実りある夏休み。学園パラレルファクター
ここ、パラレルファクター学園では、今まさに。お勉強会があちらこちらで、行われていた。
アスミちゃんは、嬉しかった。久しぶりに、町田君と、時間を過ごすことができると思ったからだ。
町田君は、忙しい。クラブ活動、探偵クラブの指導や図書委員会のシュチューイの手伝い、
地域のごみ拾いを、せんろくんとやったり、山本くんと海の家のアルバイトにいったりしていて、
なかなか時間をとるのが難しかった。
アスミちゃんは、仲良しの真美子さんに、ピアノや歌のお稽古をつけていた。
その時、アスミちゃんは、私も、先生だよ。と思って、朝から、嬉しい気持ちで、真美子の家に行ったのだが
ところが、思いがけない怖いもの。その日は天気が悪く、雨が降っていた。そして、
気が付いたら、ゴロゴローっと、雷が、なっていた。
ピアノのお稽古に集中していたアスミちゃん。けど、ゴロゴローっとなって、怖くなって、
思わず、真美子さんに飛びついて、ギューッと、やってしまった。
アスミちゃんは雷が鳴り終わると、あれぇと思った。
「私、先生なのに。雷、怖いよって、思って、小さい子みたいにになっちゃったね。」と思った。
そう思うと、あれえ、いけないよ。と思ったが、抱き着いたとき、ギューッとやったときの事を思い出すと、
とても、あったかくて、柔らかくて、なんだか、お母さんみたいに、温かかったねと思った。
怖くて、小さくなって、プルプル震えているアスミちゃんを、真美子さんはアスミちゃんの頭をポンポンとして、
「大丈夫じゃ。大丈夫やけえね。」と、励ましていた。
そのことを思い出すと、アスミちゃんは、真美子ちゃんは強い子だね。と思った。
今日は、そんなことがあってから、三日後の日。もう、夏休みは終わった。
まだまだ、このあたりも、暑さが残っているが、涼しい風も、窓をあければ、入ってきて、 秋は、近いと感じるころとなった。
久しぶりの学校。久しぶりの廊下。久しぶりの机。
今日は、楽しい秋の勉強会。秋の勉強会とは、生徒たちの休みボケ防止に、みんなで、プリントや
問題集をやりましょうという会で、夏休みの宿題を終わらせることのできなっかった生徒は、
それを、終わらせるという、いいのか。悪いのかわからない行事であった。
アスミちゃんは、もちろん。休みが始まってすぐに、夏休みの宿題を終わらせていた。
アスミちゃんは、教室に行った。すると、町田君がいた。
なにやら、大人っぽくなって見えた。お父さんが、夏休みあけは、みんな、前よりも大人になって見えるんだ
と、言っていたが、アスミちゃんは、それを見たとき、そう思った。
町田君は、日に焼けていた。茶色色だ。この夏は、いろいろな事をやったと聞いていたから、
きっと、それで、茶色くなっちゃんだね。と思った。
町田君は、アスミちゃんの顔を見ると頬を少しあかくして、
「今日から、二学期だね。夏休み、どうだった。?夏休みの宿題、終わった。」と、聞いた。
町田君がそういった時、アスミちゃんは「夏休み、楽しかったです。真美子さんの所にいっていたんだよ。
夏休みの宿題はね。終わったよ。終わりました。」といって、笑った。
町田君はそれを聞くと、「そう。僕もね。夏休み。いろんなことしてたんだ。
山本君のアルバイトのお手伝いにいったり。図書館の整理とおそうじにいったり、探偵クラブの生徒たちの指導、
いや、指導っていっても、皆で、おかし食べたり、なぞなぞしたりして、楽しく過ごしいただけだけど。
僕の指導で、皆、頭を使うのって、楽しいなあって、思ってくれたら、うれしいんやけどね。」と、思わず、
町田君のお国の言葉が出ていた。
その時、アスミちゃんは、真美子さんの事を思い出していた。真美子さんも、方言、お国の事で、話すので、面白いと思っていた。
町田君は「ああ、いけないと思ったのか。方言を言い直した。
そんな事、しなくていいのに。と思ったが、アスミちゃんは、町田君のそんな所が可愛いと思っていた。
そう思うと、さっきのお父さんのお話は、町田君には当てはまらないね。と思った。
そう思うと、アスミちゃんは「なーんだ。」と思って、笑った。
アスミちゃんが笑っていると、真美子さんがやってきた。
真美子さんは、アスミちゃんの顔を見ると、「アスミさん。おはよう。今日から、二学期じゃあね。また、よろしゅう。また、頑張ろうねえと、言った。
アスミちゃんは真美子に「真美子さん。よろしくお願いします、二学期も一緒に頑張りましょう。」と、ガッツポーズしていった。
なんで、ガッツポーズをしたのか。アスミちゃんは、二学期も頑張りたいと思ったからだ。
真美子はアスミちゃんのガッツポーズを見て、「なんで、そがな、事しとんの。ガッツポーズ、オモロイねぇ。」と笑った。
その声は眠そうだった。アスミちゃんは、「昨日。ちゃんと、寝たのかな。」と思った。
皆、皆、夏休み前と同じだった。皆、皆、楽しそうに笑っていた。
それを見て、アスミちゃんは「皆、一緒だよ。皆にまた会えて、良かったね。」と思った。
けれども、皆、どこか、前より、凛々しくなっているような気がした。うまくは言えないけど、そんな気がした。
そう思うと、私は、どうなのかな。と思った。ちゃんと、成長できているかなと思った。
そう思うと、「うん。」と思った。自分でいうのも、なんだけど、うんと思った。
どうしてかっていうと、今年の夏は、真美子さんにピアノを教えたし、海の浜で、町田君と遊んだし、大好きな抹茶アイス色の水着を着て、
泳いだりしたよ。と思ったからだ。
そう思うと、今年の夏休みも、楽しかったね。実りあるものになったねと思った。
そう思うと、アスミちゃんは楽しくなってふふっと、笑って。町田君の所へ行った。
この夏の事を思い出すと、町田君にいろいろ、この夏にあった事をお話ししたいと思ったからだ。
町田君は、アスミちゃんが戻ってくると、アスミちゃんにどうしたの。?」といった。
すると、「町田君。私ね。夏の思い出。たくさんあるの。お話したいと思いました。」といって、笑った。
アスミちゃんが、そういうと、町田君は「アスミちゃんの夏の思い出、聞かせてよ。僕、聞きたいなあ。」と笑った。
アスミちゃんは、町田君のその顔を見ると、いい笑顔だね。と思って、好きです。って思って、笑って、ポアンとなった。
町田君は、アスミちゃんの話を興味深そうに聞いた。
その時の目は、とても、優しい目だった。
アスミちゃんは、とても、良い時間だなと思った。
ずっと、続いてほしいなあと思った。
アスミちゃんは、そう思いながら、嬉しい気持ちで、優しい気持ちで、町田君とお話をしていた。
それを見て、真美子さんは「アスミさんは、町田くんがすきなんじゃねえ。」と思っていた。
時間がふわふわ。光がキラキラと輝いていた。