「どうして、あなたは、ボリュームの基地にきたんですか?」
ここは、取調室、タケトラがマクガイヤーの取り調べをしている
「ホントにここには、あいつ意外、子どもしかいないのかよ。なんで、ここに来たかは、お前が調べろ。黙秘権だ。驚いたか。怪獣でも、黙秘権を使うんだぜ。」
「そう、いいたくないなら、言わなくてもいい。僕が調べるよ。」
そういって、タケトラは、別の質問をした。
「君の日本語は、とても上手だね。どこで、誰に習ったの。」
タケトラは獣に優しく聞く、「それも黙秘権だ。」
「ねぇ、君は、観光でここに来たんだよね。もしかしたら、観光できたの?
お友だちとか。」
タケトラが聞く。優しく聞く。しかし、その優しい声の裏には虎のように恐ろしい声が混じっていた。彼は、シバトラ。この町を守る刑事の一人だ。
「友達はいない、俺は孤独だ。」
「そう、孤独だったんだね、それは、つらかったろうね。でもね、つらかったことがあったとしても、それは、人を殺害していい理由にはならないよ。君は、ここに来る前、ウェールズで、たくさんの人を殺したでしょう。ここに来る前。」
「なぜ、お前がそれを?」
獣は、動揺した。
動揺した彼をしり目に、タケトラは続けた。
「なんで、僕が知ってるかって?僕は、警察官だから、相手が怪獣人間でも容赦はしないんだ。」
「この野郎、俺は怪獣だぞ、お前も食ってやる、食べものが俺の上に立つな。俺の上に立っていいのは、あのお方だけだ。」
優しく聞かせるように聞こえながらも、タケトラの声は、獣に、迫っていった。
「あのお方って、君のお友だち?聞かせて、もっと知りたいよ。」
「黙秘する、あのお方の名を俺は言えない言えば、言えば、大変なことになる、俺は、死にたくない、もっと生きたい、生きていたいんだ。」
獣の額からは、滝のような汗が、流れていた。
タケトラは、おびえる彼を、落ち着かせながらも、怪獣に変身できる男が恐れるような、人物とは、何者なのか?と思った。
この事件の首謀者とは、そんなに、恐ろしいのかと思った。
後ろで、記録を付けていたきよしもまた、恐ろしさを感じていた。
今のマクガイヤーは、まるで、蛇ににらまれた蛙のようだ、彼の目に映るマクガイヤーの肌のいろは、所どころ、緑色になっていた。恐怖やらあせりやらで、今のマクガイヤーは、動揺していた。
それを見て、キヨシは、「蛇ににらまれた蛙。」とつぶやいた。
その声は、冷たい声だった。
彼は、ふと、取調室の小さい窓を見た、取調室のちいさな窓から見える空には、黒い雲が見える。
とても、黒い色だ。とても、黒い色だ。