まひろ。
何?
あの。これは新しい歌集だ。
万葉集という。
越前や北陸、越中に金沢、お前の好きな越前とその周りの情景がよくわかる
どういうこと?
これは贈り物だ。
またな。
圭吾。これでよかったのだよな。
そうか。お前はまひろと仲良くなりたいんだな。この間、喧嘩したもんな。
そうだ。
そんな時はプレゼントをしてみるってどうだ。
詫びの印を送るということか?
まぁ、そうだな。でも、お詫びってほどのもんじゃねえ。ただ友達に渡すんだ。
そうか。やってみる。でもそれでうまくいのか。
いくよ。おれ。この間、ネムにほんわかしたんだ。この間、怒られたからな。
怒られた。なぜ。圭吾が。
俺はだらしいないんだってさ。
あの、ネム殿が。あの子のように頭のいい子もいないと思うのだが。
それで道長に相談があるんだけどさ。どうやったら規則正しく怒られるんだよ。教えてくれよー。
そうだな。朝は日の入りと共に起き、若草の香りを感じながら和歌を読み、昼まで漢詩を読み、午後は薙刀や棒術、そして馬、その後は書道の練習だ。そして夕食の後は経典を読む。そして眠る。
なんだわそれ。ハードル高いな。難しいよー。
そうか。これが私の日課だ。そこに敬語やネム殿やまひろや博士やタイム先生と話す時間が入って私は楽しいぞ。
俺は全然楽しくない、だめ、そうか。ありがとうな。
俺も道長を見習ってみるよ。ニコもいるし、北条もミハルもいる。だから生半可なことをしたらいけないんだよな。
そのいきだ。圭吾。こちらこそいい助言をありがとう。今度、まひろに贈り物してみるよ。
がんはれよ。
圭吾はえらいな。いつもニコやミハルや北条殿や俺のことを考えていて。
そうか。お前の方が歴史を作っているから凄いと思うぜ。
そうか。俺にはお前も歴史を作っていると思うぞ。
そうかな。それは聞いてなかったな。聞いてなかったけどそうなのかもな。
ネム殿とうまくいくといいな。
どうかな。ありがとう。応援してくれよな。お前もまひろと上手くいくといいな。
そうだな。圭吾。こんなふうに話せてよかったぞ。俺は。
俺も道長と話せてよかった。結果、俺たちも平安時代の人も変わらねえんだな。
そうかもしれないな。
ケイゴよ。俺はお前を思う時、歴史を作りたいと思う。まひろやケイゴやネム殿や博士やタイム殿と一緒に。
俺も、規則正しく朝は早起きして運動して頑張ってみようかな。まぁ、馬とか棒術は無理だけどさ。規則正しい丁寧な生活か。
俺とネムの歴史か 悪くないな。
アンタが規則正しい生活。おかしいんじゃないの。圭吾も変わろうとしているのね。
道長、この歌集、よかったわ。この本は貴族のかたより、読み人知らずの人が多いわね。
越前。いいところだったわ。また紙を吸っているところに行きたいわ。
紙はいいものよ。人の思いや大切なことを書いて表せるの。道長。ありがとうね。それを思い出したわ。越前のことも ね。
まひろ。そうか。そう思ってくれるのなら嬉しい。まひろ。頑張れ。俺はお前を応援しているぞ。
ネム。あのさ。これから俺にもトキや戦いの歴史や鎌倉時代こと教えてくれよ。お前の力のことも。
アンタ。 ありがとう。でも、自分でなんとかするわ。
でも、この間のモンゴル。この間のまりあの時みたいになったら言ってくれよな。俺、力になるから。道長みたいにさ。
アンタ。優しいのね。ありがとう。嬉しいわ。
おーい。みんな。朝だぞ。
トキ ニャ。
なんだよ。圭吾。ネム。お前たち。頑張れよな。俺はニコやみんなを守って絵巻ものを作るんだ。米津や圭吾やミハルやネムや桃子やアンと協力してみんなで絵巻ものを作っていくんだ。
トキ。そうね。そうなのよね。私、決めたわ。
ねーちゃん。
アンタ。よく聞きなさい。アンタも私やトキとこれからは同じよ。それにまあ私の気持ちにふたはしないから。
フタ。なんのことだよ。
ねーちゃん。どういうことだ。
そうね。昔の伊豆の時と同じね。
伊豆。
アンタ。これからもよろしく ね。
圭吾は優しくてちょっと好きニャ。ケイゴならトキやみんなを守れるのニャ。一人じゃ無理よね。アンタは弱いからでも、その時は私も手伝うわ。だってバスケットボールは一人でやるものじゃないでしょ?阿修羅が如く、いきましょう。
トキ。みー。あーちゃん。圭吾もまひろちゃんも道長も博士もみんなで少しずつ、進んでいきましょう。みんなで少しずつ。思えば伊豆の海は綺麗だったような気がする。思い出は美しく力を与えてくれる。しかし、海や山はものは言わない。それは思い出も同じかもしれない。思い出は過去のことであり、それのみではものは言わない。海や山のようにただ、そこにあるのみである。私は伊豆の海やトキの事を思うとき、そう思った。