ブログもの真似主 nezuzyouziのブログ

ブログものまね主 ねずじょうじです。よろしくお願いします

カワイイ響き。 政治家稼業 パラレルファクター。

 

カワイイ響き。^^ 政治家稼業 パラレルファクター。

ガクエン・ドラゴン

今から、2年前、春風 幸雄は、ワコク国際学園の1年生になる前、ワコクかぶら岡中学にいた。かぶら岡中は、学力も、まあまあな公立校で、幸雄は、科学が好きであった。

幸雄の、姉の竜子は、顔に似合わず、カメリア語が好きで、中学生のころから、カメリア語を習っていた。ワコクも、今は、国際化の時代で、グローバル化の波からは、逃れられない。竜子は、外国人を怖がる人が多い中で、カメリア語を身に着けて、異文化を吸収することが大事だと考えた。竜子にとって、カメリア語は、明日への翼だったのだ。

 だから、高校では、カメリア語の勉強に力を入れているインターナショナルコースに進んだ。といっても、当時は、まだ人間の方が多く、カメリア人学生も少なかった。

 

ちょっと、期待外れだったと、思ったが、竜子は、この学科のクラスの雰囲気が好きだった。カメリア人のエミリーとはすぐに仲良くなった。竜子は、持ち前の明るさと、カメリア語で、エミリーと仲良くなっていった。体育の時間などは、多人種の生徒たちとも、バスケットボールなどをして、親睦を深めた。竜子は、バスケットボールが得意で、身体能力も、プロ並みだった。しかし、竜子は、プロになるつもりはなかった。

 

のびのびと、明るく元気に学校に通うのが、楽しくて、嬉しくて、仕方がなかった。

 けれど、ある日、国風教育コースの薬師寺くんに、殴られた。イテキコースめ。と、ののしられた。けれど、竜子は、気にしなかった。痛いのには、なれているし、喧嘩も好きな方だったからだ。このころ。ワコク、とくに奏山では、グローバル化に伴う不良の増加というのが、問題になっていた。バイクや、自転車を乗り回したり、夜、歌のCDを聞いて、騒いだり。そんな生徒が、国風教育コースには、あふれていた。

 

彼らも、外国人が怖かったり、自分を大きく、見せていたり、理由は、いろいろだ。なんで、人は、小さなことで悩むのか。けれど、悩んでいるときは、それが世界のすべてのように感じてしまう。なぜだろう。桃園ユメカは、そう思っていた。いつも、かっこよく、凛としているつもりなのに、声がいつまでたっても、マンガみたいなカワイイコエだった。

ユメカはそれがいやだった。家に帰れば、勉強。勉強であった。

 

けれど、国風コースにいる間は、みんな自由人ばかりなので、楽しかった。

女子生徒も、多く、みんなで、アイドルの新曲の事や、芸能人の事をカワイイコエで話した。ファンレターも、多く。自分の居場所は、ココダァ。^^と、思っていた。

 

 けれど、気にくわないことがあった。インターナショナルコースの竜子だ。

外国人あいても、物おじしない。カメリア語で話す。今でも忘れない。カメリア人と、話している。小学生のころに見た。あの光景。怖かった。小野道で、決戦があって、自分も戦いたかった。でも、女だから、子供だから、戦えなかった。女だかラ、っテ、コドモだからって、ナンナンダヨ。^^」と、思った。お兄ちゃんも、お父さんも、皆たたかった。

でも、自分は、奏山のおじさんの家に引き取られた。

ユメカは、ナンデ。と思って、生きてきた。

この何十年と。だから、竜子を見ていると、嫌な気持ちで、いっぱいだった。

仲良くしやがって。コノヤロー。^^と、思っていた。

 

 だから、外国人に嫌がらせをしてやれと、思って。いたずらも、たくさんした。

 エミリーは、泣いた。嫌がらせをされたのだ。

エミリーの涙を見ていると、竜子は、許せないと思った。こんなことする輩が、許せなかった。人は、なぜ、こんなことを思うのだろう。人は、涙に弱いのか。竜子は思った。

そう思った竜子は、夕方に、嫌がらせをされるというエミリーと、一緒に帰った。その時、気分を盛り上げるために、目の周りだけが、黒く隠れるマスクをした。自分が好きな漫画のヒーローをまねたつもりだったが、同もかっこよくない。鏡に映るその姿は、なんだか、たぬきのようだった。と、思った。が、幸雄だけは、カッコいい。ダーク・ペンギンみたい。と、喜んだ。

竜子は、ダーク・ペンギンが好きだった。自分の信じた道をしっかりと進む、彼が好きだった。子供のころは、特撮ヒーローなのに、ダー様と、結婚する。と、親に言っていたものだった。

だから、幸雄にそういわれた時。竜子は嬉しかった。

そう思うと、力がわいた。そして、「ヨシッ。」と、思った。

夕方の街、人々は、家に帰ろうと、家路を急いでいた。

エミリーは、最初。本当にそれで、いくの。アンタ。と、笑ったが。なんかあった時、ばれたら、いけないだろ?」と、笑った。

エミリーは、フフッと、笑って、「まあいいけど。」と笑った。

竜子は、笑顔は、カメリア人も、ワコク人も違いはないのね。と思った。

そう思うと、国風コースや、一部の大人たちが、怖い。許さない。と、言っているのは、もったいないと思った。

そう思っていると、ピンク色の、可愛い死神の格好をした人が、イテキと、仲よくしてんじゃねえよ。」と、襲いかかってきた。

それを見たとき、竜子は、やめなよと思って、腕を止めた。

その死神マスクは「もう。邪魔すんなよぅ。」と、怒った。

 

そして、アンタだね。と、思った。竜子は、可愛い死神と戦った。

コノヤロー。^^女には、手加減だろうが。と、いって泣いた。可愛い死神は、そういって、逃げて行った。その逃げていく、死神に、私の名前は、ガクエン・ドラゴン。アンタが、だれかしらないけど、この子は、このドラゴンが守る。この学園には、アタシがいるのよ。と、かっこよく言った。

エミリーは、何それ。竜子、可愛い。と、ケタケタ笑った。

竜子は、笑うなよ。結構、気に入っているのだからな。コレと、怒った。

竜子が怒ると、エミリーは、まあいいけどさ。今日、アリガト。と、笑った。

竜子は、嬉しかった。今日から、卒業の日まで、ガクエンを守っていこうと思った。

 次の日、ユメカは、たんこぶを作っていた。

そして、イターイ。^^と、カワイク泣いていた。

 

ガクエン・ドラゴン。^^許さないのだから。^^と、心に誓った。

ユメカと、竜子は、三年間。国風コースの雄、インターナショナルコースの雄として、戦った。本名ではなく、ブラック・キュートと、ガクエン・ドラゴンとして、なぜ、若いときは、小さなことで、あらそってしまうのだろう。小さなことが気になってしまうのだろう。なぜ、悩むのだろう。心をいろいろ動かして、頑張っていくのが、生きる事なのだろうか?最初は、いがみ合っていた。ブラック・カワイイと、ガクエン・ドラゴンも、日を追うごとに仲良くなっていく。100%では、ないが人柄が分かっていく。

一つの物語の形なら、二人は、友達になりました。で、ハッピーエンドかもしれないが、後、一歩の、ところで、終わってしまうこともある。

そして、奇妙な二人の関係は、弟の幸雄の時代。二年後、いや、三年後に、続いていくわけだが。それは、別の話である。

 

桜咲く春。二人が、しのぎを削った学び舎に、幸雄が、通うことになった。

幸雄の志望コースは、航行航空研究コース。この学科は、今、まだまだまだ、夢物語だが、空飛ぶ船の研究をするコースである。

幸雄は、うれしかった。嬉しくて、ヨッシャー。いくぜ。ガクエンと、喜んだ。

 せんろは、今日、ガクエン・ファイターシリーズを見ていた。

ガクエン・ファイターシリーズが終わると、せんろは、リノちゃんになって、椅子に座って、オレンジジュースを飲んでいた。そして、小さな声で、いつもとは違った、子ども風、アニメの女の子風の声ではあるが、どこか大人っぽく、「あーあ。あの子。元気かナ。^^でも、会いたくはないカナ。^^」と、言った。

事実は、小説より、奇なり。という、彼女と、リノちゃんには、関係があるのだろうか。

この時のリノの声は、可愛かった。しかし、カワイイ響きの中にも、何とも言えない哀愁を帯びていた。

ソファーは、その顔をじっと、見た。そして、リノ。思い出の深いものなんですね。と、思った。

テレビのスタッフロールに、桃園ユメカ役の名前が出た。しかし、その流れは、思いのほか、早く、とられることはできなかった。

それは、はかない流れ星のようだった。

リノと、たくましい背中。政治家稼業 パラレルファクター。

 リノと、たくましい背中 政治家稼業 パラレルファクター。

のぞみは、せんろがいないとき、事務所の掃除をしていた。

せんろの仕事部屋には、世界地図が飾ってあった。

のぞみは、こうしてみると、ワコクも、小さいのね。と思った。

 

せんろ議員は、この世界地図を、大切にしている。世界の中のワコク。ワコクの中の世界を意識して、行動したい。ワコクの素晴らしさ。

もとい、奏山の自然。海の素晴らしさ。

それを知らせたいと、思っていた。のぞみさんは、その話をするせんろの顔が好きだった。世界や、ワコクの経済の話をするとき、せんろは、リノにはならない。紅茶の香りを立てて入れ。今日は、バラの紅茶です。」のぞみさん。あなたも、どうですか?と、笑った。

クッキーも食べていた。その姿は、とても様になっていて、さながら、美青年といったところだった。クッキーに、ジャムが入っている。赤いイチゴジャムだ。バラのいい香りがのぞみさんの鼻を刺激した。そして、「どこまで話しましたっけ?清水さん?」と、言って笑った。そして、あー。そうそうと、言って、紫色の髪の黒いドレスを着たパペットに左手を入れた。

のぞみさんは、テツローさんの時間は、ここまでなのね。今日は。と、残念がったが、今日は少し、様子が違った。

せんろが、パペットに左手を通すと、パペットは、「のぞみさん。私は、ソファーです。せんろ先生の支持者です。私は。と、紫色の髪を日の光にかがやかせながら、言った。その声は、リノと、テツローさんの中間ぐらいの声で、少し、冷たい印象を与えた。けれど、秘書としては、幼すぎず、冷たすぎずといったちょうどいい印象を与えた。のぞみさんは、この子が、秘書仲間、同僚だったら、よかったのに。と、思った。可愛い後輩。そんな印象だった。のぞみさんは、不思議に思った。せんろさんの物まねにしては、やけに役柄が、大人っぽい。と思った。

 

せんろが、子どもっぽい。大人らしくないと言っているわけではない。のぞみさんは、思った。せんろと長くいるので、これは、少し、違うと思った。

 

のぞみさんが、そう思っていると、せんろは、ソファーさん。世界には、たくさんの国がありますね。と、笑った。ソファーちゃんは、落ち着いた口調で、「ハイ。先生。ワコクでは、人間が大多数を占めますが、他国では、事情は違うようです。」と、冷静に冷たく言った。のぞみさんは、他国の事情は、あまり明るくなかった。行っても、カメリアばかりだから。他国の事情に詳しいソファーちゃんは、凄い。勉強をしているんだ。と思った。

しかし、よく考えたら、元は、せんろさんだ。それにしては、明るすぎるような気がした。

 

せんろ議員が、グローバリストで、他国の事情に明るいのは知っていた。けれど、ところどころ、せんろの演技とは、違うというかちょっと、違うところがあった。

せんろ議員も、相手をしているが、「そうなんですか。?」と、本当に驚いているような気がしていた。それも、物まねなのか。どうなのかは、本人にしか、分からないが。のぞみさんには、いつもと、違った少しのずれを感じていた。そして、ソファーちゃんは、のぞみさんに「イチゴジャムクッキー。一つ。アナタもどうですか。?」と、言った。

のぞみさんは、ソファーちゃんがこちらを見たので、ちょっと怖いと思った。なぜなら、ソファーのパペットの体が、あまりにも、自然に動いたからだ。

 

のぞみさんは、えっ。と驚いた。けれど、せんろが、その時、ニタニタと、していたので、のぞみさんは、コラ。またいたずらして。議員。しっかり。と思った。

 

のぞみさんがそう思っていると、せんろは、リノになっていた。そして、ニコッと、笑って、清水さん。ごめんなさい。^^デモネ。^^そのお菓子ネェ。^^とっても、オイシイヨ。^^食べてミテ^^ハム。^^ハムって。^^」と、笑った。^^

 

のぞみさんは、その時、時計を見た。今日も、三時間ね。と思った。

その時、少し、のぞみさんは、少し、寂しくなった。もっと、せんろさんの外国の話を聞きたかった。さっきまでのせんろは、かっこよく、バラの紅茶を飲んでいて、グレーのスーツが、良く似合っていた。それなのに、気が付くとリノちゃんになっていた。

リノちゃんは、バラのコウチャー^^と、喜んで、ソファーちゃんと、美味しいね。クッキー。ジャム入りダモンネェ。^^ネェー。おいしいよネェ。^^」と、笑った。

 

ソファーちゃんは、「そうですか。リノ。おいしいですか?」と、笑った。そして、先生にお礼をいわねば、なりませんね。」と、冷たく言った。リノは、うーん。^^そだねー。^^」と、ケタケタ。^^と、喜んだ。

 

のぞみさんは、その間。少し、寂しくなって。邪魔しないで。と、思ってしまった。

のぞみさんは、最近、せんろが仕事終わりにすぐに風に乗って消えてしまうので、寂しく思ってしまうのだ。車に乗るその瞬間まで、せんろだったのに、次の瞬間には、リノになっている。パペットでも、遊び始める。もう、私は、分かっている。せんろ議員がどんな人かも、リノや、ソファーが、せんろの一部であることも。まぁ、理解している。

けれど、経済や流通の事を、ブラックスーツを着て、話す彼。他党との会議で、ワコク中央新幹線プロジェクトについて、他党議員に、もまれながら、紅鷹党の守屋くんとも、しのぎを削って、頑張っている彼の事を思うと、もうちょっと、私の所にいてくれませんか。と思う。そう思うと、もっと、言いたくなったが。せんろ議員がどんな人か分かるから、言わなかった。

その間、リノは、世界地図ダー。^^リノが、初めて、カッタの。^^テツローに、プレゼントしたんダヨネ。^^これー。^^」と、笑っていた。ソファーちゃんは、知りませんでした。先生がリノからのプレゼントをもらっていたなんて。」と、冷たく言った。

その時、ソファーちゃんは、リノに、気づかれないように、首をのぞみさんの方へ向けた。ソファーちゃんは、物思いにふけるのぞみさんを見て、「リノ。今日は、ここまでにしましょう。」と、言った。リノは「エェー。^^なんでェ。^^」と、びっくりしていた。ソファーちゃんは、「リノ。今日は、先客がいるようです。譲ることも覚えましょう。」と、冷たく言った。そして、リノに「家で、たっぷりと、遊びましょう。リノ。先生と私。そして、リノ。三人で。」と、冷たく諭すように言った。

ソファーが、そういうと、「ふーん。^^本当?^^」と、言った。そして、「ああ、でも、イイヨ。^^リノ。^^懐かしいノ。^^ミレタから^^」と、パペットを外して、世界地図をじっと見て、風の中に入っていった。パペットを外すとき、じゃあ。^^マタネ。^^ソファーちゃん。後で、待ってるネ。^^」と、言っていた。リノは風を感じながらどこかへ戻っていった。リノの肌に、心地の良い風が当たった。

 

風が終わると、せんろがグレーのカメリア製のスーツを着て、世界地図の前に立っていた。

のぞみさんは、その背中を見た。その背中は、逞しく、広かった。

のぞみさんは、時間を確認した。そして、「今度は、何時間かしら。?」と、思った。

そう思っている間、せんろは、じっと、世界地図を見ていた。その地図が、世界の広さを物語っていた。

 

永遠にひとつ。政治家稼業 パラレルファクター。

 永遠にひとつ。政治家稼業 パラレルファクター。

 

 私は、今でも、覚えている。あのおもちゃの事を。

 先生に、出会う前、リノに会う前、私は、どこぞの国のおもちゃ工場で、作られた。だから、この紫色の髪も、この可愛い目も、すましたお姉さん風の口元も、すべて、作られたもの。私のであって、私のものじゃないもの。私は、船に乗って、このワコクに来た。他県、小野道もそうだし、あと、どこか。トラックに乗って、こっちへ来たわ。

 

 私は、女の子向けのおもちゃだったけど、同じトラックで、フォゼくんという特撮ヒーローのおもちゃと会ったわ。とても、カッコいい人で、「俺は、ガクエン・ソルジャー・フォゼ。ヨロシク。と、朝の番組、そのまんまで、答えた。彼は、おれは、この世界のヒト、全員と、友達になる。と言っていた。

俺は、うそは、つかねえ。と、笑った。仮面だか、ヘルメットなのか知らないけど、その目は、キラキラした緑色のいい目だった。

 

 お前の夢は。と、聞かれて、私は、戸惑った。私は、おもちゃよ。そう思っていた。私たちが目標をもってどうするの。?と思ったが、フォゼくんは、「ん。ねえのかよ。なんかあんだろ。?お高く止まってんな。」って、と、笑った。

まだ、高校1年生くらいで、声変わりも、したばかり、だから、少し、声がかすれていた。そんなフォゼ君を見て、私は、高校生ね。と思った。高校なんて、おもちゃだから、行ったことないけど、高校って、なんだか、懐かしい響きね。そう思った。

そう思った私は、「夢や、目標があるって、素敵ですね。」と、フォゼ君にいった。そういうと、フォゼ君は「夢や、目標がねーやつなんて。いねーよ。皆、何かしら、あるもんだ。夢やキボーな。」と、笑った。フォゼ君は、そういって、私の紫色の髪をなでた。ような気がした。フォゼ君の手は、ごつごつしていて、プラっぽくて、安っぽい手だったけど、とっても、温かい手だった。私は、フォゼ君の手に妙な温かさを感じた。

 

私は、気持ちがいいなあと思って、そうね。と、お姉さん風の冷たい口調でいった。

そういうと、私は、私の夢は、「今のフォゼ君みたいに温かい言葉を掛けられるいいおもちゃになること。それじゃ、だめかしら。」と、言った。

すると、フォゼ君は、「夢、あったじゃねえか。?お前。名前は。」と、言った。

私は、反応に困った。だから、「パープル。」とだけ言った。

 

すると、フォゼ君は、またな。パー子。いいお客さんにかってもらえよ。俺も、絶対、テレビの俺より、売れてやるよ。だって、おれは、このガクエンの生徒、みんなと、友達になる男だ。そんで、そんで、姉ちゃんも、越えて。俺は、サイキョー。サイツヨの戦士になって、やるんだ。と、テレビの決め台詞も含めていった。

 

フォゼ君には、ドラゴン・リューコという、お姉さんヒーローがいるらしかった。

それは、前番組のヒロインで、前番組は、お姉さんが、卒業したところで、終わったようだった。

私には、関係ない事だったけど、フォゼ君は、お姉さんの事を、自慢げに話した。

そして、パー子もよう。女なら、姉ちゃんみたいになれよな。俺、思うんだ。女は、可愛く厳しくって、よくわかんねえけどな。と笑った。

フォゼ君とは、それっきり、同じお店にいることは、分ってるけど、私は、女の子向けコーナーで、フォゼ君は、男の子向けコーナー。おねえさんのおもちゃも、たぶんそっち。彼が売れたのか。または、うれのこったかは、分らない。けれど、私には、関係ない。

だって、私は、おもちゃだから。

今日は、フォゼ君役の、俳優の福田リュウセイさんが、選挙のキャンペーンで、先生の事務所にいらっしゃった。

私は、窓辺に、たって、福田さんの顔をみていた。

福田さんは、とっても、カッコよくて、スーツが良く似っていた。けれど、ガクエンソルジャーの頃より、おじさんになっているようだった。

フォゼ君のおもちゃの箱に書いてあったから、いまでも、覚えてる。

だけど、福田さんは、私の事なんて、知らないだろうな。だって、わたしは、おもちゃだもの。そう思った。

そうおもうと、あの時のフォゼ君を思い出した。楽しそうに、嬉しそうにしてたな。そう思っていると、せんろ議員と、福田さんがなにやら、ガクエンファイターシリーズの話しで、盛り上がっている。せんろ議員は、「ガクエンドラゴンは、スケバンで、ファイターは、番長よね。イメージだと。」と、勢い余って、おかまチャン風、リノ側へよっている。何とかよらないように、リノが「ダメダヨー。^^」と、心のスイッチのレバーをテツローさんの方へ、戻そうとしている。

そういうと、福田さんは「そうですね。姐さんは、凄かった。あの作品で、僕は、鍛えられました。」と、笑った。

その時、福田さんは、笑った。

 

その時の福田さんの笑顔は、あのときのフォゼ君に似ていた。

 

その時、私は、話したい。私よ。フォゼくんと、思った。

だけど、左手はない。私の体には、今日は、なんにも、入っていない。

フォゼ君は、その間も、ニコニコと笑っていた。

フォゼ君に会いたい。話したい。そう思った。

リノは、「ん。^^どした^^?」と、私の方を見ていた。

その笑顔が、誰にも見えない、笑顔が愛しかった。

 

 

 

 

 

夜霧よ。今夜も、ありがとう。政治家稼業。パラレルファクター。

夜霧よ。今夜も、ありがとう。政治家稼業。

 

 リノは、ニコニコしていた明日は、エイプリルフールの日だからだ。

昨日の夜の高級マンションでの定例のカゾク会議で、リノは、「一日、リノの日を、テイアン^^します。」と、言った。せんろは、いいですね。と、笑った。お弁当を作りますよ。三人で、のぞみさんも、誘って、行きましょう。」と、笑った。

ソファーは、いいんですか。と、せんろの左手で、大人っぽい声で、大人風に、くるくると、動いている。そして、せんろに、先生。いいんですか。私は、パペットです。飲食はできません。と、言った。リノに声が似ていたが、どこか冷たくて、大人っぽいそんな声だった。

せんろは、「いいですよ。その点は、考えてあります。」と、笑った。

 

お人形の私にここまでしてくれるなんて、珍しいと思った。幼稚園くらいの子なら、分らないでもないが、齢31歳にもなろう男が、そこまでするとは、と思った。それにその点で、すませてしまう。ビジョンも何も、ないんじゃないかと、思ってしまう。けれど、ソファーは、せんろの笑顔に不思議な温かさを感じた。

 

 あの雨の日。小さい子が、買ってー。と、泣いていた。私をほしいほしいと、泣いていた。私は、どうすることも、出来なかった。本当は、その子の所に落ちていけばよかった。けれど、私は、パペット、ただの布の塊、それにおもちゃ、遊んでくれる人が居なければ、ただの何か。私は、記憶にないけど、どこぞの国で、作られたアニメ風パペット。だから、落ちていかなかった。

その子のお母さんが「うさぽんちゃん。買ったでしょ。あれも、これも、ポンポンかっちゃだめよ。」と、その子を叱った。その子は、えー。ほしい。と、金切り声を挙げていた。私は、動じなかった。だって、ここは、おもちゃ屋さん。子どもの泣き声、怒った声、笑った声は、日常茶飯事、いつも、そこにあった。笑い声も、もちろん。だけど、私には、それが日常だったし、思う事も特になかった。けれど、この子供たちの声が、私は好きだった。いろいろな子たちの、家族の喜怒哀楽がそこにあったから。

 

だから、わたしは、パペットのおもちゃで、ある自分にも、満足していた。私は、おもちゃ。みんなを笑顔にする。それが月並みでも、当たり前。の事。でも、私は、満たされなかった。私には、私の心があるから。おかしいと思う。大量生産のアニメ風パペット。どこにでも、売ってる。奏山店で、なくても、小野道でも、どこの町でも、買える。パペット。私は、いっぱいの私の一人。だけど、私は、おもちゃ。いっぱいの一人だけど、私は、私。そう思っていた。

だから、先生が、笑った時、嬉しかった。けれど、こんな年の人が、私に、こんなにニコニコしてるって・・・。そう思うと、おかしくて笑った。

私が笑う時、私に息を合わせて、議員は、左手を動かした。どこまで、分っていらっしゃるか。不明だったが、面白い人ですね。と思った。

 

そう思うと、あの時、あの子の家に、買われていってたら、先生とも、リノとも、出会うことは、なかっただろう。そう思うと、ありがとうございます。と私は、議員に言っていた。

私が、議員にそういうと、リノは、「良かったね。テツロー。ソファーちゃんの食べモノ。^^、飲みモノ。^^を作ってくれるっテ。^^良かったネェ。^^」といった。

私は、先生にお礼の言葉を言おうと思ったのに・・そう思うと、ちょっと、のぞみさんの気持ちが分った気がした。カゲトさんにしても、あいつは、ズルイと、言っていた。そう思うと、守屋さんがそういった意味も分かった気がした、私が暗い気持ちになって、左手をしょぼんと、させていると、リノは「ん。^^ソファーちゃん^^どした。^^。」と、カワイイコエで言った。リノがそういうと、私は、リノに知られたくなくて、なんでも、ありません。リノ。」と、冷たくいった。

私の紫色の髪に、夜の夜景の街の光が絡んだ。私の髪は、夜景の光を映して、光った。リノは、そんな私を見て、テツローに何か言いたいの。?テツロー。朝早いから、寝るって。楽しみだね。明日。^^リノネ。^^楽しみィ。^^」と、笑った。私は、リノを見て、これは、同じ人。かもしれない。」と思った。

そういったか。言わないかで、リノもあくびをした。

リノは「ふぁ~。^^」と、カワイイコエで、アクビ^^をした。

今日は、リノも疲れたんだろう。明日は、早いと言っていた。という事は、先生自身も、早く寝なければ、ならない。追う思った時、私は、リノに外された。

リノと別れるとき、ああ、私は、おもちゃ。やっぱりパペットなの。と思う。

そこで、この日は、終わった。

 明朝、パジャマ姿の青年が、針仕事をしている。白い布と、黒い布で、何かを作っている。

オレンジ色の布、赤い布もあった。

 私は、手が抜いてあるので、話せなかった。けれど、見ることはできた。

なれない針仕事。そのようで、「痛っ。コレ。結構、難しいですね。リノに変わればよかったかな。けど、リノは、子供です。小さい子を起こすわけにはいきません。といった。

聞く人が聞けば、眉を顰める会話だが、ここには誰もいない。いるのは、私と、先生とリノだけ。けれど、実際には、大量生産のアニメ風パペットと、青年がいるだけだ。

けれど、私は、この風景に不思議な安心感を覚えた。

 

そして、その青年と、私は目が合った。あの日、おもちゃ屋さんで、そうしたように。

そして、こういった。「今ね。おにぎりと、オレンジジュースのミニクッションを作っています。これをくっ付ければ、あなたも、たべられるでしょ。」と、笑った。

 

そして、リノの声で、こういった。「オハヨ~。^^ソファ~ちゃん。^^も~。コレ。さァ^^イタイヨ~。^^リノ、さいほ~^^やったことないモン。^^オハヨ~。^^ソファーちゃん。^^いい朝だネ。^^」と笑った。

 

私は、何も、言えなかった。けれど、今すぐに話したかった。けれど、左手がない。入っていない。早く話したい。そう思った。

そして、先生と、リノに、ありがとうございます。こんなかわいいモノを作ってくれてと、あのお姉さん風の大人びた声で、言いたかった。これは、不思議な気持ちだった。私は、おもちゃ。パペットなのにそう思った。

夜露が、高級マンションの窓を濡らしていた。

ブラック・レディ オンザ ソファー。政治家稼業。パラレルファクター。

ブラック・レディ オンザ ソファー。政治家稼業。

 私が、覚えているのは、あの日、あのおもちゃ屋で、先生が、私の事を、じっと、ご覧になって、ニコッと、笑っていたこと、芥川先生の雲の糸の冒頭のように、下界を見下ろす、オシャカ様のように、私の、顔をじっと、見て、美しい瞳をしているなあ。と、頷きになって、私の安物のプラの紫色の目をご覧になった。そして、私の紫色の髪を、さっと、なでて、手触りのいい髪だな。本当の女性のようだ。

漫画の女の子が、そのまま、飛び出したかのようだ。と、低い声で、おっしゃった。そして、小さい子向けと、書いてあるから、リノのお友だちに最適ですね。」と、笑った。

 

リノ、その名前は、今でも、この耳に、残っている。よくとおる、澄んでいるいい声だった。聡明で、知恵が回る。そんな声だった。リノの父なのだと思っていたが、買っては違っていた。私は、おもちゃ。お客様、お友だちが、どんな方だろうと、関係がない。私は、ものだから。と、思っていた。リノと、初めて会ったのは、あの高級マンションの一室。私はどうして、と、思ったが、リノが、「私。リノ。今日は、テツローじゃなくて。アタシの日。よろしくぅ。^^」と、笑った。可愛らしい良い声だった。

 

リノは、私に手を通すと、「今日ネ。^^いっぱい。オテマミ^^書いたンダ。^^だから、凄く、リノね。疲れたノ。^^」と、言った。それに合わせて、高い声で、ふーん。ほーん。と、言っていた。リノは、どうも、しっくりこない様子で、「よー~し。^^明日、テツローに相談しよ~^^」と、言った。そして、私の顏を見て、「アナタ。とっても、可愛い顔だネ。^^リノより、お姉さんカナ。^^なんだか、アタマ、良さそーだ^^。」と、いって、笑った。

ものを言わない私を、動かして、そうだ。そうね。と、頷かせていた。

 

それでも、楽しそうに私に話すリノ。そして、疲れると、子供しかいない部屋には、不釣り合いな、高級な革張りのソファーに私を脱いで、リノは、オレンジジュース。^^と、いって、飲んでいた。氷も、入れて冷やして飲んでいた。

リノは、私に、こういった。ジュースを飲みながら、「そだ。^^アナタ。名前、なかったネ。^^何がいい。?」と、笑った。

 

そして、物言わぬ私に、「ウン。^^ウン。^^」と、カワイイコエで、頷いていた。

そして、「そだ。^^ソファーちゃん。革張りソファーで、寝ているから、ソファーちゃん。^^でネ。^^苗字は、ブラック。これからのジダイにィ合わせて、横文字ダヨ。^^」と笑った。

 

その時、私は、そうですか。と、思った。名前なんて、どうでもいい良かったが、ソファーという言葉の響きが、優しくて、気に入った。私が、そう思っている間も、リノは、話を続ける。そして、一通り話すと、私に手を通して、「そだねー。^^」と、やっている。けれど、リノは、しっくりこない様子で、う~ん。^^と、悩んだ。

 

 翌日、私は、リノの父に連れられ、リノの父の事務所に、行った。職場に、おもちゃを持っていくこの人も、おかしいと思ったが、リノの父は、アンティークです。アンティーク。いい政治は、良い文化から、インテリジェンスは、形から。」と、言って、私を事務所の自分のデスクの近くに置いた。案の定、秘書の女性が、何やら、怒っていたが、私は、気にしなかった。

 

休み時間、女性が、どこかへ行った時、リノの父は、私に手を通して、こうだ。これが、こうなって、と、動かし始めた。そして、そうだな。これは・・・・。」と、考えた。

すると、私は不思議な気持ちになった。だんだんと、自分に命があるように錯覚していくのだ。文楽の呼吸、息遣いの様に、リノの父の呼吸が私の呼吸となり、私の呼吸が、リノの父の呼吸となった。

それを感じたとき、暗い部屋に、小さな灯りをつけて、リノが、やっほー^^」と、笑っているのが分った。そして、私にこう言った。ソファーちゃん。生まれたね。おめでとう。ソファーちゃんは、私のおつきだよ。秘書だって。よろしくネ。^^」と笑った。

私は、リノに、よろしくお願いいたします。」と、言った。

 

リノは、呼び捨てでイイよ。^^私たち。オトモダチ。^^でしょ。?」と、笑った。

私は、そっけなく、「はい。」と、言った。

 

 この二人といて分かった。この二人は、親子でない事。それどころか、同じせんろテツロウという人間であることが分かった。この人は、大変なのある政治家で、グローバリストであることが、分った。その働きぶりは、凄まじく、入閣まで、あと一歩まで、迫っていることも分かった。

その反面、グローバル化を美化しすぎている所があり、ワコクの野党 紅鷹党などは、彼の事を、海外かぶれと、馬鹿にされることが多い。

それでも、めげずに、進む彼、気が付けば、そんな彼の事を、「先生。」と、呼ぶようになっていた。

先生が私に最初に下さった役回りは、リノのおつきで、せんろ先生の支持者。私は、なんでと思った。けれど、分った。せんろ先生は、強い支持者を求めている。現実肌で、擦れていて、冷たい。そんな支持者を求めている。そんな人なら、もうのぞみさんがいるのでは。と思うが、

先生は、リノと、自分の中間のもの。先生は、おっしゃった。私たちは、先生の一部で、先生も、また、私たちの一部だと。私たちは、チームだと。私は、思う。そうだというならば、私のこの冷たい口調は、どこか突き放すようなこの口調は、先生の一部なのかと思う。そう考えると、あいつは、ワコクの事を考えていない。と、言われても、仕方がないと思った。だから、先生は、のぞみさんではなくて、私を作ったのだ。と思った。そういう役回りなら、物まねの中から、自分を定めよ。と、そう、お考えなのだ。

 そうなら、のぞみさんがいるのにと思う。

そう思うと、先生も、素直じゃ、ありませんね。と思う。

私が生まれたという事は・・・先生は、のぞみさんが・・好・・・。

 私は、リノのおつきなので、それ以上は、申しません。

それに、先生の熱心な支持者でも、ありますので。

ここまで、喋ったとき、清水さんがやってきた。

 

清水さんは「議員。何をやっていたんですか。?」と、聞いた。

すると、ソファーは、先生は、書類の作成と、前回の議会の議事録の確認をしていますよ。」と、冷たくいった。のぞみは、「こら、議員。遊んでるじゃないですか。」と、怒った。

 

それを聞いて、私は、先生。こんなことをしている場合ではないのでは。と思ったが、私は、あくまで、おもちゃで、リノのおつきなので、何も言うまいと思った。

私が、そう思っていると、するっと、私は抜け、元の場所に戻った。

窓から、春の日差しが、さしていた。私は、ああ。もう春ですね。リノ。といって、次の出番を待つことにした。

 

f:id:nezuzyouzi:20190330205104j:plain

 

リノの広い海。パラレルファクター。政治家稼業。

 リノの広い海。パラレルファクター。政治家稼業

 

 この研究をはじめて、何年、たっただろうか。?

せんろたちと別れて、はや、何十年。あっちの国やら、こっちの国やら、県やらを回り、幾日も、幾日も、海の事ばかり。もう、僕も、いい歳だ。だから、あの二人も、けっこうなおっさんだ。風の便りに、ワコク帝大は、共栄大に変わったそうだ。服装も、カジュアルになり、いろいろなルーツをもつ、学生も、たくさんいるそうだ。この海の様に、ダイバーシティーで、頑張っていってほしい。話は、横道にそれるが、海の砲台、国防のために、ワコクに作られた砲台も、台場というらしい。僕は、せんろでは、ないけれど、古来、国を守るため、外国と、一枚隔てていたものと、多様性を意味する。ダイバーシティーが、同じような言葉なのは、不思議な、おかしさを感じる。

 

 僕は、せんろたちとは、学部も、違ったし、志す物や将来の夢は、違っていた。せんろも、津山も、最初から、政治家志望だったし、ハセガワ議員の元で、せんろは、勉強が終わった後も、書生をしていたし。津山も、政治研究会で、線路がいない時も、部長として、活動を続けていた。僕はと言うと、カメリア語で、書かれた魚や海に関する本や文献を読んでいた。僕は、カメリア語の研究に来たの。と、言わんばかりに、大学を卒業するまでの四年間、カメリア語づけだった。危うく、カメリア人になるところだった。けれども、それが、良かったのか。カメリア語が堪能になった。

 

 これも、おかしいと思う。ワコク帝国大学は、ワコク人を育成するための国風の大学であったはずで、そこの卒業生は、いわゆるサムライのような人が多い。けれど、僕は、違った。海外生活が長いせいも、あってか。畳より、椅子。抹茶より、紅茶やコーヒーの方が落ち着く、それに、どこどこの国、文化というよりも、同じ世界、同じ海に浮かぶ島の文化として、尊重したいという気持ちの方が、強い。ワコクも、随分と変わったと聞く、今は、どうなっているのだろうか。

今というと、今だから、言えるが、僕は、リノちゃんの事をかわいらしいと思っていた。ほんとに、お前は、せんろか。と思った。顔も、背格好も、違っていた。こんな子が、近くにいたら、毎日楽しいだろう。と思っていた。だから、津山が羨ましかった。津山は、せんろがリノちゃんになると、おい。リノ。と怒り、せんろとなると、おい。せんろと言っていた。僕は、せんろの事も、津山の事も、せんろ君。津山君。リノちゃんと、呼んでいた。僕も、ビシッと、男らしく、せんろ、津山、リノと、呼べれば、良かったのだが、育ちのせいなのか。なんなのか。で、当時は、呼べなかった。今は、因果なもので、君や、さんのない、カメリア語で、話すことの方が多い。今なら、呼び捨てで、せんろとも、津山とも、リノ、いや、女性は、いや、違う。呼び捨ては、失礼か。そんな風に思うと、せんろや、津山のことも、君を付けて話すだろう。遠い海の上から、応援しているよ。せんろくん。津山君。それから、リノちゃん。

リノちゃんは、いくつになったのかな。せんろの一部だから、彼女も、いい奥さん。いや、女史に、なっただろうか。

グローバル化だ。国際化だ。広い海だ。言っている海の上で、そんなローカルなことを考えた。どうやら、僕も、生粋のワコク人らしい。いくら、カメリア語で、話し、パンを食べ、横文字の溢れる生活を送っていても、僕のルーツは、ワコクらしい。こういうことをお国、お里と、いうのだろうか。僕は、そう思った。そう思うと、せんろが、リノちゃんの時に、僕を茶化して、「ねェ、魚住クン。オサカナのけんきゅー^^してネ。リノネ。^^おうえんしてるぅ。^^」と、ケタケタ笑ったことを思い出した。その時の女史の目は、キラキラとしていて、海のようだった。あれが、あったから、今の自分があるのかもしれない。と、ふと、思う。そう思うと、僕も、ワコク人なのだ。と思う。

 そう思うと、僕は、安心した。自分のルーツが分って、安心した。

自分のルーツは、ワコクなのだと、強く思えた。

僕のルーツも、きっかけも、すべて、あの国にあるのだ。そう思った。

帝大の思い出。パラレルファクター。

帝大の思い出 パラレルファクター。

せんろは、ブラックのスーツを着て、仕事をしていた。今日は、奏山県の教育の充実と、新学科の設立であった。昔より、人、物、お金が、行ききする時代となり、ここ、ワコクにも、海外からの観光客、定住者も多くなってきている。そんなグローバル化。多様化の世に会って、帝国大学も、変わらねばならない時が、やってきた。ということで、帝国大学も、時代に合わせ、変化していかねばならない。今、現在、帝大は、名称が変わり、ワコク共栄大学という、名前に代わっている。その大学の新体制準備委員にせんろも、選ばれた。せんろは、帝大のOBであった。せんろは、休憩時間に自分の事務所で、白黒の写真を見ていた。のぞみさんは、偉く懐かしそうにしているので、「どうしたんですか。」と、聞いた。せんろは、「いえ。」と。笑みを浮かべて、「旧友の事を、思い出していたんです。いや、若いなあ。」と、感慨深そうに言った。

のぞみさんは、「何ってるんですか。?まだ、若いじゃないですか。」と、言った。

せんろは、「そうですか。津山も、若いなあ。」と、ニコッとした。

のぞみも、その白黒の写真を見た。それは、確かに古い写真で、ところどころ、色あせていた。のぞみは、驚いた。今は、ワコクも、映画も、テレビも、新聞も、カラーで、色がついていて、当たり前だという風なのに、このころは、まだ、白黒だったのね。と思った。言われてみると、津山さんは、今より、体が、細身かも、知れないと思った。でも、このころも、今と変わらず、強面だった。せんろは、色白で、今は、コンタクトをしているが、このころは、黒縁のメガネをしていた。二人は、ニコッと、こちらを見ている。のぞみは、「二人はこの時から、仲がよかったのね。」と、思った。

のぞみは、写真の中のせんろの左に、誰か思った。

のぞみは、この人は誰かしら。と思って、椅子に座って写真を見ているせんろに、顔を少し、チ被けて聞いてみた。この人がだれか、聞きたかったのだ。せんろは、ニコッと笑って、魚住くんです。今は、海洋学者で、海の研究をしています。のぞみさん。奏山エビって、食べたことありませんか。」と、聞いた。そして、「彼は、その奏山エビの研究で有名ですよ。と、言った。その顔は、とても、嬉しそうだった。けれど、のぞみさんは、海の事や生き物の事は、知らなかったので、「初めて聞きました。申し訳ありません。」と、困った顔をしていった。

せんろは、「そうですか。知りませんか。おいしいエビですよ。お雑煮ばかりが、有名ですが、お刺身も、美味しいんです。身が透き通っていて、食べると、ほのかな甘みが、口の中に広がって。今は、春の産卵の季節で、卵を持ったエビが、たくさん取れていますね。子持ちのものも、いいんですよ。お酒にも、マッチしてね。」と、笑った。

のぞみさんは、そうなんですか。と興味深そうに聞いた。そして、「その魚住さんが、研究をなさっているんですね。その、奏山エビの研究を。」といった。

のぞみさんは、せんろが、津山さんと、親しいのは知っていたが、魚住さんの事は、初めて知った。そして、その魚住さんが、今、どこにいるのか聞いてみた。

魚住さんの事がもっと、知りたくなったのだ。

すると、せんろは、彼は、海の男ですから。どこにいる。ということは、分かりません。もしかしたら、小野道にいるかも、しれませんね。いや、もしかすると、どこと言わず、世界中の海を研究いているかもしれません。海は、広いですから。と、笑った。

彼は、言っていましたね。「俺は、海の事、海の生き物の事を、学びたい。」と。

彼は、海の男です。海の男は、流されず。流れを作る。と、いつも言っていましたよ。と、懐かしむように言った。

のぞみさんは、その海洋学者の方は、どこか、せんろ議員に似ているな。と思った。せんろ議員が、鉄道や、流通、経済に、関心があるように、その方も、海の事。海の生き物や、海の神秘の事が好きなんだな。と思った。

そう思うと、せんろさんは、鉄道、流通、津山さんは、教育、人格形成、人を教え、導く事、そして、魚住さんは、海の神秘や海の生き物の事。こういう風に考えると、三人とも、進む道は違っていても、心のどこかで、惹かれあっていたのね。と思った。

のぞみが、そう思っていると、せんろは言った。「のぞみさん。ですから、次のテイダイも、私のように、違う志を持った若者たちがお互いの考えを発信し、高め合い、良く学び、そして、良く学ぶ。という学び舎にしたいのです。と、言った。

のぞみさんは、せんろがそういったとき、素敵だな。と思った。

その時、のぞみさんは、せんろさんと学んでみたかったな。と思っていた。

せんろは、その時、こういった。「あ~。^^ミンナ。元気カナ。^^」と、カワイイコエで言った。その時、のぞみさんは、ドキッとした。って、事は、津山さん以外にも、せんろさんの秘密の事、知ってるの。?と思った。

すると、せんろは、「リノね。真ん中にして貰ったんだ。^^私たち。友達だよって、仲間の印にネ。^^リノ。真ん中ネ。^^って。」と、笑った。

のぞみさんは、キッと睨んだが、せんろは、フフッと笑って、「まぁ、昔のハナシダヨ。^^でも、またいつか、会いたいナ。三人でネ^^津山さんには、あってるけどネ。^^」と、笑った。

のぞみさんは、その時のせんろの顔を見たとき、自覚を持ちなさいと思ったが、せんろさんの思い出か。と、その頃のせんろさんの事、もっと知りたいな。思っていた。

 

f:id:nezuzyouzi:20190323212902p:plain