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七夕様の祝い。パラレルファクター。

七夕様の祝い。


小寺石材店で,石の加工職人をしている。右田トン吉。通称トンさんは、竹藪に分けいって、
事務方の山下さんと、笹を切っていた。

山下さんは、「私は、事務方です。かの西洋のカメリア国では、我々、事務方の事をオフィサーとか、
最近だと、ホワイトカラーというのですよ。それなのに、これとは、私は、帳簿とにらめっこをしている方が好きなんですよ。」と、文句を言いながら、笹を切っていた。
それをきいて、トンさんは、豚ばなをふんとならして、「何、言ってやがんだ。山下、オメエ。このカメリアかぶれが。おらあ、この国で、生まれて、この国で育った。だからよう。この国の人間よう。」と、いって、山下に注意した。
トンさんが注意すると、山下は、「わかりましたよ。黙って、やりゃいいでしょう。男はべちゃくちゃしゃべらない。」っと、といって、
笹を取るのを続けた。
"
トンさんは、今、勘十郎に、頼まれて、竹を取っている。
なんでも、七夕様で、お願い事を、短冊に書くそうだ。勘十郎はとても、しっかりとした男で、年中行事はしっかりと祝うのだ
"年越しには、年越しそばを、しっかりと、食べるし、節分には、豆まきの鬼役をかってでる。
勘十郎は、縦も横も大きいので、節分の鬼役には、ぴったりである。
アラタや、こずえ、おりんばあちゃんは、ここであったが百年目、積年の恨みと、言わんばかりに、
鬼は外。福は内。と元気に言う。お美夜ちゃんは、遠慮がちに、ごめんなさい。親分さんと言って、豆をなげる。
里美母さんは、お父さん。今年も、張り切っていますね。と、優しくお上品に、豆を投げる。

"豆を人から、投げられるというのは、とても痛い。豆が、体にあたると、痛いのだ。
面白がって、投げられようとも、面白がって投げられようと、遠慮がちに投げられようと、はたまた、お上品に投げられようと、
痛いものは痛いのだ。

しかし、勘十郎は怒らない。この野郎。痛いじゃないかよ。とか、父親に向かって、積年の恨みとは、何事か。と、言って、怒らない。いつも、勘十郎のかんしゃくで賑やかな、小寺一家において、今日は、例外らしい。
勘十郎も、なんだか楽しそうに、うおー。うおー。と、言って、
鬼のまねをしている。
で、あるののだから、七夕の日も、例にもれず、楽しむのである。
トンさんが、竹やぶに、分け入って、山下と、竹を取ったのが、今朝である。

そのあと、色々なことがあった。夕方になり、アラタが、家の前まで、セレアちゃんといっしょに帰ってきたいのを抑えて、
途中で帰ってきたり、こずえが、銀の杖をついて、アスミちゃんと帰ってきたりした。"
夏のひざしは、すっかり、かたむき、西日が、小寺石材店の母屋の縁側に綺麗にさしていた。
今日の縁側には、おりんばあちゃんの姿はない。何をしているのだろうか。?

母屋の中では、里美母さんと、お手伝いのお美夜ちゃんが、お夕飯を作っている。
おお、今日は、お美夜ちゃんが、お味噌汁を作るようである。今日は、お茄子と、夏なので、おそうめんのお味噌汁である。
おや、なにやら、このおそうめん、色がついている。色鮮やかな黄色や、緑色、ピンク色のもある。
色鮮やかな色のおそうめんたちが、お味噌汁の中で、キラキラと、輝いていた。
"上手にできたかな。そう思ったお美夜は、里美母さんに「奥様。上手にできましたか。?」と、言って、
里美母さんに味を見てもらっている。里美母さんは、少し、お上品に小さなお皿で、味をみると、
うん、おいしいわ。お美夜ちゃん。お料理、うまくなってきたわね。」といって、笑った。
その笑顔は、とても、いい笑顔だった。その笑顔を見ていると、お美夜は、病気で、なくなってしまった。
お母さんの事を思い出した。お母さんの事を思い出すと、涙が出そうになった。

ああ、涙、こらえなきゃ。奥様のまえで、みっともない。親分さんにも、しからてしまうわ。そう思って、お美夜は、
涙を必死でこらえた。けれども、目の中に、涙が溜まっていって、泣きそうなのが里子母さんに、ばれてしまった。

あれ、どうしたの、?お美夜ちゃん。ああ、そう。また、お母さんの事、思い出しちゃったの。?
大丈夫。大丈夫よ。お美夜ちゃん。私は、あなたのお母さんよ。大丈夫、泣かないの。そうね。今日は、七夕様だから・・・・。」といって、里子母さんは、台所の流しの棚から、星形のクッキーの方をとりだして、
冷蔵庫から、ニンジンを取ってきて、少し包丁で切ると、それを星形に切った。

その手つきたるや、とても、素晴らしいものであった。里子母さんは、
お料理上手なのだ。いやいや、これも、元をたどれば、おりんばあちゃん仕込みなのである。
で、あるから、これも、小寺の歴史の一つ。と言えるのだ。
いつも、テレビの前に陣を張り、アルフォートくんだのジュウちゃんだの言っているが、おりんばあちゃんは、それだけではないのだ。

お美夜は、綺麗に星形に来れたニンジンを見て、素敵。とつぶやいた。お美夜がそういうと、
そうね。今度、お盆よね。お墓参りに、アラタとこずえと、お父さん。あと、おばあちゃんも、一緒に行きましょう。といった。
里美母さんがそういうと、そういってくれたのが、嬉しくて、ありがとうございますと、お美夜はいった。
ありがとうございます。ありgさとうございます。と、何回も言った。

所かわって、ここは小寺家の居間である。

居間では、おりんばあちゃんと、アラタ、こずえが、短冊に願い事を書いている。
"おりんばあちゃんは、筆で、丁寧な字で、健康第一、長寿。百歳まで生きる。と、書いていた。
アラタは、汚い字で、一回目を書いてしまったので、もう一回、書き直していた。
野球の一球入魂ではないが、魂を込めて、書いた。この時、アラタに、おりんばあちゃんは、ワッとやって、びっくりさせたかったが、
そんな野暮なことしたら、七夕様のバチが当たるわね。ということで、しなかった。
七夕様のバチとは、どんな罰であろうか。とにかく、そんなこんなで、ワッとやるのはなしになった。

こずえは、今度の秋のお琴大会で、いい結果をのこせますように。と書いた。
こずえの字は、綺麗ではないが、とても、読みやすい字であった。
こずえたちが、願い事を書いていると、勘十郎がおーい。今、帰ったぞ。といって、母屋に入ってきた。

トンさんも、お邪魔します。山下さんも、お邪魔いたします。とはいってきた。
何事であろうか。勘十郎と二人がはいってくると、里美母さんはお美夜に、お夕飯、お願いね。お美夜ちゃんと
いって、勘十郎たちを出迎えた、その時、里美母さんは、まあ。と、声を上げた。
トンさんが、立派な笹を取ってきたのである。
里美母さんが、声を上げると、トンさんは、へへ。おかみさん。いい笹でしょ。おらあね。今朝、山下とよとってきたんだよなあ。
だって、親分さんがとってきてくれっておっしゃるもんですから。なあ、山下よう。と、言って、笑った。
その親分さんも、なにやら、照れくさそうに、おいトン吉。それは、いわなくても、いいんだよ。」と、言って、笑った。
その時の親分さんはなにやら、いたずらがばれた子供みたいだった。
それを、おりんばあちゃんは、顔だけ、ひょこっと、出してみていた。そして、あらら。勘十郎。小さいときと、一緒だわね。
成長しない男ってな、やだね。と。言っていた。そうは言いながらも、どこか、懐かしそうである。

おりんばあちゃんがそう思っているとトンさんは、こう、言った。あれえ。おかみさん。いい匂いですね。
今日は、ちらしずしと、お味噌汁ですね。おらあ、鼻がいいです。いい匂いだあ。といった。
トンさんがそういうと、里美母さんは、そうなの。今日は、七夕様のお祝いなの。どうです。山下さんも。?
といって、笑った。
その顔は、とても、優しい顔だった。
里美母さんがそういうと、トンさんは、鼻を嬉しそうにならして、いいですか。と、いって、喜んでいた。
"里美母さんが、トンさんとはなしている頃、こずえは、アラタに、
アーちゃん。願い事、何、書いたの。?教えてよ。と聞いていた。
すると、アラタは、「なんでも、いいだろう。プライバシーの侵害だよ。姉ちゃん。と、
嫌がった。すると、こずえは、えー。アーちゃん。いいじゃないさ。ね。ね。と、面白がって聞いた。この時、こずえは、
プライバシーだなんて、そんな言葉良く知ってるね。偉い。偉いと、からかった。
それに、カチンと、きたのか、アラタは、なんでも、いいだろ。と顔を真っ赤にして、怒った。
やれやれ、勘十郎の機嫌がいいかと思えば、アラタのご機嫌がよくないとは。難儀なものである。

そうそう、難儀といえば、いましがた。流れ星が、星空の中をさっと、横切っていった。
それは、とても、綺麗な流れ星だった。

この流れ星は、一体、なんなのであろうか。もしかしたら、アラタの思い人かもしれない。
アラタの七夕の願い事は一体。そうこういっている間も、アーちゃんは、その短冊を一生懸命、隠している。
真相は、藪の中。いや、竹やぶの中かもしれない。

おお、そうこういっているうちに、勘十郎が、アラタ、何を暴れているんだ。といって、怒った。


今日は、七月の七日、七夕の日である。
七夕の日は、年に一度、惹かれあう彦星と、織姫が天の川の橋の上で出会う日である。