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父さん、夏の夜長。

父さん、夏の夜長。

僕が人生で大切にしていることは人生には物語があるという事です。

私は、向田邦子先生が好きなのですが向田先生の話しには超人が出てきません。寺内貫太郎一家の貫太郎のお父さんは喧嘩が強いですが空を飛ぶことも魔法を使うこともできません。けれど家族のため、母親のおきんばあちゃんのため、自分の子供のしずえとしゅうちゃんのため、妻の里子母さんのために石造りの仕事や石を削る仕事をしています。新潟からご奉公、社会勉強のために新潟からやってきた美代ちゃんのために美代の父としても頑張っています。寺内石材店で頑張る石職人の梅さん、岩さん。タメさんにとって、父さんは、会社の社長さん。お店の店長さんでもあります。

父さんもいろいろ迷うでしょう。しかし父さんは、自分の迷いを口で言いません。口で言うより手の方が早いのです。しかし、行動で迷いに戦いを挑みます。毎日、石と向き合って自分と向き合っているのです。私は父さんの背中に迷いに勝つ方法を見ました。

迷いというのは怖いです。考えすぎてしまうこともあります。しかし、父さんを見ていると僕もまけないぞ。と思います。その先に決断が待っています。父さんたちの時代の人は腹を決める。腹をくくるといったそうです。父さんも、本当は怖いでしょう。しかし、父さんは、しゅうちゃんの親父でしずえのパパで、里子かあさんの大事なお父さんで、おきんばあちゃんの大事な貫太郎で、お店で働く石職人の岩さん、梅さん。タメさんからすると大事な親分で、社長さんです。美代ちゃんから見れば心のお父さんかもしれません。だからどんなに迷っても父さんは逃げません。静かに厳かに仕事と向き合って、怒りも悲しみもその仕事、石削り、石造りに込めます。

仕事と向き合う事は孤独でしょう。しかし、仕事が終われば父さんは母屋へ帰ります。

母屋に帰れば父さん、おかえり。パパおかえりと、子供たちが迎えてくれ、たとえそうでなくとも、里子母さんが作ってくれた美味しい料理、お食事が待っています。

ゆげがもくもくと優しくふわりと出して待っています。

だから、父さんは怖くないのです。迷っても、腐ってもここに帰ってこられるから。

家族がそこに居れば、いつだって力が出る。家族じゃなくても、チームメイトの仲間や恋人、お友だちなどそこに思う人がいれば力が出ます。

僕は貫太郎父さんから迷ったら、行動でしめせ。行動でしめせばたとえうまく気持ちが伝わらなくても、何か伝わるものがつたえられるものがあるのだ。という事を学びました。

迷いと決断は怖いものです。だけれども応援してくれる人。支えてくれる人。自分が愛されていると思えればきっと決断できる。

貫太郎父さんのようになるのは難しいかもしれない。けれど、学ぶことはできる。

これも、また一つの決断である。と僕は思います。