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人の生き方。てつのくじら。パラレルファクター。

nezuzyouzi.hatenablog.comこのお話は、↑↑のお話の続きです。

 

 

人の生き方。てつのくじら。パラレルファクター。

今日、工場勤務は、俺は、18時に終わった。
俺は、最近、母さんが、モノがない。モノがないねえ。
配給も、日に日にすくのうなっとるんじゃないんかのう。というので、
俺も、困ったのう。と思っとった。
浩二のやつも、嫁をもろうて、可愛い気立てのいい子が。
お嫁にきんさった。

あの浩二が、嫁を取った。ええことじゃ。
浩二は、俺に似て、一に船、二に軍艦というやつじゃけえね。
嫁を取れるんか。心配しとったんじゃけど、どういうわけか、
気立てがようて、色が、白い子が、城島の方から、小野道へ
お嫁に来て、下さった。俺は、うれしゅうて、うれしゅうて、
かなわんかったのう。

そがあなもんじゃけぇ、配給がたらん。たらんのう。いうことは、
あっては、ならんし。すずこちゃんに申し訳ない。と思うたんよね。
じゃけぇ、なんかええ策は、ないかのう。おもうて、考えとった。
ほうしたら、もうのうなって、しもうたけど、うちのばあ様が、
小野道のお犬の事を俺に教えてくれたことを思い出した。

なんでも、この小野道には、いや、ワコクどこでも、ええけど、
お犬いうもんたちがおるらしい。
うちのばあ様は、そがあな事を、小さい俺に教えてくれた。

ほじゃけ。俺は、小野道の町を探して歩いた。

おとぎ話やけぇね。おるかおらんかいうのは、また別の話じゃあ。
まあ、こがいな事をやっとるときやけぇのう。

なにがあっても、何がおっても、不思議やのう。

俺は、町を探して回った。お犬をさがしてまわったんじゃ。
でも、おもしろいもんで、犬いうたら、四足ばっかりでのう。
まあ、あたりまえじゃ。と思うて、探して回った。
そのお犬、いう人らは、ばあ様がいうには、店をやっとるそうじゃ。
本当におるんかのう。と思うた。俺たちと、同じように歩く、犬いうのは、
本当におるんかね。とそう思った。

若い嫁さんもおるし、浩二にも、悪いしのう。あんまり、俺は、そがあな男やのうて、
船やら、軍艦やらを作っとる方が、好きな男じゃけど、俺じゃって、小野道に生まれた小野道の男
やけえ。浩二の嫁さんに、苦しい思いはさせとうない。すずこさんには、苦労をかけとうない。
そう思った俺は、お犬を探して回った。

あっちへ、いったり、こっちへ行ったりした。

俺の家は、金持ちじゃないけえのう。でも、そがいな家に文句一ついわんと、来てくれた。

そがいな健気な子にこたえて、やらにゃいけん。その気持ちで、いっぱいじゃった。

その思いが通じたんか。どうなんかは、俺には、わからんけど、俺は、小さい屋台を見つけた。

小さな屋台。小さな屋台じゃ。嬉しかった。見つけたとき。

俺は、最初、嬉しいと思ったが、違う屋台なんかと思った。じゃけど、屋台のお姉ちゃんの頭に 耳がついとるのが分かった。一生懸命、姉さんかぶりで、隠しとった。けど、俺にはよくわかった。

俺のメガネは、ようけえ見えるえけえね。自慢じゃないけどね。
俺は、昆布と、鰹節、あと、お米もほしいのう。というた。

店のお姉ちゃんは、俺が、そういうと「はい。」と、小さい声で、言うた。

俺は、その時、愛想の悪い店じゃあ。と思った。けども、人間は怖いんやね。と思うて、
お姉ちゃんに、「人間。怖いかね。ほうか。ほうやけど、怖がらんで、ええよ。」というた。

まあ、仕方ない。こがあに、イテキ。イテキ。言われりゃ、ちいそうなってしまうんも、
無理もないのう。俺は、そがいに思うた。

ほうじゃけども、いつも、ビクビクしとるんは、疲れんか。俺は、そう思うた。

年も、そのお姉ちゃんは、すずこさんと、同じ年じゃろうねと思った。
姉さんかぶり姿がようにとった。極力お犬じゃと、さとられんようにしとるんじゃねえ。と思うた。
俺が、そう思うとる間、そのお姉ちゃんは、もくもくと、昆布と、鰹節と、お米を計っていた。
それを俺が黙って見とると、「そがいに、みんでつかあさい。」と恥ずかしそうにした。

ほっぺたが、あこうなった。年頃の娘さんいうんは、恥ずかしがり屋やね。と思うて、ニコッとわろうた。
俺が笑うと、そのお姉ちゃんは、「ひやかさんで。」と、言うた。
ほっぺをぷくっとさせて、困った顔をしとった。

俺は、それを見とると、浩二の事を思い出した。浩二も、よく俺がからかうと、親父は、なんなんじゃ。」と、
同じような顔をしんさるけえね。年が近いいうのは、面白いねえ。とそう思うた。
俺は、気分がようなると、「お姉ちゃん、酒。あるか。おいしい酒。あるかのう。」そういうた。
今、こんな時に酒、いうのも、おかしい話じゃ、ほじゃども、モノ言う犬がおって、生きとりんさる。

こがあなことがあるくらいじゃ、酒くらいのんでも、ええじゃろう。そう思うた。
俺が、そういうと、お姉ちゃんは、ありますよ。というた。じゃけども、申し訳なさそうに高いですよ。と、
こわごわ言った。
俺は、ええけえ。ええけえ。と、笑った。
俺が、そういうと、後ろの棚から、お酒を下して、さっきの昆布と鰹節と、お米の隣において、俺に渡した。
俺は、お金を渡した。お金は、こんな時やけえ。ボロボロじゃった。
けど、ほうでも、ちゃんと、お金として、払えた。不思議じゃのう。
俺が、お金を渡すと、その女の子は、「ありがとうございます。」と、言うた。

少し、こわごわと、しとった。さっき、こわがらんでええけえのう。言うたのに。あんまりきかんかった。
俺は、少し、残念じゃ思うた。お金を渡すとき、少し、俺は、手に毛のふわっとしたもんを感じた。
手も震えとるんか。毛もブルブルしとりんさった。
ほじゃけ、お姉ちゃんに、俺は、「今度来るときは、こがあなおっさんやのうて、可愛い子に来させる けえね。じゃけえ、そがあに、こわがらんで。」と、言った。
目をじっとみたら、そのお姉ちゃんは恥ずかしそうにしとった。

その時、俺は、若い子は、かわいいのう。と思った。
そうおもうと、浩二やすずこさんのために、がんばらにゃあ、いけんと思うた。
そがあに思うと、俺は、お姉ちゃんに、ありがとうというとった。
今日は、ええ酒が飲めそうじゃ俺は、そう思うて、家に帰った。
手には、少し、毛がのことった。わしゃあ、ケガレじゃけえのう。家に帰って、風呂入るか。そう思うた。
空には、まんまるお月さまがでとった。姉ちゃんの店にいとったけぇね。こがあに、

おそうなったね。


俺は、そう思うた。