キヨシは、マクガイヤーの取り調べが終わると、廊下に出た。
キヨシは、(さっきの雨雲なんだったんだ。とても嫌な予感がするな)と思った。
彼の心の中で、とても恐ろしい物が渦巻いた。キヨシの頭に千代ちゃんやシンゴ、ジョー、アンドレの事がよぎった。
あの雲は、マクガイヤーと関係があるのか。怪獣人間のマクガイヤーが恐れる存在とは、一体。
彼は、気分を変えるため、廊下の自動販売機で、ジュースを買った。
彼がジュースを飲むと、彼の口に、南国の甘い味が広がった。
彼がジュースを飲んでいると、ガクトがやってきた。彼もジュースを買いに来たようだ。
「キヨシ殿、お疲れ様でござる。なにか、情報はつかめたでゴザルか。」
ガクトがキヨシに聞いた。
キヨシは、「何も、あいつ、黙秘するって。でも、なんだか、おびえていたんだ。」
「怯えていた?、マクガイヤー殿は、怪獣に変身できるのでござろう?そんな彼がどうして怯えるのでござるか。その人は自分がかなわない相手なのでござろうか?」
ガクトがキヨシに聞く。
「わからない。とにかく、マクガイヤーの事を調べるには、あいつの身辺と「その人」について調べてみなければ、いけない。まずは、それからだ。」
キヨシが答える。その声はやる気に満ちていた。
「小生も協力するでござるよ。」
「ありがとう。ガクト。」
清は嬉しくなり、ガクトに、ジュースをおごった。彼は、かたじけないと清からジュースを受け取った。清はガクトにジュースを渡しながら、
(ガクトが協力してくれた。よし、頑張ろう。)と思った。
そのころ、留置場では、マクガイヤーが怯えていた。
「あの雲があるって事は、ニューヨークが来たってことだ。ニューヨークが来たってことは、奴らもこの町に向かってるってことだな。」
と暗い留置場の中で呟いていた。
「恐ろしい、なんという事だ。俺は、殺される。でも、皆来るってことは、マミちゃんも来るってことだよねぇ――。」
マクガイヤーは、そう思うと、ふと、笑ってしまった。
恐ろしいと恐れてみたり、恐れて震えていたかと思うと笑ってみたり、忙しい男である。
マクガイヤーがそうやって笑っていると、見張りの裏生徒会副会長から「うるさいぞ、静かにしろ。」と言われた。
マクガイヤーは、注意を受けて、「はい。」といった。
彼が、笑うのをやめると、また恐怖で、彼の体は、恐怖で震えだした。
「うるさいぞ、静かにしろ。」
裏生徒会副会長のその声には、いら立ちがこもっていた。
彼女は、留置場の入り口の見張りをしていた。彼女は見張りをしながら、手に黒い鞭を持って、その鞭で、人をたたく練習をしていた。
彼女が見張りをしていると、向こうから、花が来た。
彼も見張りの一人であった。
花はトイレに行っていた。
彼女は、裏生徒会副会長の所に戻xってくると、「ねえ、局長が戻ってきたんだって、廊下で、話してた。」と元気にいった。
「なぜ、局長は、中国へ行っていたのに。局長は修行を途中で切り上げたのか。花よ、なぜだ。?」
裏生徒会副会長は、驚いたように言った。
「そんなこと、いったって、わかんないよ。」
花は、裏生徒会副会長の語気に押されて、困惑した。
「それだけ、今回の事件は、大事だったんじゃないの。ボリューム基地に犯罪者が入ってきたんだから。」
「そうか、しかし、なぜ、あの修行が三度の飯よりも好きな局長がそんなことを。」
裏生徒会副会長は、不思議に思った
マクガイヤーは外で、女たちが騒いでいるなと思っていたそして、笑いながら、早く来(ないかな、マミちゃん。)と思った。
彼が笑うと、また、裏生徒会副会長注意された。
マクガイヤーは、イラついて
マクガイヤーは、(みんな揃ったら見てろよ。)と思った。
マミちゃんを待ちながら、そう思った。
(彼女も来るのか。楽しみだ。)
マクガイヤーが拘置所で、女たちの声をききながら、マミちゃんヘ思いを巡らせている時、ジョージ・リー局長は、
気を失ったニューヨークに手錠をかけながら、ジョーとアンドレと楽しく話していた。