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リノのお友達。政治家稼業。パラレルファクター。

 リノのお友達。政治家稼業。パラレルファクター。

今日は、新元号の発表の式典があり、せんろと津山もその式典に参加した。

もちろん、のぞみさんも、出席し、新元号へ秘書部一同も、気持ちを切り替えて向うようにと挨拶をうけた。せんろは朝から、スーツに身を包み、真面目、そのものであった。

朝からずっと、真面目なので、これではリノちゃんやソファーちゃんもお休みである。

いつからだろう。気が付けば、事務所ではせんろでいる時間の方が伸びてきているようだった。それに伴って、なにかの反動が必ずあるのがこの男なのだが、せんろとリノをうまく使い分けているようなのだ。本人が言っているのだから、間違いない。のぞみさんだって、黒のストップウォッチや自分の女性らしい白いベルトの腕時計で計っている。それによると確かに伸びているようだった。

しかし、傍目では分からない。けれど、のぞみさんがそういうのだからそうなのだろう。のぞみさんも新元号に変わったのを機にプライベートルームにもよく足を運ぶようになった。せんろは、そのたびに、なんでよ。だの、ここはリノの家なの。だの、相変わらず、ミャンミャンうるさかったが、のぞみさんは、耐えた。そして、ソファーは「リノのわがままに耐えていますね。清水さん。新元号になっても、ぶれませんね。」と冷たい目でのぞみさんを見ていた。

オレンジジュースを飲んだり、ネコ耳をつけて飛び回ったり、リノちゃんは、元気いっぱいね。と思いながら、本当に、せんろさんなの?と思う事もあったが、夜になると、夜や夕方になると、風が吹いて、せんろに戻っている。せんろに戻ると、いつものブラックスーツに戻っている。時々、ジーンズをはいている時もあった。

いつ着替えているのか不思議だったが、ソファーは冷たい声で、「いつ着替えているのか?それは、分かりません。先生の御心のままに。」というばかりで、その謎は分からなかった。せんろに聞いても、「私だって、着替えくらいします。」と笑うばかりだった。津山さんはせんろさんのこういう影の部分も知っているのね。と思った。

そう思った彼女は、津山議員に会った。

津山議員には弟子も、五、六人いて、せんろよりエリート議員という風だった。

津山に「せんろさんの事で。」と、話をした。

津山は「清水さん。なんですか。ああ、リノのことですね。」と、ああ、あの件ね。と言わんばかりに清水さんが何で悩んでいるのか。すぐに分かったようだった。

津山は「清水さん。あいつは。ああいう人です。気にすることでは、ありません。」と、笑った。

清水さんは、えぇ。と、びっくりしたが、すぐに津山さんはすぐに相手を理解する人なのだ。と思った。少し話しただけだが、津山議員の事を、せんろが彼は私の親友です。と言っていた意味が分かった気がした。けれど、私は、そこまで割り切れないわ。と思った彼女は、津山議員に「私、せんろ議員が心配です。あのままいってしまうと、夢が。」と、言った。

津山議員は「そうですね。このまま。あまり考えたくはないけれど、秘密がばれる事があってしまったら。それに今、あなたは、夢とおっしゃた。そうですか。あなたにとって、哲郎さんは夢なんですね。」と、言った。

清水さんは「はい。津山議員。あの人は私の夢なんです。そして、その夢を入閣させることが私の今の夢なんです。」と、津山に言った。

津山は、ほっほっほ。と笑って、「そうですか。彼も、大分買われているなあ。」と、のぞみに「暗い顔はいけないよ。お嬢さん。そんな顔じゃ、夢も逃げて行ってしまうってもんでございますよ。」と、たしなめた。

そして、こういった。彼も彼で努力をしています。のぞみさん。それが目に見えるもんじゃないかもしれません。彼は変な所が不器用なんですよ。」と、笑った。

のぞみさんはさすが文部大臣だと思ったまるでこの間のキラ星学園の校長先生のようだと思った。教職に就いたことはなかったはずだが、そんな風格があった。

せんろと同輩というのは何だか、不思議だった。

そして、津山はこう続けた、清水さん。彼も彼で、大人でしょう。心配なく。と外の景色を見て言った。もうそとはすっかり、真っ暗だ。それなのにこの部屋は明るい。その対比を見たとき、何だか、大人という響きが強く心に残った。

リノちゃんの声を聞いていると何か麻痺してしまうけど、私たちは、大人なのだと思った。

そう思うと私もいろいろ考えすぎだわ。彼も大人よ。私だってそうよ。と思った。

津山議員は「せんろという男は、そんな男です。長い付き合いですから。あなたも、何年一緒にいるかわかりませんよ。」と笑った。そして、こういった。

「出会いは大切に。彼も気が付いてくれるといいんですがね。」といった。

のぞみは津山がそういったとき、つかえたものが少し取れたような気がした。

すると、心の中がふわあと温かくなった。

のぞみは津山議員にあいさつをした。感謝の気持ちを表した。

「ありがとうございます。」と口に出していった。

すると、津山は、「まあ。気になさらず。竹馬の友の事です。」とのぞみに頭を下げた。

その時、ドアが開き、津山さんの秘書が入ってきて、「先生。時間です。」といった。

津山さんは「私も私の生活がありますので、彼やリノの事を一字一句気にかけていることはできません。あなたは、優しい。そしてエネルギシュだ。その気持ちを忘れず、困った魔法使いちゃんをたのみます。」といった。

その背中は疲れていたが逞しく、強い背中だった。

扉を開けて、津山はリノに電話をした。

電話で、リノに「リノ。女は大切にしろよ。俺もな。」といった。

電話の向こうでも、リノはミャンミャン言っていたが、津山の言葉を聞いていた。

電話を切るとき、リノは「津山くん。リノと津山君さあ。友達だよね。ありがとうネ。津山君、新元号も頑張ろうネ。」といった。

その声はかわいい声だったが、何か決意に満ち溢れていたようだった。

そして、津山は、「当たり前だ。せんろ。リノもな。」と電話を切った。

そして、津山は、「世話の焼ける奴だな。まったく。」とつぶやいた。