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夕焼けの国の魔法使い 鎌倉殿の13人

俺は毎日学校へ行って部活やって帰りにアイス食べて友達に漫画を借りて、面白い動画の話して、それからゲームの話もして、秘密だけど、悪党もやってる。悪党は冒険クラブだと思う。みんなが思い思いに強い自分を目指して、切磋琢磨している。千里の道も一歩から、ローマは1日してならず、最近読んだ本にそんなことが書いてあった。俺はバトミントンも頑張りたい。それからもっと上手くなりたい。頭の中では有名選手でオリンピックにも出てる。タイのリーグからもきて欲しいと言われている。そんな男だ。でも、俺はなんとなく帰ってきて、ゴロンとスマホしているのが楽しいから世界がどうこうなんてどうでもよくなる、俺の夢は何気ない日常を守ること。ダラダラと漫画が読める。バトミントンも頑張れるそんな日常が当たり前にある世界を守ること。世界を守るなんて大袈裟だって?わかってないな。なんでもない人間でも世界を守ることはできるし、世界を作ることはできるんだぜ。俺はそう思う。俺は先輩より現実肌なんだ。先輩はヒーロー気質だから、なんとなく暮らしてなんとなくいいなあって、秋は文化祭だ。また、やっていこう。頑張りが大きな世界を作る。そんな時が必ず来るって俺は思う。だから、先輩みたいに、トップを走って強がって進んでいく人を見ると軽蔑したくなる、何を急いでいるのかって、北条は安泰なのにって、先輩は冒険ができることが楽しくて仕方ないみたいだった。でも、俺は心配だ。先輩は暴走するから。なんでも、魔法使いなんだそうだ。待ったく、不思議な人だ。あの、ヒキトシノリを倒しても、楽しそうにしてんだもんな。段々と日常世界から武門の中に入ってきているのに。おそろしくないんだって。だから、俺は不思議なんだよな。どうして、はしっていってしまうのか?興味のないアニメとかも妹さんと仲良くなるために見たりして、つまらなそうにしてたのに。俺はこれでいいって。もう一人の妹の使ってたキーホルダーも大切に持って。嬉しそうにしてた。本当に家族のことが好きなんだって、伝わってきた。いつも楽しい、ふざけてる先輩だけど、こういうところはちゃんとしてる。不思議だなと思う。俺だって部活頑張りたいもんな。よく分かる。でも、あんなに急がなくても、と思う。俺は俺がいい。マイペースに、ゆったりと。

おーい。お前。何、話してんだよ。ばーか。俺はミーのこと、知りたいと思って。見てんだよ。

でも、面白くはないんでしょう。見て分かるすよ。

面白くはねえ。でも、ミーが面白いって。俺、にいちゃん。だからな。

あんまり、頑張りすぎると黒い魔法使いに。

俺はならねえよ。それはおっさんが目指したもんで。俺に才能ないって。俺は魔法使いなんだ。でも、黒い魔法使いじゃない。ふふふ。俺はならん。ふふふ。

そうすか?でも、時政さんも、最近おかしいっすよ。

あれはおばさんが悪い。俺はなんとかする。

俺も手伝います。

当たり前だ。それに俺は兄弟子だ。だから協力するのは当たり前なんだ。そうだろ。?

そうだろって?部活もありますし、文化祭の練習もあります。俺。

そうか?俺、一人でやるよ。俺、もっと強くなる。大魔法使いになる。

はいはい。はいはいっかいだ。

 

やれやれ、あっ。みーさん。

あー。お兄ちゃんの。私、本読んでるの。新海誠さんの。今度の映画のやつ。今読んでるの。

そうですか。あっ。あのさ、お兄ちゃん。暴走しちゃうから止めてあげて、お兄ちゃんすぐ忘れるから。思い出させてあげる人がトキには必要なのよ。あーあ。トキも新海誠さんのように。

涼やかに ですね。

よく知ってるじゃん。ふふふ。

いつもいってるんだよ。でも、聞かないの。トキの奴。あの、頼朝にやられちゃったみたいね。トキ、甘々だもん。私が変わったってビクビクしてるの。私、分かるんだよね。トキ、甘々だもん。

甘々。

そう、あまーいの。またね。君に暴走を止める任務を与えよう。北条トキの。ウィッチウォッチの。それではまたね。今度、新海誠の話しよう?知ってる。またね。

そういうとみーさんはどこかに行ってしまった。みーさんは先輩のことが好きなのか嫌いなのかよくわからなかった。

おーい。お前。文化祭の練習は、記憶からなくなっちまったのか?おーい。

あ、そうだ。時間だ。

俺、行ってきます。

今は夕方、誰もいない廊下に夕日が寂しげに輝いていた。