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ソファーちゃんのココロ。政治家稼業。パラレルファクター。

ソファーちゃんのココロ。政治家稼業。パラレルファクター。

 

私は嬉しかった。今度から私の時間もできるようになったから。

けれど、私は一人では動けない。だから、結局リノと一緒にいる。私はおもちゃ。遊んでくれる人がいないと動かない。けれど、私は動ける。
リノと先生がいれば。実をいうとリノより先生の方が上手い。結局は元は同じだと思うので上手いも下手もないのだろうけど。演技の差というか、緩急があるような気がする。

私の声はもちろん。私です。でも、私は私の声は冷たい声。この声は誰の声。私の心の声。リノの声。私とリノが二人でいるとき。先生は指導室で腕組みをしています。そして喜んでいます。

リノはいつも元気です。昨日もかわいい声で猫のビデオを見て真似をしていました。リノは 元気です。先生も喜んでいます。リノは心のままに自分を表現するのがうまいそうです。

私もそう思います。私のように現実主義ではないので私はうらやましく思います。

この間、リノがこっそりと父の日の祝いをしていました。先生とリノはそんな関係なのでしょうか。この間、リノの時間にリノにそれとなく聞いてみました。

 

そしたら、私たちは仲良し三人組だよ。リノはリノ。テツロウはテツロウ。ソファちゃんはソファちゃんだよ。私たちはチームなの。分かった。」と、カワイイ声で言いました。

 

私はこの時、やはり不思議だな。と思いました。この関係が不思議なのです。のぞみさんは時計を持って時間を計っていました。もっと、聞いていたいな。と思ったその時リノは先生と交代するのです。私はというと窓際に戻されます。そして事務所の今日の閉所時間になると先生とリノと帰るのです。リノはその後、先生の体力に余裕があればマンションの一室で遊ぶのです。私も遊びます。けれど、のぞみさんが心配をして帰るときしっかり休んでください。と、せんろさん。と釘を差します。リノがハーイ。と、答えるとのぞみさんはこら。と怒ります。帰ってからは私が先生とリノの目付け役。コーチです。あの二人は私がいないともっと遊ぶでしょう。

本当はリノの元気さ。可憐さ。先生の聡明さにあこがれます。けれど私は二人とは違います。心の事もまだまだ勉強中です。けれど、私はのぞみさん側です。のぞみさんから見たら結局、同じかもしれないけどこの冷たい声でこの心でこの魂で止めます。けれど時々遊びます。本当は仕事が終わった後ものぞみさんがマンションについて行って先生とリノを指導すれば良いのだろう。と思うのですが、先生もリノも子どもではありません。

二人ともそして私も助け合って生きています。炊事や洗濯も楽しんでやっています。そして私もその仲間としてその背中を見ています、そう思うと私も生きたいと思います。私はおもちゃなのに生きるなんてちょっと変ですよね。でも、そう思わせてくれます。この心が私の心。この思いが私の生きる思いなのだと思います。

私はそんなことを思いながらリノの顔を見ました。リノはまほー図鑑という宝物の本を読んでいました。その顔はとてもかわいい顔でした。私がじっと見ているとリノは私にそふぁちゃん。今日は、なんだかいつもよりニコニコさんだネ。と言いました。

私はリノがそういった時、私の顔はいつも同じですよ。と言いました。

リノは私がそういうといたずらっぽく「違う。ソファちゃん。可愛いもん。とってもとってもさぁ。」とちょっと乱暴にでも元気よく言いました。

 

そのさぁ。の言い方は私の心に刺さりました。私もこのくらいになりたい。もっともっと

近くで見ていたい。と思う。不思議な人だと思いました。

そう思うと私はあのフォゼくんの事を思い出していました。

フォゼ君の事を思うと不思議な気持ちになります。

また、メソメソしちゃった。でも、フォゼ君に会いたいわ。と思いました。

そう思うとフォゼ君、見ててくださいね。と心が熱くなりました。

さっきから心だ。魂だ。って言ってる。私、おもちゃなのに。おかしいですね。と私は思った。私がそう思っている間も、リノは本を読んだり、飛んだり跳ねたり、遊んだりしていました。

私はその様子を綺麗なうすい紫色の目で紫色の髪にリノの手の暖かさを感じながら見ていました。

リノの手は柔らかく優しい手でした。

私は冷たい声で、リノ。ありがとうございます。嬉しいです。」と答えました。

父の日。家族のカケラ。政治家稼業。パラレルファクター。

 父の日。家族のカケラ。

 これは、↓↓のお話に関連したお話です。

nezuzyouzi.hatenablog.com

六月のある日。せんろは書類をかいていた。

次の大事な会議の書類だ。今度はワコクの物流に関する会議だ。

津山議員、カメリア国海洋研究所の魚住博士など懐かしい顔がそろうことになった。

せんろは忙しい。明日は西、明日は北。と国中を回る。

しかし、カゾクサービスもよく行っている。秘書ののぞみさんと一緒に国中を回るのだ。

リノやソファーもつれて行くこともある。しかし、彼女たちも100%、子どもではないので仕事中に変わったりはしない。

のぞみさんも最近、そこを計算に入れ始めたらしいがのぞみさんが気を抜くとせんろが自分で緩めるのでそこはのぞみさんの腕の見せ所である。

勝手が分かっているというと津山議員もこのことは知っている。リノももちろん。仕事中は心のステージにはリノもそふぁちゃんも入らないヨ。ということは知っているそうである。

 

しかし、その様子を後ろのせんろがいる指導室で見ているので、たいていの事は知っている。

せんろがのぞみの思いに少し気づいている事も政治にテツロウがどんな思いで取り組んでいるのかも指導室から見ている。ソファちゃんに部屋に戻るように言われても背中を見ているのが好きなのでソファも誘ってみているのだ。

逆もあって、リノとソファの様子を指導室から見ている。時には体部分を動かし、結局は自分で演じている部分もあるのだが、私は私。リノはリノ。ソファはソファ。皆、私である前にあなたである。という事は変わらないので、自分も楽しんでいる。

だから、せんろはスポーツジムにいっている。のぞみとは別のジムだ。守屋議員より小さく馬力もない。けれど、一番、国やカゾクの事を思う気持ちがある。何よりもその気持ちが大事だ。と思う。はたから見れば児戯に等しいのだがせんろはカゾクだと思っているし。国の事も愛していた。最近、不思議な事を思うようになった。前までは何とも思わなかったがのぞみさん。結構、綺麗ですね。と思うようになった。不思議である。10歳近く離れているのに。不思議である。

この心境の変化をせんろは面白いと思っていた。心境というのは変わっていくものだ。と一番、理解していた。心と国は似ている。国も心も変わっていく。心が集まり、国となるのか。国が集まり、心となるのかは知らないが、せんろはそう思った。

そんなことを思いながらせんろは書類を作っていった。最近、デスクワークが増えてきたように思う。こんなのをリノに見せても面白がるとは思わない。ソファは好きそうだが、古風な男が言った。男は背中で語るものだと。今はめっきり聞かなくなったが。とまあ、今は、そんなきどった話は無しで、現実問題、のぞみさんと対峙しよう。この書類と対峙しよう。これが私の選んだ道なんだ。せんろは思った。

のぞみさんはストップウォッチを持って計っている。今日は気合が入っていた。

ソファはじーっと冷たい目をせんろに向けて仕事ぶりを見ていた。

ソファは思った。先生は結構二枚目なのですね。と思った。

のぞみさんは今日は随分と集中しているな。と思った。

そう思うとのぞみさんはせんろさんも結構可愛い所があるのね。と思って、コーヒーを進めた。のぞみがコーヒーを進めるとせんろは、「ありがとうございます。」といった。

せんろはコーヒーがアイスコーヒーだったので季節が夏に近づいているな。」と思った。

そう思うとリノとソファをプールや海へ連れて行こうと思ってやる気が出た。

のぞみさんに、「アイスですか。もうそんな季節ですね。もうひと頑張りです。」と笑った。

のぞみさんは「はい。そうですね。今日は暑いのでアイスコーヒーです。」といった。

リノは「うわぁ。コーヒーだ。リノネ。おれんじじゅーすがいいな。」と思ったが「約束だよネ。」と言って指導室から出なかった。

その時のせんろの表情はキラキラとしていた。

リノはこの表情にこの場面にうっとりとしていた。

おや、血は争えぬものである。リノは実はある場所にいたものである。

リノが生まれたのは、リノがいた所は先の戦のころである。

リノの親も血をかき分けて進んだんだろう。リノの記憶とは前後があるかも知れないがリノの元は声優さんである。芸が達者で、人気者である。そんな人の欠片である。勉強熱心に違いない。いや、ここは少し勝手が違ったか。楽しそうにリノはその姿を見ているのでお勉強とは違ったかもしれない。

とある父が守った娘の思いの欠片をとある男が守っている。心の欠片をもったおもちゃのソファと一緒に。

リノは思った。リノのパパってどんな人。と思った。

きっと、良い人に違いないよネ。リノ、幸せだなあ。リノとフフッと笑った。

そう思うとリノはせんろに「テツロウ。父の日。おめでとう。」と元気に言っていた。

書き物に集中しているのでせんろには聞こえぬようである。

しかし、ソファにはわかった。リノ。少しだけお姉さんになりましたね。と冷たい声で優しく言った。

リノね。だーい好きなの。いつだって。政治家稼業。

 リノね。だーい好きなの。いつだって。

 

 この前ね。リノ。ソファちゃんの相談を受けたんだよね。

リノに相談。リノ。いつも、変な顔されるのに、さぁ、相談だって。と思ったんだけど、

リノ。ソファちゃんは、ずっとも。と思ってるから、ベストサポだよ。って、思ってるからネ。力になろう。って、困ったときは、たすけあーいダヨ。って思って、ソファちゃんにね。

「ソファちゃんは、かわいいんだから、もっと、自分を楽しんで。って、言ったんだ。

自分を楽しむって、せんろみたいでしょ。リノだって、リノだってね。成長してるんだよ。凄いでしょ。でもね。分らなくもないよね。だってさ。自分を楽しむって、難しいから。でも、リノはそれ、出来てると思うんだよね。そこがリノのよさ、良いところだとおもうな。

せんろ、いつも言ってるよね。いつ。いかなる時も心のままに。って、リノ。それ。守ってるから。大まほーつかいの卵は、基本を怠らないのだ。うふふ。

でもさ。うれしかったなあ。相談事。リノ。大人って、おもったもんね。

ソファちゃんの気持ちもわかるよ。でも、そこが良さ。なんだよ。ソファちゃんのね。

全部、リノー。リノー。で、いったら、それはダメになるよ。せんろもそうだし。ソファちゃんもそうだと思う。だから、リノ。そふぁちゃん。好き。大切って、思うよね。

ソファちゃんは、リノたちの大切なカゾクだし、仲間だし。チームせんろのチームメイトだよ。だから、ソファちゃん。リノ。好きだよね。

リノがそういっていると、せんろは「おや、リノも。さすがは、大まほーつかいですね。人の機微が分っている。ソファもリノも大事な私の一部です。それと同時に彼女たちも成長してほしいものです。私もその中に入って、成長をしていきたいと思います。

藍は藍よりとりて藍より青しです。我々も、そうありたいものです。

ソファはせんろの仕事部屋の窓辺の小さな椅子に座って、流れる雲を見つめていた。

雲はどこへ、いくのかしら。どこから来てどこへ行くのかしら。そう思っていた。

ソファはのぞみさんをじっと、見た。ソファはのぞみさんの事を応援しているからだ。

自分が生きていたら、あんな風になりたいと思うからある。

自分を律し、愛を貫く。せんろやリノのような祭のお囃子ではなく、自分を静かに見守る。人も見守る。そんな人間だと思うからだ。

そこまで思うと、リノがえー。ソファちゃん。生きてるヨ。とかわいらしい声で言った。

ソファはそうですか?と、冷たく思ったが、リノがそういったのが面白くて、「リノ。ありがとうございます。」と冷たい声で言った。

リノは「ウン。」と、言ってケタケタ笑って、「分かればいいんだよ。分れば。ソファちゃん。生きてるよ。」と笑った。

今の時間はせんろの時間なのでこのやり取りは誰にも見えない。けれど、せんろには分った。

しかし、目の前の書類の作成に集中していたのでそれとなく確認するだけだった。

のぞみさんはせんろがにやけてきたので、せんろに「せんろさん。集中です。」とストップウォッチをみせて怒った。

それを見てせんろは「いや。今、良い所だったんです。」とそれとなく言って謝った。

のぞみさんは矛を収めた。

のぞみさんは思った。せんろさんはどこを切ってもせんろさんなのね。結局。でも、一番は・・。」とふと、思った。

窓辺では、小さな魔法つかいと冷たい支持者がやいのやいの言っている。

それを感じられるのはせんろだけである。のぞみさんには見えない。

けれど、二人の事はせんろの反応を見て分った。

せんろはいやはや。と感心していた。感心しながら、書類に集中していた。

空には雲が流れ、もう初夏の陽気であった。

私のカゾク。政治家稼業。 

私のカゾク。政治家稼業。

 

 私の周りは変わっています。

せんろ先生はじめ、皆笑っているのです。リノにしても先生にしてもニコニコと笑っています。私は笑えません。あんなに時には場違いではないかと思うほどです。なぜみんなあんなに楽しそうにしているのでしょうか ?私にはわかりません。いつもあんなキラキラでできるんでしょう。リノも先生も輝いています。先生はワコクのためにリノは大まほーつかいになるために勉強をしているそうです。

先生もリノも夢があるんですね。そういう風に思うと二人とも同じ人、せんろテツロウという人なんだと思います。私も先生曰く先生の一部らしいのです。けれど、その前に私は私なのだそうです。

私にはそれが分かりません。私には夢も何もありませんから。けれど心はあると思います。リノを笑顔にさせ時にあのリノに現実を教えるソレが私の役目だと思っています。

私はあの時、おもちゃ屋で誓ったのです。彼と。だから、私は冷たくても暗くても負けません。リノのためなら、先生が与えてくださったこの役柄をやって見せます。演じきるのです。作り物でも構いません。私はおもちゃです。アニメ風のどこにでもあるパペットの人形です。だから、作り物でもまがい物でも構いません。この心は本物です。

 

この間、不思議な事がありました。のぞみさんが私を洗濯してくれたのです。洗濯機で丸洗いをしてくれたのです。洗濯は気持ちが良かった。水というのはこんなに気持ちがいいのだな。と思いました。私は水の流れと一つになっていました。洗濯機の中は暗くてうるさかったですが気持ちよくて心地が良くて眠くなってきました。私はこの時、命というものを感じました。私はおもちゃなのに。不思議ですね。生きていても良いことはありません。けれど気持ちが良かった。それが終わると、リノがのぞみさんに「ねぇ。のぞみさん。そふぁちゃん。お風呂に入ったのネ。」といって、私を渡すように言いました。

のぞみさんは「せんろさん。30分だけですよ。」と、言って少し、ため息をついて渡した。リノは「えぇー。30分。」と言いましたがあまり駄駄をこねず、夜、遊ぼう。テツロウにいうもん。でも、テツロウ。忙しいもんな。でもさ、夜は遊ぶヨ。」と、いって30分で我慢をしていました。リノの手は温かかったです。手は白魚のようで少し小さく繊細な手でした。

 

リノの手はいつもの私の特等席です。リノと世界を見て回ります。お花屋さんやケーキ屋さんにも行きます。三人で。先生はいつも後ろで、二人とももっと楽しんでと合図を送ります。けれどリノは応えますが、私はあまり応えられず。悶々としています。ケーキ屋さんにいった時、ケーキは見えましたが私には味も匂いもわからず、ケーキってどんなのかしら。と思うのが精いっぱいでした。リノは楽しく元気よく楽しんでいます。

他人を押しのけてでも楽しむのです。心を意のままに表現します。けれど、私にはそれができません。私にも先生の一部があるなら、それができるはずなのに。と思います。先生のスーツもよく手入れがしてあって、それと同じように私もよく手入れがしてあります。私は感謝しています。そう思うと同時に申し訳なくも思います。私ももっと笑い。楽しめばいいのかしら。と思います。そのことをリノに言うと「そふぁちゃん。私いつも送ってるんだけどな。でも、読んでくれないよネ。でもさ。いいよ。それがそふぁちゃんだからさ。」と、笑いました。

そしてこうも言いました。そふぁちゃんって可愛いんだからもっと自分をタノシンデ。」と。

 

私は何と言っていいか分からず。悩んでしまいました。

もっと、上手く応えたい。そう思った。そう思うと、リノにごめんなさい。と思った。

 

そう思った私は先生に相談をしに行きました。先生は時間を延ばすことについて一人で考えていました。先生にはのぞみさんがいますから。目標のために頑張らねばならないからです。

私は先生に夜分。申し訳ありません。私、どうしたらいいかと思ってと先生に相談をしました。

 

先生は私に「そうですね。ソファ。あなたは。私やリノとは違うかもしれませんね。」と笑った。ここの人は笑いものにするんだわ。と思いました。私だったらそんなことはしません。と冷たく思いました。

先生は紅茶を飲んで私に「けれど。それはあなたがあなただということです。私の中のあなたがあなたになった。それは良いことです。私が私だけになったら、私はダメになってしまいます。いや、あなたが異物だと言ってるわけじゃないんです。ただ、あなたもあなたには必要であるし。私にも必要なわけです。感じたままにやってみてください。ソファ。あなたはいいものを持っている。

けれどそれが異なものだとあなたが思うのであればそれは異なのかもしれません。けれど異なことは人と異なることは強みになります。だから気がねなくやってみてください。

あなたとリノを話すのは初めてですね。嬉しいです。光栄です。であるから、ソファ。あなたはあなたです。私でもありますが。」といった。その時の先生は今まで見た中で一番大人だなと思った。

 

リノは遊び疲れて次の出番を待っているんだろう。あの可愛い瞳。吸い込まれるような細い目を閉じて夢の旅に今日も出かけているかもしれない。けど、この時の先生の目はきりっとして男らしい相手を包み込むような目をしていた。

 

その目を見ていると私はありがとうございます。せんろ先生と思わず、言っていた。

私がそういうと先生はその姿を見て「のぞみさんに似ていますね。ソファは。いや、最近の若い子はみんなそうなのかな。」と笑った。

のぞみさん。私は彼女の事を思うと少し申し訳なくなった。私の事をよくおもっていないのかしら。と思っていたから。けれど、昼間の出来事を思いだすとお洗濯をしてくれたことを。髪をブラッシングまでしてくれた事を思い出す私は信じていいんだわ。と思えた。

 

そう思うと、私は先生にぺこっと頭を下げた。

 

私がそうすると先生は時間を確認した。そしてもう寝ましょう。あまり起きているとリノが起きてしまいますから。明日も早いですよ。ソファ。いついかなる時もこころのままに。これを忘れないでくださいといった。あなたは私の一部です。しかしその前にあなたはあなたなのです。そのことを忘れないでください。と言った。

その声は低く響きいつまでも聞いていたいなと思う声だった。

その声を聞いていると昼間のリノの事を思い出した。

リノのかわいい声の事を思い出した。

リノの事を思うとリノ。ごめんなさい。と思った。

また、気持ちを切り替えて自分をもって明日に備えよう。と思った。

今日は大切な事を学んだように思う。ソファはそう思った。

ソファはその時とてもいい気持ちだった。少し強くなれたような気がした。

冷たい中にも一つの光明を感じる事が出来た。そう確信したような気がした。

 

 

この道を行け。政治家稼業

この道を行け。政治家稼業

 

あれから、ちょうど、一年たった一年のお咎めであった。

 

僕はあの後も、職を転々とすることもなく料理人を続けとった。

 

よう、あんな事件、おこしはったのによう仕事をしとるのう。いろんなこと言われた。

 

もう。嫌や。と思った。もうええやろ。とも思った。

ほやけど僕には料理の道しかない。なあので。僕は洋食をやる。ホンマに。たまねぎ傷めたりサーモンのソテーを切ったりする。これが俺の仕事だ。そう思った。それに外崎さんだ。咎めを受けたのは僕ももちろん悪い。自分一人で悩みやイライラを抱え込んでしまったから。外崎さんにイラン心配を刺せてまった。外崎さんはボーイッシュだ。短髪で。髪も茶髪だ。

アスミちゃんとは違う。

あの子とはちょっと違うと思う。

けれど外崎さんはアスミちゃんよりある意味女性らしいと思う。

もしも、アスミちゃんだったら町田を元気づけるために曲を一曲、ピアノで弾くと思う。

 

まぁ、あの二人は特別や。あの二人みたいにはなかなかなれん。だって、あの二人はわかりあってるもん。けど、僕は外崎さんの気持ちに気づけんかった。

あの事件があるまで。僕の小さなイライラや不安にあの子はいつも僕と一緒におるからいっぱい気づいたんやと思う。デミグラスソースの味、一つとっても違ったみたいやから。

 

いつも僕、外崎さんに言うてるんやけどね。僕の料理ってそんなに考えてないよ。って、でも、あの子は男っぽい外見からはちょっとびっくりするんやけど、「そうなん。しんちゃん考えてると思うけどな。」とステーキを焼きながらいった。外崎さんは事件の後、自分の料理を封印する。と言っていた。道は終わりや。と言うとった。

 

僕は彼女がそういうた時、悲しいこと言わんでくれ。と思った。俺は世の中で一番悲しいことは人が変わってしまう事やと思う。かわらない人なんていないのだけどそう思う。やから僕は外崎さんに言った。どこまで不器用なんやと思った。いつも一緒におるのに自分の気持ちをしっかりと言えたのは警察署の面会の部屋やなんて。僕は悲しかった。ちょっとオモロイとも思った。なんかちょっと冷たい笑いの映画みたいやと思った。

 

そう思うと大人だと思っていた自分が変に子どもやなとも思った、

 

お酒や夜の遊び、ゴルフに競馬そんなもんちょっとやった。町田にそれを自慢して話した日もあった。同じ厨房の女の子たちから山本さん。って言われるのもストレスやイライラやといいながらええ気持ちやと思っていた。

そんなんも一切やらずそんなことを一切思わずいや、僕は。とモジモジしとる町田に俺は「ガキやんな。」と大笑いしとった。

 

町田はその話題になるといつも僕はアスミちゃんなんだ。と当たり前のようにいって酒も夜遊びも女の子からの黄色い声援も「僕はそんなのいらんな。」といってわざとらしくそこだけ方言に僕らの戻って「いいよ。アスミちゃんがいいよ。僕は。」と顔を赤らめて言った。

 

そんなんもガキやいの。と思っていたがその時は俺の方がガキやと思った。

そう思と自分がなんや。みじめになった。

 

いつも一緒におる僕ら。遠く離れている町田とアスミちゃん。そんなことを思うと悔しくて泣いた。やからあんとき僕は封印するなんて言わんといてくれ。ミカちゃん。俺、好きやねん。ミカちゃんのスープ。あんな好き通ったスープはミカちゃんにしか作れん。ホンマや。やからやめんといて。」と泣いて叫んだ。

 

ミカちゃんはその時、びっくりしてぎょっとしとったけど、ミカちゃんは俺に「やっと。気持ちいうてくれた。しんちゃん。」と言って泣いた。

 

こっちはなんや。うれし涙みたいに見えた。俺はただやめんといて。というしかなかった。

こんな簡単なことやったんや。人に頼る。気持ちを届けるて。」そう思った。

そう思うとホッとした。今まで変に小さい世界に囚われてそれで自分を追い込んで。

それで自分で苦しんでいたんや。それは俺ひとりやったら絵になったやろう。けどそれをみとる人。こんなこと言うと冷たい赤の他人みたいやけど。

いい言い方をするとみてくれている人がそばにいてる。そんなことを忘れていた。

料理人たるもの自分の料理に客観性と責任を持て。これは修行時代に言われた。

そんなことも忘れとった。ということを今思い出した。ミカちゃんは俺が泣くとなにないとん。と少し笑った。

そしてあんまりいいことやないけど、しんちゃんがそれを思い出してくれたんやったら私。幸せやわ。ありがとう。ほんま。」と泣いた。

 

そしてこういった「料理、続けようかな。しんちゃん。続けるやろ。料理。なら、私もつづけよっかな。」といった。

俺が「ほんまか。ありがとう。」というとミカちゃんは「しんちゃん。アカン。アカンねん。だって、料理でアホな事。やってしまったんやもん。アカン。」と寂しく言った。

 

決意は固いんやな。と思った。俺は残念に思った。

 

面会時間が終わりに近いことを刑事さんが伝えに来てくれた。もう時間やと思った。

帰るとき、ミカちゃんに「ほんなら。食べに来てよ。」といった。

 

ミカちゃんはその時、俺がそういうと「嫌や。食べにはいかんよ。一緒に作ろうや。しんちゃん。私、しんちゃん好きやねん。しんちゃんの料理が。」と俺の顔を見て言った。

 

そんなことがあったからなのか。今は前よりも心が穏やかな気がする。

あの事件があったから。僕は向き合えた。ぶつかれた。大切なものは目に見えない。町田が前に映画の話をしていた時に言っていた言葉が今になって分かる。そして今はそれが見える気がする。そう思うとほら、俺の方が大人やろ。と思ってちょっと、面白いな。と思った。

俺がそう思っていると「しんちゃん。ステーキとコンソメスープとサラダできたよ。」と彼女の声がした。

その声はとても張りがあっていい声だった。

その声に俺は「はい。」と答えて向った。

俺らは料理人や旅はまだ続く。ずっとずっと。道が続くように。

まだ、いくで。いくで。いこうや。どこまでも。ということや。と俺は思った。

命はめぐる。 パラレルファクター。政治家稼業。

 命はめぐる。 パラレルファクター。政治家稼業。

 

 リノは、嬉しかった。母の日だから。リノの母親は、いない。けれど、戦争でしんでしまった。今日はそんな湿っぽい話をするのではなくて、リノの喜びの話しである。リノはうれしかった。最近、せんろがワコクも、開けてきた。まだまだ課題は山のようにうずたかく積みあがっているが、国が開けているのを肌で感じるそうだ。

 

 

 

リノは嬉しかった。奏山農業学院に行き、お姉さん、お兄さんたちと友達になれてうれしかったのだ。この間、せんろがワコク地鶏の鶏舎に視察に言った時、鶏たちが、コケコケ。と、いって卵を産んでいたので、リノは、凄いね。よく頑張ったんだネ。ということでニコニコしていた。しかし、農業と言うのは、残酷なもので、土から栄養を貰うので、しっかりと土を手入れしてやらねば、土は死ぬという事をリノは知った。リノは、何の気なしに食べている野菜たちにも、命があり、その命を育む土のお母さんにも、命があるのだ。と思った。

 

命はめぐるというは、月並みな言い方だが、命のサイクルというのを肌で感じた。魚住君と久しぶりにリノが話したとき、途中でせんろに変わったが、話したとき、魚には、淡水魚と海水魚があり、淡水の魚は海水に住むことができないし、海水の魚は、淡水には住むことはできないという事をしった。

 

 

 

しかし、博士は、リノが「ふーん。」と、聞いていると、博士は言った。「リノちゃん。せんろ君。驚かないでね。今まではそうだったんだけど、これにある物質をいれた人工飼育水を使うと住むことができるんだ。カメリア人とワコク人では会話に難があるでしょう。言葉が違うから、でも、仲立ちをするものがあると、する人がいると、彼らは話すことができるんだ。魚でも同じだよ。僕は、横文字の多い生活を送って青い目の人たちに囲まれることが多いけど、心はワコク人のつもりだよ。今でも、だからね。僕は、人工飼育水の研究をしているんだよ。僕たちは同じ海に浮かぶ島の仲間なんだ。いろんなことで対立することがあるし、戦も絶えない。ワコクではまだ残ってる。そんな戦の文化が?

 

でも、僕は、負けない。僕は持ち続けるよ。この気持ちを。君に対する気持ちと一緒にこの種を。と、リノに言った。

 

リノは、という難しすぎて、ほーんだ。という感じだった。心の部屋ではせんろが、ふふふ。と聞いていた。さすが魚住さん。目の付け所が違いますね。魚住さんは小さなところにはとらわれない人ですね。と笑った。

リノには難しいようだったが学院のお兄さん、お姉さんたちが説明していたように命はめぐっているという事が分った。学院の言葉に、取り入れ、取り入れられまた戻る。という言葉があった。これは難しいけど、そうなんだ。と思った。

リノは農業高校のお兄さん、お姉さんたちの話を聞いて、命や思いというのは手から手へと、受けつがれていくんだな。という事が分った。せんろは、リノもこれを一つの力としてほしいですねと思っていた。

 

リノは命の研究は命を育むこと。命を育むこと。命を育むことは、命を守ること。命を守ることは、命を食べる事。命を食べることは命を頂く事。いただくという事は命を奪う事。命を奪うことは命を学ぶこと。学ぶことは、息遣いを知ること。息遣いを知ることは生きる事。生きるという事は、命を繋ぐ事。という風に農業学院のお兄さん、お姉さんの話を聞いて思った

 

リノは、農業高校を訪れた時、小さな鉢植えを貰った。

農業学院のお兄さんから貰ったのだ。リノは学院ってまほー学院みたいとおもった。

お兄さんは「君も、今日から農業学院の仲間だ。緑の仲間さ。」と笑った。

緑の仲間?と意味が通っていなかったが思ったがせんろは後ろで緑と縁って似ていますね。と笑った。

しかし、双葉はなかなかでなかった。恥ずかしがり屋の子のように芽がなかなか出なかった。リノは思った。「早く芽をだしてネ。」と、思った。でも、なかなかでなかった。でも、ある日。ぱあっと、双葉が生まれたのだ。かわいい双葉だった。土の中の双葉が頑張ったんだ。土のお母さんも。ウフフ。」と、喜んだ。のぞみさんに言うと相変わらず、きっと睨まれたが、リノは嬉しかった。ソファーにも見せた。ソファーは「いのちの息吹ですね。リノ。」と冷たくいった。

 

 

 

この広い世界に小さな命が生まれた。命が芽吹き、伊吹が吹いた。とソファーは思った。

 

けれど、自分でおかしいなあと思った。おかしいなあ。と思ってリノの右手で、くるりくるりと回った。私はおもちゃ。いのちはないのに。と思った。けれど、心ならあるわよ。と思った。せんろはその時、ソファーがじっと感慨深そうに双葉をみたのが分った。ソファーも命を感じているのだろう。せんろはそれを見て、「少女と命か。命はめぐる。双葉がやがて大樹となりますように。」せんろはそう思っていた。

 

のぞみさんは、せんろを見ていた。少しびっくりした。せんろに戻っているのだ。けれど、まだリノを続けている。せんろは気が付かない。リノちゃんも。のぞみは、時計を見た。40分。業務外での新記録だ。けれど、のぞみさんは秘密にしておきましょう。静かに見守ろう。」と思った。言わぬが花という事もあると思って。今日は母の日である。

 

わざわざニュースにするような大きなことはなかった。けれど、今日は彼女にとって大きなプレゼントのある日だったようである。

 

命はめぐる。いつまでも。良きものも悪しきものも混ざりあいながら。

 

せんろは双葉を見た。双葉に向かって、「ようこそ。よく頑張りましたね。あなたの志はなんですか?」と聞いていた。そして、「リノも。あなたが諦めず、頑張ったから芽が出たんです。来る日も来る日も水やりをしていましたよね。まぁ、私も協力はしましたがこの件に関しては、リノ、アナタが率先して頑張ったんですよ。といった。リノは見えない。けれど、せんろはリノの頭をポンポンとした。

夕日の中で赤く輝くせんろ議員。その目はきらりと輝き明日を見据えていた。

 

来るミライ。パラレルファクター。政治家稼業。

 来るミライ。パラレルファクター。政治家稼業。

 

 俺は子供のころの記憶はあまりない。俺がリノくらいの記憶。

俺はサッカーに明け暮れていた。サッカーはボール一つでできるから。

俺は、野原を駆け回っていた。サッカーは面白い。駆け引き。球の奪い合い。

野球は、キャッチャーをしていた。野球は配球がある。こいつが来たら、どうだ。こうだ。フォークだ。チェンジアップだ。で、面白かった。

俺は、人を言っちゃ悪いけど、遣り込めるのが好きだった。なんだか、金庫破り。最近の言葉でいうと、ハッカーかな。俺はそれが好きだった。同じ理由で勉強も。勉強は面白い。知識もつく。何よりも、嫌な奴を勉強で倒せる。

テストの結果で見返すんだよ。腕っぷし。ああ、めっきり聞かなくなったな。せんろは好んで使うけど、俺は、エリートってことになってるんで。使わない。

もっと、せんろとリノみたいにきゃっ。きゃっか、してりゃあ良かったのかね。

俺は最近、思うんだよな。でも、この世界にタイムマシンがあるわけじゃねえ。あったとしても、そんなホイホイ乗れるもんじゃねえ。こないだ、リノの魔法図鑑に解き戻しの術って、あったんだよな。俺、それ見たとき、おお。っと思ったね。リノにこの術好きなのか。」って、言ったら、リノは「それね。みのりちゃんの術だから、駄目なの。」って、言ってたな。

「おい。リノ。また、新しいのかよ。いい加減にしろよ。」と、言ったら、

「みのりちゃんの声は出せないの。リノと、違うから。ちょっと、悪人風だから、でも、リノの一番の友達なのぅ。」っと、笑った。

 

俺は、笑った。「そりゃお前。リノ。私、みのり。って、やりゃあいいのか?俺はお前にアドバイスはするよ。だけど、お前みたいにそっちの世界にはいかねえぜ。俺は、俺だ。」と、サングラスをかっこよく紫色に光らせて言った。

リノは、「えぇ。津山君。こっちには来ないの。」と、笑った。津山は、誰でも、お前みたいになれるわけじゃねえんだよ。何人いんだよ。まったくよ。」と、言った。

 

リノは「リノ。みのりちゃん。いいと思うけど。大島みのりちゃん。良いでしょ。」と、笑った。なんじゃそりゃ、今まで、相手にはなってやったけど、とうとう芸名までついたのか。おれたちゃ。芸人か。おい。」と笑った。

 

津山は、おかしかった。コイツと長くいるが、とうとうこいつの仲間になるのか。と思った。俺だって、せんろに幾度となくアイデアを渡してきた。そして必要とあらば、料亭を私費で貸し切って、指導もした。

俺は、やるよりみる方が好きなんだよ。俺は、アイデアを考えて、妄想してそれを演者にやらせる。リノは、不思議な縁で、命が宿ったが、後ソファーも。あいつは凄いよ。俺はあいつのそんなところにあこがれたんだ。何よりも、自分が楽しんでいやがる。男でも、女役をやる。喜んで。不思議な奴だよ。まったく。政治にも真摯だ。桜の新品種を作ったり、水産研究所に助成金を出したり、凄い奴だ。

 

俺は入閣もした。エリート街道も走った。いや、今も走ってる。けれど、本物にはなれない。上手くいっても、結局は偽物だ。と思う。そう思うとき、リノ。みたいに、「私、みのり。」って、やればよかったのか?安全な道を勉学に励むという道を選ばずにヤクザな道に走ればよかったのか。と思った。

おい、よせ。やくざなのは、顔だけで十分だ。

昔、こうすりゃよかったな。ああすりゃ良かったな。悔やんでも、仕方ねえ。母さんの腹の中からやり直せるじゃねえし。俺は今、ここで生きている。昔を思い出しても、それを今、思い出した分けだろ?それなら、それは今の思い出だろ?って。俺はそう思う。人間は今しか生きられねえ。今の積み重ねが未来になっていくんだ。

俺の見当違いでリノは「違うよ。津山君」って笑うかもしれねえが、俺はそうは思わねえ。だから、俺は今を生きるんだ。俺たちは今を生きるために生きている。俺は、政治をやっている。昔を思い出すのは爺さんになった時で良いだろ?

俺はせんろとは違う。だから、そうだな。リノ、俺がもし、みのりになったら、みのりは、今を生きる。未来を待つ。良き未来を待つために今を懸命に生きる。魔法つかいだ。リノの親友ではあるけれど、リノとは考えが違って、シビアな奴だ。」と、言った。

 

リノは「えぇー。リノの友達。そんなに怖いの。いやだよう。」と困った。

 

津山は「俺は俺だ。今を生きる。俺は今を生きて来る未来を待つ。」と、かっこよく言った。

リノは「みのりちゃん。未来を待ってるんだね。誰を待ってるの。」と、言った。

津山は「そうだな。昔の俺の親友で、俺がこの国の器になれるかもしれねえなと思った男だ。今はどこかに旅にでてしまったがな。」と、言った。

 

リノは「ほえ~」と、感心していた。リノは、「みのりちゃん。一途なんだネ。リノよりおませさんだネ。」と笑った。

津山は、「そうだ。みのりは、大島は一途なんだよ。イズ大島の海のようにすんでいるんだ。と強い口調でいった。そして、待ってるんだ。あいつを。」といった。

 

リノは「あいつ?」と、困った顔をした。

 

ソファーはそれが誰だかわかった気がした。

そして、こう思った。「リノ。分かりませんか。」と冷たく言った。

リノはソファーにその時、「どしたの。ソファーちゃん」と、言った。

 

津山は、こっちの話だ。リノ。といった。

 

みのりは、待っている。より良き未来を。そして来る未来を迎えるため。力を蓄えている。

あいつをまちながら。広い海のような心を持って。

 今、リノの遊びに付き合うのは虫歯治療で甘いものを控えるように言われている子どもに砂糖をあげるものかもしれない。

けれど、津山は、この時が好きだった。一緒にありもしない世界について語るのが好きだった。のぞみさんには少し悪いかもしれないがそこが俺らしくていいと思った。小さなころから褒められた子どもではなかったから。

今は、これでいい。俺の今は俺のもの。未来は俺のものだから。

俺が今できる事をしっかりと行っていく。これが俺の生きる道。

とはいえ、俺はならない。俺はあくまでせんろの悪友だ。同士だ。親友だ。と思った。