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夏、最後の日。パラレルファクター。

夏、最後の日。

今日、僕は仕事を終えると、真っ直ぐ、このかなで山アパート21に帰ってきた。
僕は、このアパートの6階に住んでいる。
このアパートは21、トゥエンティーワンなんて、少し、変ななまえだとおもうけど、このアパートの名前には、
明日を夢見る若者たち、学生、いや、お年寄りでも何でもいい。

くよくよせずに、この21世紀、新時代を生き抜こうでは、ないかという、願いが込められている。
でも、なんで、僕は、その意味を知りながらも、そんな名前に、大家さんは、したのだろうか。?
横文字で、単に、洒落ている。なんか、いいやろ。という風な感じじゃないかな。?という風なことを思わないでもない。

けれども、僕は、このアパートの名前が好きだ。僕、21トゥエンティーワンに住んでいるんだぜ。と、自慢したくなる。
名前は、ひまわり荘とか、すみれ荘とか、そういうのの方が、それらしいかな。と思うけど、僕は、この名前がいいと思った。

自慢というと、以前、アスミちゃんに「僕、トゥエンティーワンにすんでいるんだ。」と言ったら、フフっと、笑って、町田君、トゥエンティーワンって、何。?」って、聞いてきた。
僕は、その時、アスミちゃんがフフっと、笑ったから、僕は、可愛いなあと思った。

アスミちゃんと、いうと、最近は、ワコクの西の方の町、小野道というところで、自分より年下、2歳下の子のピアノの先生をしているそうだ。
週に一度は、そちらに行っているそうだが、交通費などがかかるので、大変だと思った。
先生になったからなのか。また一段と、アスミちゃんは、大人っぽくなっていた。
そんな彼女に、「いや、僕、21(トゥエンティーワン)に住んでいるんだぜ。とは、こりゃいかに。

ラッパーじゃないんだから。ラッパーといえば、この間、僕は、僕の部屋で、オールスター クロマルのウィークエンズ シャッフルズを聞いていた。
この番組は、番組 パーソナリティーのクロマルが、音楽に、映画に、カルチャーに。デートスポットなどを紹介する番組だ。

以前、アスミちゃんも、この番組にクロマルのアシスタントとして出演したことがあった。
現在は、小野道での仕事も、始めたために、あまり出ていないが、アスミちゃんが出たときには、ラジオにかじりつく様にして、聞いた。

アスミちゃんの声は、よく聞こえる。声がいいのかどうなのかは、分からないけれど、ラジオなので、電波の状況が少し、悪いときでも、よく聞こえる。

僕のラジオが、ガーガーいっていても、アスミちゃんの声は、良く聞こえる。

よくポップスの歌手の人が、どんな雑音の中だって君の声ならよくわかる。とか、よく聞くドラマのセリフで、君の声が聞こえた。君の声を探していたんだ。と、よく言うけれど、
僕は、それって、まちがってないんじゃないの。と思う。

だって、僕は、それをできているわけだから。

ラジオというと、最近、天気が崩れることが多くなってきた。テレビでも、よく雷がなった。大雨が降ったとよく聞く。
僕は、そんなニュースをよく聞くとき、ああ、アスミちゃん。大丈夫かなと思う。
そんなとき、さっきのポップスやドラマのセリフを思い出す。よくわからないけれど、
こういうことも、さっきの、どんな雑音の中だって君の声ならよくわかる。とか、君の声が聞こえたんだ。
と、いう事なんじゃないかと思う。

僕は、アスミちゃんが好きだ。どんなところにいても、思う、考える。
僕が、こんな風に思うんだから、アスミちゃんもまた、こんな風に、どんな雑音の中だって君の声ならよくわかる。とか、君の声が聞こえた。と、思っていてほしい。
僕が、アスミちゃんの声が、雑音の中でも、わかるよ。と思っているように。
アスミちゃんもまた、そんな風に思っていてほしいなあと思った。

いや、どうだろう。女性の心、いや、女の子の心というものは、複雑である。僕の声など、分からないかもしれない。
以前の僕なら、ここで終わっていた。けれども、今の僕なら、僕の声なら分かるかもしれない。まだ、まだ、「21に住んでいるんだぜ。」というような人だけれども、
今の僕ならわかると思う。キスビットを救ったり、山本のピンチを救ったりした。僕は、その冒険の中で、色んなことを学んだ。
今、アスミちゃんに「ねえ、雑音の中で、僕の声、わかる。?」ときいたら、何というだろうか。
ふふっと、わらって、「分かるよ。だって、町田君の声だもん。良くわかるよ。」と、いうだろうか。
それとも、質問の意味が分からず、「うーん。雑音の中なので、分かりません。」というだろうか。
それとも、アスミちゃんも、このごろ、大人っぽくなってきているから、「どうかしらね。あなたは、どう思う。?町田君。?」というだろうか。
いやあ、よく分からない。女の子の心は複雑である。どうであろうか。

そんな事を頭の中でグルグル、グルグル。と、考えていると、お腹がすいた。
僕は、お腹が、すいたので、少し、パスタを食べようと思った。
お湯の中で、パスタをゆでていく、最初、硬かったパスタは、お湯の中で、柔らかくなって、女性の長い髪のように艶やかにお湯をまとった。
僕は、それを見て、美しいと思った。
僕は、それに、トマト缶で作ったトマトソースをかけて、食べた。
そのトマトソースは赤くて、綺麗で、素敵だとおもった。
そういえば、アスミちゃんと山本の店にお食事にいたとき、とても、綺麗な赤いドレスを着ていたなと思った。
そう思うと、ああ、綺麗だったなと思った。
その時、僕のお腹がグウ。となった。
僕は、さあ食べようということで、テーブルの椅子に座った。
僕は、その赤い綺麗なトマトソースのパスタを食べた。
作りたてなので、とても、アツアツだった。そのパスタは、とてもおいしかった。
自分で、麺をゆでて、作ったのだから、尚更だ。
僕は、ああ、美味しいと思った、
僕がそう思っていると、少し、開けたベランダからリーンリーンと、風鈴の音がした。
その音は、とても、いい音だった。けれども、どこか、寂しかった。
夏の終わりを告げているようだった。
僕は、カレンダーを見た、日付は八月三十一日だった。