだ。と思っていた。

貫太郎は、怒ると二人が静かになったので、よし。と思って、テレビの前に座った。

おキンばあちゃんは、明日、おことのの同好会があるので、ぐっすりと寝ていた。

里子は、おみよちゃんとお風呂に入って、ゆったりとしていた。

おみよちゃんは、奥さんと、お風呂に入っていると、母さんを思い出すなとしみじみとしていた。

シュウヘイは、しずえが、部屋からでていくと、小さな声で、「そんなんじゃないよな。俺ら。」と、つぶやいた。

そのつぶやきを部屋のポスターのポールと、タオナンが、笑うでもなく、笑うでもなく、聞いていた。

フールさん。セレアちゃんと、タニカワ先生をお借りしました。

 

 

 

 

貫太郎は面白いよ。^^


貫太郎父さんは、本当は、優しいんですね。
頑張れ、おみよちゃん。
シュウヘイも、頑張れーー。
しずえは、可愛い。

上条さんは、かっこいい。

おきんばあちゃんは、面白いです。^^

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僕も、お話を書きました。

綺麗な夜のおみよちゃん。学園パラレルファクター。

みよには、忘れられない思い出あった。

みよは、いつも、石屋で働いている。

みよの仕事は、多岐にわたる。いろんなことをしなければ、ならない。

みよの職場には、たくさんの職人さんがいる。職人さんと言うのは、石を削ったり、磨いたりして頑丈な、石材や、石造りの墓や、獅子や、ライオンを掘ったりする職人である。

石を一生懸命、つるつるにしたり、綺麗にするのも、彼らの仕事である。たくさん、職人さんがいるものだから、その家の人だけでは、お世話をするのは。大変である。で、ものであるから、みよは、この石材店で働いているのだ。

 

みよの仕事は、まず、朝ご飯を作る、みよの働く石材店を営む家族の朝ご飯や、職人さんは、朝早いので、時々、職人さんたちの分も作る。

 

という事は、朝、早く起きなければ、ならない。

みよは、最初の内は、朝、起きるのがつらかった。

しかし、だんだんと、慣れていった。

それに、朝、早く起きると、すがすがしい。朝の四時ごろや、五時半、六時半などの空は、夜がだんだんと、朝になろうと、空が、明るくなっていく。

みよは、それが好きだった。

それに、早く起きないと、石材店の主で、その石材店を営む、家族の長の貫太郎に、怒られる。

「おい。みよは、まだ寝てるのか。起きろ、朝だぞ。」と怒られるのだ。

 

この貫太郎、いや、石屋の旦那さん。親分さんは、とても、元気がいいというのか、何と言うのか、よく、かんしゃくを起こす。

特に、朝などは、家族の皆が、そろわないと、きまりが、悪いのだ。

で、あるものだから、みよは、朝の早くから、朝ご飯を作る。

貫太郎は、この時、もりもりご飯を食べる。だから、それも、しっかりと、作る。

おみよは、朝ご飯を作るのが好きだった。特に、里子母さんと、作るのが好きだった。

里子母さんというのは、貫太郎の妻で、しずえと、シュウヘイのお母さんである。

お母さんと言うと、みよちゃんには、お母さんがいない。おみよちゃんが、高校生の時、お母さんは、病気でなくなったのだ。

だから、みよにとって、里子母さんは、お母さんのようで、あった。みよは、時々、思う。

「母さんが、生きてたら、今、私は、母さんとも、朝ご飯を作ったり、したのだろうか。」と、思う。

そう思うと、なんだか、寂しい気持ちになるのだが、みよは、その気持ちに負けずに、

今日も、頑張るのだ。

 

そう、貫太郎も、みよにとって、お父さんのようであった。

貫太郎は、よく怒る。人をふっとばす。曲がったことが嫌いで、とても、頑固である。

おしゃべりが、少し苦手で、口より、手の方が早い時もある。

みよもよく、叱られる。怒られる。

その時、みよは、怖くて、頭が、真っ白になるときもある。

その時、貫太郎は、何やってんだ。と怒る。しかし、その時、貫太郎は、みよの事を罵ったり、おい。とか、お前。とは、言わない。ちゃんと、名前で、みよと呼ぶ。

 

みよは、この時、怖さの中にも、貫太郎なりの優しさがあるのかな。と思う。

 

親分さんは、怖い。だけど、ちゃんと、私の事を、みよと、呼んでくれる。

私も、皆の家族なのね。と思う。そう思うと、嬉しくて、いい気持ちになる。

この事を、お手伝い仲間の竹田さんに、はなすと、それは、親分さん。きっと、ミヨちゃんの事、家族だと思ってるんだよ。

僕なんか、間違えたり、ミスしたりすると、おい、竹田。だよ。親分さん、口下手だからさ。本当は、いいんだよ。みよちゃん、頑張ってね。って言いたいんだよ。

だけど、照れくさいっていうかさ、なんていうかさ、下手だから。伝えられないんだよ。きっとね。」と、笑った。

竹田さんは、貫太郎の店の事務方さんである。最近は、石屋さんといえど、事務作業が大変であるため、事務員をやとっているのだ。

竹田さんは、シュウヘイより、三つ年上だ。でも、ミスを時々、するので、貫太郎に叱られている。

竹田がそういうと、そうかしらと思って、みよは、嬉しくなった。

そして、竹田さんも愛されてますよと、竹田に言った。

 

愛されているというと、こんなことがあった。貫太郎がこの間、ふらっと、どこかに行って、この間のうさぽんまんと、同じ、うさぎちゃんの帽子を、竹田とみよ、それから、しずえ、シュウヘイに買って来たのだ。

女の子には、ピンク。男の子には、黒、ブラックを買ってきたのだ。

里子は、「あら、お父さん。どうなさったんですか。?こんなに、たくさん。」といって、笑った。

すると、貫太郎は、「いや、得意先の人から、貰ったんだ。うちの若い衆にって。」と、ボソっと、言った。

おきんばあちゃんは、それを聞いて、「おい。貫太郎や。あたしには、何にもないのかい。?あたしだって、若いよ。吉永小百合だよ。あたしゃ。」と、言った。

 

おきんばあちゃんが、そういうと、「貫太郎は、ばあちゃんにゃ、人形焼だ。これも、得意先の人が、ばあちゃんにって。」と、ボソッっと、言った。

 

その人形焼は、箱入りだった。一個や、二個ではなかった。

箱には、ドレスタニア名物「人形焼。」と、書いてあった。

 

それを貰うと、おきんばあちゃんは、「これ、いいのかい。こりゃ、全部、あたしのだからね。貫太郎、あんたは、大した男だよ。」といった。

 

おきんばあちゃんがそういうと、シュウヘイは、黒うさぽんの帽子を被りながら、

「お父さん。これ、いいよ。いい帽子だよ。でもさ、これ、誰がくれたの。?得意先って、誰。」と、言った。

 

シュウヘイがそういうと、貫太郎は、「子どもにゃ、関係ないことだ。得意先ってのは、得意先だ。」と、言った。

 

貫太郎がそういいうと、しずえは、不思議そうに「でも、そんな得意先、あったかしら。でも、帽子や人形焼まで、私たちにくれるなんて、素敵な人だわ。パパ、ありがとう。」といった。

その顔は、とても、かわいらしかった。

 

貫太郎は、その顔を見て、癒された。けれど、しずえのそんな顔を見てると、今の自分が、悪人になったような気になった。

 

しずえがそういうと、竹田が、「親分さん。本当に、得意先ですか。僕は、知らないですよ。」と、いって、笑った。

 

竹田がそういうと、貫太郎は、「竹田。」と、どなった。

 

その声は、とても、大きな声だった。

竹田は。その声に、少し、びっくりして、「親分さん。ごめんなさい。」と、謝った。

 

竹田が謝ると、「だれでも、いいじゃないか。粋なお方がいたんだよ。粋なお方がね。

まあ、少し早めのクリスマスの祝いってことで、いいんじゃないのかね。年寄り孝行な、方だよ。そのお方はね。」と、言って、笑った。

 

その時、みよは、おかしかった。さっき、自分の事を吉永小百合だ。といった人が、今度は、自分の事を年寄りだといったのだ。

本当は、笑いたかったが、みよは、我慢した。

みよが、我慢していると、おきんばあちゃんは、いつもの調子で、「何、笑ってんだよ。おう、おう、おう、おう。だまってみてりゃあよう。」と、怒った。

 

しかし、おばあちゃんがおこると、里子母さんが「いいじゃないですか。笑うって、事は、いいことですよ。笑いは、いいものですよ。ねっ。みよちゃん。」と、いって、笑った。

 

みよは、その時、嬉しかった。嬉しくなると、お母さん。と思って、心の中が温かくなった。

 

里子がそういうと、おきんばあちゃんは、「そうかい。?まあ、里子さんがそういうなら、許してあげるかね。まあ、今日は、人形焼に免じて、許してやるよ。みよ。」と、

言って、笑った。

 

この時、みよは、また、嬉しくなった。

嬉しくなるとおきんさん。と思った。

そう思うと、涙が出そうになった。

みよは、それも、堪えた。しかし、こらえきれなかった。

 

涙は、悲しい時にもでるが、嬉しい時にもでるのだ。涙と、不思議なものだ。

とても、とても、不思議なものだ。

みよが泣くと、おきんばあちゃんは、それを見て、「何。泣いてんだよ。最近のお手伝いさんてのは、人前で、ピーピーなくのかい。あー。いやだ。いやだ。世もすえだね。こりゃ。」

と、言って、笑った。

 

みよは、この時、嬉しくなった。少し、悪口みたいだったが、今日のおきんばあちゃんの、悪口は、一味違っていた。

 

おみよは、そんなおきんばあちゃんの話を聞きながら、とても、小さな声で、

「おばあちゃん。」と、言った。

 

おみよがそういうと、しずえが、杖を突きながらこっちにやってきて、

「ねえ、みよちゃん。どうしてないてるの。」と笑った。

 

しずえがそういうと、シュウヘイは「そりゃ、姉ちゃん、おみよちゃんは、感激したんだよ。プレゼント。もらえてさ。ほんとに、いい人だよな。お得意さん。感謝しようぜ。おみよちゃん。」と、みよにいった。

 

みよは、そのシュウヘイの話を泣きながら、「ハイ。ハイ。」と、いって、聞いていた。

 

シュウヘイがそういうと、しずえは、「そう。シュウちゃん。お仕事を頑張ってれば、いい事って、あるものね。パパ、お仕事頑張ってね。」といって、笑った。

 

貫太郎は、そんなしずえの笑顔を見て、凄く自分が悪人になったような気になっていた。

 

この日、外の夜空は、とても、綺麗な星空であった。

その中で、お月様が、貫太郎のように、まるまると、太ったお月様が、美しく輝いていた。

 

 

 

貫太郎父さんの頼れる息子。学園パラレルファクター

今日、この日、シュウヘイは、パラレルファクター学園、中等部に、入学した。

最初は、生徒たちは、皆、硬い表情をしていたが、だんだんと、皆、仲良くなっていった。

貫太郎の息子、シュウヘイも、その一人である。

最初は、他の生徒と、仲良くなれるか、心配していたが、今では、みんなと、よく話している。中でも、シュウヘイは、セレアちゃんという、女の子と仲が良くなった。

これは、以外である。セレアちゃんというのは、中等部の生徒の中でも、かわいい方の女の子で、皆から、かわいい、かわいいと、言われている。

そんな、セレアちゃんと、シュウヘイが、なぜ、仲良くなれたのか。それは、貫太郎の血が、そうされたのかもしれない。

貫太郎は、時々、他の職人たちを連れ、お酒を飲みに行く。お酒の席には、女の人がよくいる。職人たちは、皆、鼻の下を伸ばしているのだが、貫太郎は、黙々と、お酒を飲んでいる。しかも、酒の席で、酔っていても、石の話やら、仕事の話やらを始めると、途端に酔いが覚める。酔いが覚めた貫太郎は、えんえんと、石の話をする。職人たちは、皆、また、貫太郎親分さんの石の話が始まったよ。と、あきれる。

酔いも、覚めちまうという。それだけ、貫太郎は、石が好きなのだ。であるから、酒の席で、女の人と話しても、本人は、ケロッとして、お酒を飲んでいる。

女性のあられもない姿を見て、本当は、緊張しているかもしれない。だけれども、石の話をすると、勘太郎は、正気に戻る。それに、貫太郎は、女の人がいる店に行っても、里子一筋である。貫太郎は、里子が好きなのだ。

であるものだから、そんな血が、シュウヘイにも、流れていたのだろう。だから、シュウヘイは、女の子と、話しても、緊張しないのだ。

シュウヘイも、本当は、緊張しているかもしれない。しかし、彼も、また、とっておきの話があるのだ。

貫太郎の場合は、石。シュウヘイの場合は、音楽、特に、ロックやフォーク、ビートルズの話などである。女の子に、そんな話をしても、「私、わからない。」とか、「知らないわ。」と、言われるかもしれないが、セレアちゃんも、また、音楽、特に、フォークや、ロックが好きであった。特に、カサキヤマさんという、歌手がお気に入りなのだとか。こうなったら、「おい、寺内。もう、ひと押しだ。頑張れ、もしかしたら、何か、いいことがあるかもしれないぞ。」と、いうことになるかもしれない。

けれども、そんなことは、ない。あるかもしれないが、今は、まだないのだ。なぜなら、これも、貫太郎の血が災いしているのだ。貫太郎は、石の話をすると、はーい。親分さん。私と、一緒に、遊びましょう。とか、あら、おタバコどうなさるの?ということになっても、おかまいなしで、

えんえんと、石の話をする。これには、さっき、呆れた職人たちも、あきれるほどである。

海を越えて、インド人も、あきれるかもしれない。

と、まあ、貫太郎が、こんな調子であるものだから、シュウヘイも、音楽の話を、セレアちゃんと、話しているときは、男だろうが、女だろうが、インドだろうが、御構い無しで、えんえんと二人して、話すのだ。

それに、シュウヘイは、家で、よく、おきんばあちゃんと、話しているので、のじゃ、のじゃ。いう、セレアちゃんとは、不思議と、ウマが合ったのかもしれない。

おきんばあちゃんが、この場にいたとしたら、小指立てて、

「おや、シュウヘイ。オンナかい?こりゃ、縁起がいい事で、これで、この石屋も、安泰だね。」と、笑うかもしれない、

しかし、ばあちゃんは、今、この場にはいない。だから、茶化されることも、はやされることもなく、二人は、カサキヤマだの。フォークだの、ロックだの。の話をすることができる。

今では、仲良くなりすぎて、お互いのかていのこと、特に、シュウヘイが、貫太郎の癇癪のことをセレアちゃんに、相談するほどである。

セレアちゃんは、そのとき、父親の話を、興味深く、聴いている。「お父さんというのは、怖いものじゃな。」とか、「それは、シュウヘイが、だらしないからじゃ。」と、思って、聴いている。

このセレアちゃん、実は、とても、奇妙な、運命の元に生まれた。女の子で、その奇妙さたるや、この国だけではなく、海を越えて、インド人も、びっくりするほどである。

しかし、人が、いや、この世に生まれ落ちたモノが、何かのために、汗をかくのは、エドの昔からの、決まり事である。セレアちゃんは、めげないのである。自分の運命に立ち向かい。石を磨き開けるように、自分を、一生懸命、みがいたのである。

で、あるものだから、セレアちゃんは、石屋の息子と、気があったのかもしれない。

長々と、書いているうちに、二人は、一緒に、学校から、帰って行った。

シュウヘイは、「女の子と、一緒に帰るなんて、父さんが、もし、見たら、大目玉だぞ。」と思って、一緒に帰るのは、嫌がったのだが、

セレアちゃんが、どうしてもと、いうので、シュウヘイの家の近くまで、貫太郎の店の近くまで、一緒に帰る事になった。

帰り道でも、二人は、好きな音楽の話をしている。とても、楽しそうである。

シュウヘイの目も、セレアちゃんの目も、キラキラしている。若い二人とは、いつも、そうなのである。貫太郎も、実は、シュウヘイぐらいの頃は、とても、目をキラキラさせていた。

貫太郎は、来る日も、来る日も、父の仕事、先代の仕事を見て、勉強をしていたのだ。

シュウヘイぐらいの頃は、と、書いたが、今も、目をキラキラさせているかも、しれない。

そう、シュウヘイぐらいの頃というと、その頃の貫太郎は、今より、随分と、痩せていた。

顔も、ハンサムで、ハンサムボーイと、噂になっていたのである。

それは、今の貫太郎には、残念ながら、なくなってしまった。しかし、それは、実は、シュウヘイに、そっくり、そのまま、コピーじゃないかと、思うくらい。伝わっているのだが、シュウヘイは、残念ながら、気がつかない。

つまり、シュウヘイは、カッコいいのに、もったいないと、いうことである、

しかし、彼は、石屋の息子である。その気は、なくとも、シュウヘイには、貫太郎の血が、石屋の血が、流れているのだ。きっと、シュウヘイも、自分を磨き上げて、立派になってくれるだろう。

セレアちゃんも、同じである。セレアちゃんにも、鋼の血が、流れている。壊れても、壊れても、自分の形を覚えている。鋼の血が流れているのだ。

で、あるものだから、セレアちゃんも、自分を磨き上げて、くれるだろう。

長々と、書いているうちに、もう、貫太郎の店の近くまで、来てしまった。

シュウヘイは、家の近くまで来ると、ながら、押しそうに、セレアちゃんに、「またな。セレアちゃん。また、学校で。」と、いった。

シュウヘイが、そういうと、セレアちゃんは、

シュウヘイに、「また、明日なのじゃ。シュウヘイ。お父さんに、叱られぬようにの。」と、可愛らしく、笑った。

その笑顔は、とっても、可愛らしかった、

セレアちゃんが、そういうと、シュウヘイは、

「当たり前だろ。気をつけるよ。でも、俺は、男だから。大丈夫だよ。」と、笑った。

その笑顔は、とっても、頼もしかった。

その笑顔は、どこか、貫太郎の笑顔に似ていた。貫太郎は、滅多に、笑わない。でも、とても、よく似ていた。

それを見ている人が、いた。

しずえである。しずえは、遠くから、二人に気づかれないように、優しく、見ていた。

しずえは、そんな二人を見て、微笑ましく思いながら、「あらあら、シュウちゃん。シュウちゃんも、男のコなのね。」と、思っているのだった。

そんな、しずえの杖を、夕日は、優しく照らしていた。 

しずえの杖は、夕日に照らされて、銀色から、少し、オレンジがかった色に変わっていた。

 

フールさん、セレアさんをお借りしました。