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小野道のあまあまちゃん。パラレルファクター。

真美子は、嬉しかった。幸せじゃあねえ。と思っていた。
なぜかというと、今日も、あの「書生」さんと、お話をするからだ。
その「書生」さんとは、最近、よく話す。書生さんは、自分が属している会の会長さんに、
「君は、広い世界をみてきんさいや。」と、言われて、ほうか、ぼかあ、なんも、知らんのじゃなあ。と、そう思ったから、
小野道へ、来たそうだ。真美子は、それを聞いて、なんだか、あまあまちゃん。みたいじゃあと思った。

あまあまちゃんは、真美子が、てつのくじらより前に出演したドラマであった。そのドラマの中に出てて来る主人公のあまあまちゃん役をやった。
あまあまちゃんも、自分の世界以外、知らない子で、自分の世界の外の事には、興味が無い子であった。

そんなあまあまちゃんが、引っ越してきた北国、かなでやまで、たくさんの人とかかわって、変わっていった。

そのドラマでは、話し方がぬぼーっとしているので、セリフが聞き取りにくいとか、眠そうにしているとか、言われたが、
くらいついって言った。声も、大きな声を出して、元気に撮影でも、動き回った。しかし、空回りであった。
頑張りと言うのは、難しい。空回りすることもある。頑張りがすべて、うまくいくとは、限らない。あまあまちゃんの現場で、
真美子は、それを知った。けれども、真美子は、諦めなかった。元気な、あまあまちゃんを演じていると、不思議と、頭の中に
あまあまちゃんの声が聞こえてきて、自分をはげましてくれていた。「負げちゃ、いげねえ。オラ、演技の事、わがんねえけど、
オラ、マミちゃんの演技、好きだよ。」と言ってくれたような気がした。真美子は、「そんなもんは、つくりもんじゃあ。モノは、しゃべらん。」
と思っていたが、真美子は、あまあまちゃんの謎の声、励ましを聞くたびに、「うれしいのう。そんな風に言ってもらえたら、やりがいがあるねえ。」と、思った。

だから、くらいついて頑張った。この現場は、真美子にとって、とても、大事な現場となった。たくさん怒られて、たくさん怖いもいもした。
つらくて、小さくなって泣いてしまうこともあった。そのたびに、真美子は「大きい世界の中じゃったら、私の存在なんて、小さいものなんじゃ。」と思って、
悲しくなることもあった。けれども、反対に、この世界には、たくさんの人がいる、他の役者さんも、たくさんおりんさる。ということも、よう分った。
怖い思いもした。けれども、その代わり、可愛がってもらったりもした。あまあまちゃんは、可愛いね。と、新田マサルさんにも、よく声を掛けられた。
新田さんは、怖そうな人だけど、芝居が始まれば、ズーズー弁の優しい漁師さんに、変身した。撮影の合間でも、優しく声をかけてくれた。
それが真美子には、嬉しかった。小さい事かもしれにけれど、ちょっと、いつもよりできると、少し、嬉しくなって、その日は、幸せな気持ちに
なったりした。そんなことがあって、真美子は、この現場で、自分の小ささと、世界の大きさを学んだような気がした。

だから、この現場は、真美子にとって、特別な現場なのだ。

真美子は、安達さんから、その話を聞いたとき、そう思った。
安達さんの話を聞いていると、真美子は、「この人、私と、一緒じゃあね。」と思う。
安達さんも、私と、一緒で、あまあまちゃんじゃったんじゃのう。と思った。
安達さんとは、暇が合う時には、必ず、会うようにしている。人と人の縁は、大事にするものだと思うからだ。
新田さんからも、「いいか。マミちゃん。人と人っていうのは、縁だからな、」と教わった。
だから、安達さんとの不思議な縁も、「大事にせんと、いかんねぇ。」と、大事にしている。
茶店に行くと、安達さんがいた。おりんさった。
安達さんは、真美子を見ると、少し、恥ずかしそうにして、アイスコーヒーを飲んだ。
しかし、お砂糖を少し、入れるのを忘れたらしく、少し、「ああ、苦いのう。」と、いう顔をした。
それを、見て、真美子は「安達さん。コーヒーのブラック。苦手なんじゃねぇ。のめんじゃあ。」と思ってフフっと、笑った。
それを見て、安達さんは、また恥ずかしそうにした。
この世界には、いろんな人がおる。いろんな人が、生きとりんさる。そんな中で、安達さんと私は、同じ時間を一緒にしとる。
そう思うと、とても、この時間が、とても、尊くて、良い時間で、大切な時間のような気がした。
そう思うと、おおげさかも、しれないけれど、安達さんに、ありがとうと言いたくなった。