なあ。本屋さん。おれ。圭吾が強くなっていくのが嬉しいんだよな。ミハルもなミハルは春日一番になるんだってよ。おれが迷った時にミハルとか圭吾が助けてくれんだよな。おれは一人じゃねえってことだ。アンちゃんもエジプトのことや鎌倉時代のことを調べてて強くなっていってるんだ。
お前さん。お前さんはね。もう一人で何かをやってるってわけじゃないのかもしれねいねえ。
お嬢さんもミハルくんも圭吾くんも育っているのさ。アタシも嬉しいよ。アタシも店をやる時はいろんな人に助けられてここまできたもんだよ。
本屋さんも誰かに助けられて生きてきたんだな。
そうだよ。お前さんとおんなじさ。
なら俺はタイム先生とかアンちゃんとかを助けたいな。前に俺はタイム先生のスケットダンスになるって約束したんだよな。
だから俺もみんなを助けたい。
大きくなるってのは大変なことだよ。アタシはいろんなもんを捨ててきちまったからね。
そうか。でも、俺はどんなに大きくなってもねーちゃんのことも圭吾のことも米津のことも忘れたくねえ。ミハルのことも桃子のこともタイム先生のことも道長のこともまひろちゃんのこともみーのこともあーのことも。
アタシとは逆だね。お前さん。
でも、本屋さんだってアンちゃんのことやタイム先生のこと、わすれてねえだろ?花魁さんのことも。
あれは自分の心の傷だよ。
そうかな。俺はそうは思わねえ。どんなことがあっても大きな俺の絵巻物につながると思う。
そうかい。お前さんは強いね。
だから俺は嬉しいんだよな。圭吾もまひろちゃんと道長くんと一緒にいていつも笑顔が増えたし、ねーちゃんもいつ楽しそうだよな。道長くんは白い着物でいつも黒い烏帽子をしてて、まひろちゃんはニコに着物の作り方を教えてた。そしたらタイム先生も博士も遊びに来て俺は嬉しかった。ミハルは俺の春日一番になってくれて。春日一番は赤いスーツを着ててさ。それでミハルは僕が春日一番だったら俺は桐生だってよ。面白いよな。
お前さんはいつも賑やかだね。友達とはいつもそんな話をしてるのかい?
友達?そうか。友達か?
違うかい?いつも楽しく賑やかにしてたらそれは友達じゃないのかい?
俺は今までミハルとか米津とか圭吾のことを仲間だと思った。道長くんとまひろちゃんのことも博士のことも。アンちゃんのことも。でも、友達か。これが友達なんだな。友達ってこうやって作っていくんだな。俺は勉強になったよな。今日は忘れられない日になったよな。
そうだね。人はいろんな人に支えられて生きているんだよな。でも、それを人はついつい忘れてしまうのさ。夢みたいな話だね。でも、忘れちゃいけねえ。忘れちゃいけない夢ってのが誰にもあるのかもしれないね。大きくなってもどんなに下手を打ってもね。
本屋さん。俺勉強になったな。今日は。
そうかい?じゃあ。忘れちゃいけねえよ。忘れたら夢になっちまうからね。
俺は忘れないそのために絵巻物を書いてる。俺はそう思うぜ。本屋さん。
そうかい。強いね。お前さんは。