シュウヘイは、家に帰ると、すぐに、自分の部屋に行った。
近頃、風邪やら、花粉症やらが流行っているので、手洗いと、うがい、それから、鼻うがいも、した。
したことと、言えば、今日も、シュウヘイは、
セレアちゃんと、帰ってきた。
セレアちゃんというのは、シュウヘイの一番の友達で、よく、音楽の話をして、盛り上がっている。その盛り上がりたるや、すごいもので、休み時間には、必ず、シュウヘイは、セレアちゃんのところに行って、よく、話している。
それに飽き足らず、帰りも、ずっと、最近はやりの音楽について、話しているのだ。
シュウヘイと、セレアは、男の子と、女の子なのだが、そんなことは、音楽の前では、おかまいなしで、あーでも、ない、こーでも、ないと、話している。
しかし、シュウヘイは、貫太郎父さんに叱られたり、あらぬ噂を建てられると困るので、自分の店の近く、自分の家の近くまで来ると、
「じゃあ、また明日な。セレア。」と、言って、一人で帰るようにしている。
本当は、もっと、話していたいけれど、ここから先は、危険であると、いう判断である。
ここから、先は、あの、貫太郎がいる。あの、おきんばあちゃんがいる。という、判断である。
あの貫太郎というのは、シュウヘイの父親で、石屋をやっている男で、たても、横も、大きい男である。
おきんばあちゃんと、いうのは、シュウヘイの祖母で、貫太郎の石屋の先代の女将のおばあちゃんである。これといった趣味は、ないが、食べることと、寝ること、それから、アイドルのジュリーと、アルフォートくんと、噂話、面白ギャグが大好きな、おばあちゃんである。
であるから、シュウヘイは、今日は、途中から、家に一人で帰ってきた。
シュウヘイは、嬉しかった。嬉しくて、手を洗って、うがいをして、鼻うがいをすると、すぐに、綺麗になった鼻で鼻歌を歌った。
しずえは、まだ帰ってきていなかった。
部活動だろうか?
おきんばあちゃんは、居間で、テレビを見ていた。シュウヘイは、嬉しくなって、すぐに、自分の部屋に行った。
部屋に行くと、シュウヘイは、秘密のノートを押入れから、さっと、取り出して、机に向かって、書き出した。ノートの表紙には、シュウオブダイアリーズと、英語で、書いてあった。
これは、彼の日記なのだろうか。?
彼は、そこに、嬉しそうに、
今日は、セレアと、ビートルズと、カサキヤマ、それから、俺の好きなタオにゃんのことについて、話した。
とっても、良かった。
ビートルズは、やっぱり、抱きしめたいが、一番だよな。と、俺がいうと、セレアも、いいのう。と、言ってくれた。セレアも、好きなんだなと、思った。
それから、タオにゃんも、かわいいよな。という話になった。ここで、面白いことがあった。
俺が、タオにゃん、いいと、思わないか?って言ったら、セレアは、俺に、そうかの?わらわの法がもう少し、かわいいと、思うがの。と言っていた。
その時、俺は、おかしくて、ほんとかよ。と言って、笑ったら、セレアは、笑うでない。と言っていた。俺は、セレアが、そう言ったとき、おかしくて、まだ春だけど、今年一番、笑った。
まだ、今年、一番ってのは、早いかな?
でも、おかしかった。
セレアは、、なんだか、昔の時代のお姫様みたいな話し方をする。俺は、なんだか、とっても、可愛らしいので、いいと思う。
父さんも、よく、人の喋り方なんか、きにするなよ。大事なのは、心だ。礼儀だ。相手を思いやる気持ちなんだ。って、言ってた。
父さんが、そんなことを言うなんて、珍しいと思ったけど、雨が降るんじゃないの?って、思ったけど、なんだか、その時は、おかしかったけど、なんだか、心に残ってる。
だから、セレアには、自分のこと。変だ。なんて、思わないでほしい。
前、そんなこと、あったから、俺、柄にもなく、心配しちゃった。頑張れ、セレア。
今日は、セレアと、話せて、良かった。
明日も、また、話せるといいな。
まて、あした、はなそうぜ。
明日も、父さんや、ばあちゃんに、見つからないといいな。
セレア、また明日な。
シュウヘイは、この文章を楽しそうに、書いていた。今日、セレアと、あったことを、忘れないようにしようと言う思いを込めて、書いていた。
シュウヘイの部屋の窓から、夕日の柔らかな光が、さしていた。
シュウヘイの部屋に、貫太郎とうさんが、石を削る、トーントーン、トーン。という音が響いていた。
おきんばあちゃんは、居間で、テレビを見て、馬鹿笑いをしていた。